掲載日 2007年7月27日

ジャパン・ペンション・
ナビゲーター株式会社
受付ジャパン・ペンション・ナビゲーター株式会社(以下、J-PEC)は、2001年10月に導入された確定拠出年金制度で、運営管理業務を行うことを主要目的の一つとして設立されました。会社設立以来、確定拠出年金の加入者数は順調に増加し、現在では約15万人規模となっています。そこで、さらなる加入者数増加とサービス拡充に対応できるよう、Webシステムの刷新に着手しました。
この新システムを稼働するために選ばれたサーバーはIBM System p™でした。
J-PECのシステムは、それまでマルチベンダー、マルチOSの製品で構成され、IBM製品は使われていませんでしたが、システム刷新を機会にIBM System p(OSはAIX®)で統一されたのです。その際、IBM System p選定の決め手となったのは、スケールアップによる拡張性の高さと、DLPAR/CUoD機能搭載による拡張の容易さでした。
J-PECでは、新システムの導入により加入者数やWebサービス利用率の大幅増加にも柔軟に対応できるようになったほか、さらなるサービスの拡充が可能となりました。
お客様ニーズ

ジャパン・ペンション・
ナビゲーター株式会社
企画総務部シニアマ
ネージャー
中川 裕夫氏
変化が激しい確定拠出年金業界に対応するため、
拡張性を重視した新システムを目指す
「確定拠出年金は、運用商品を加入者自身で選ぶことができますが、近年の株式市場活性化により、自身の資産運用評価に興味を持つ方が増えてきています。弊社のWebサービスでは、加入者全員が資産運用評価の確認やマネープランのシミュレーションを行うことができるため、利用率が増加しているという現状があります」と話すのは、J-PEC 企画総務部 シニアマネージャー 中川 裕夫氏です。加入者数とWebサービスの利用率が増加していたことで、システム刷新の必要性が検討課題に上ってきていましたので、旧システムがサポート切れとなる機会にWebシステムの刷新を決定したのです。
このような状況で、新システムに求められたのは、拡張性の高さと拡張の容易さだったと、J-PEC 企画総務部 マネージャー 大塚 剛氏は話します。
「確定拠出年金業界は変化が激しく、サービスも日々多様化しています。そこで弊社では、今後、業界の中でも先んじて新サービスを展開していきたいと考えていますが、だからといって、加入者に対して余計なコスト負担をかけることはできません。そこで、『必要最小限のコストで導入して動向を見ながら能力を上げていく』という観点から、常に最適なコスト負担でサービスを提供できるようなシステム選定を行いました」
J-PECの旧システムはIAサーバーを採用していたため、当初はIAサーバーによる分散型システムが検討されました。分散型システムを採用した場合、将来的に能力が不足したときには、サーバー台数増加(スケールアウト)による解決方法を取りますが、その際にシステム構成が変わるため、アプリケーションなどの変更対応を加えなければいけません。サーバーを追加することは簡単ですが、その代償としてシステムに対する変更負荷が懸念されました。
そこで、プロセッサーの追加や予備のプロセッサーの割り当て(スケールアップ)により能力不足を解決することが可能な、UNIX®サーバーの集約型システムに着目しました。この方法を採用すれば、リソースを追加してもシステムやアプリケーションの構成を変えずにサーバーの能力を上げることができるため、J-PECではスケールアップによるシステム刷新を選択しました。次に具体的な機種選びに入りましたが、拡張性が高いだけでなく拡張が短時間で容易にできるDLPAR/CUoD機能を搭載したIBM System pを選定したのです。
ソリューション

システム図
システムを止めることなくプロセッサーを拡張できるDLPAR/CUoD機能搭載のIBM System pで集約型システムを構築
新システムが本番稼働したのは、2006年4月のIBM System p導入決定から10カ月後となる2007年2月のことです。それまでJ-PECでは、マルチベンダー、マルチOSで構成されており、IBM製品をまったく使っていませんでしたが、システム刷新を機にIBM System p×6台(OSはAIX)で統一されました。
「オープン系システムなのでベンダーを選ばないということは分かっていましたが、現状を大幅に変えることは懸念事項でした。しかし、環境を刷新することに対する懸念は杞憂にすぎませんでした。むしろ、環境をIBM製品に統一したことで、高機能、高セキュリティーレベルを基本機能として享受できるようになったことに満足しています」(中川氏)
IBM System pは、拡張性の高さと拡張の容易さにおいて優れていますが、それを支えているのがDLPAR/CUoD機能です。「サーバーの拡張性を追求する中でDLPAR/CUoD機能に着目しました。スケールアップ可能であっても、システムを一時停止してリソースの割り当てを変えるような運用は避けたいと考えたのです。その点、IBM System pのDLPAR/CUoD機能を使えば、コマンドベースでプロセッサーの割り当てを変えられるので、システムを稼働しながら短時間でリソースを追加できます。拡張性という観点から、DLPAR/CUoD機能が最重要だという結論に達したのです」(中川氏)
変化が激しく数年先でも見通すことが難しい確定拠出年金業界ですが、IBM System pの柔軟な拡張性がそれに対して寄与すると、大塚氏は話します。
「Webサービスの利用率が大幅に上がったり、年金制度改正などで加入者が大幅に増えたりするなど、想定外の変動があった場合でも、今回導入したIBM System pで対応できるでしょう」
導入効果

サイト画面キャ
プチャー
拡張性の高さと拡張の容易さにより、
加入者数やWebサービス利用率の増加に対応
今回のシステム刷新で得られた最大の導入効果は、拡張性の高さと拡張の容易さだと、中川氏は話します。
「新システムは、加入者の利用頻度がそのままであれば、加入者数が現在の3倍近い40万人へと推移しても処理することは十分可能です。機能の追加で処理タスクや利用頻度が増加して、現在の利用頻度ベースで120万人分の処理性能が必要になったとしても、DLPAR/CUoD機能により、柔軟に対応できると考えています」
J-PECでは、新しいサービスについての社内提案が数多く上がってきていますが、システムがボトルネックとなって実現ができないという制約がなくなったといえるでしょう。
また、集約型システムを採用したことにより、サーバーを収容するスペース削減を実現し、管理コストが低くなる導入効果も同時に表れています。さらに、ハードウェアやOSが統一されていないと、それぞれに詳しい要員が必要なため非効率的であり保守の難易度も高いものでしたが、IBM製品に統一したことで保守容易性が高まりました。これも導入効果の一つといえるでしょう。「このことが先々のコスト抑制にもつながりますし、作業品質も高水準を維持できると考えています」(大塚氏)
さらに、新システムが稼働してから、加入者がWebサービスにログインする時間が体感的に半分以下になりました。このシステム刷新により、J-PEC社内だけでなく加入者に対しての利便性向上というメリットも発生したのです。
将来の展望

ジャパン・ペンション・
ナビゲーター株式会社
企画総務部
マネージャー
大塚 剛氏
将来を展望できるシステム環境の整備により、
ビジネス目標達成に向けた基盤を確立
拡張性の高いプラットフォームを構築したことにより、J-PECがシステム刷新の際に目標としていた加入者数増加や新サービスの提供に対応できるようになりました。
「今後の5年間で加入者が一段と増加することが予想されています。そこで、運営管理機関側としても、加入者や事業主に対するサービスのさらなる拡充が必要となります。わたしたちは、例えばWebサービスにおいて、投資教育用コンテンツや運用利回りのような資産運用情報を提供するコンテンツを早期に追加する準備を進めています。これは、この新システムを手に入れたからこそ進められることだと思います」(中川氏)
確定拠出年金は、制度開始から5年以上が経過し、導入期から成長期へと転換しているため、これまで以上にサービスを拡充することがビジネス目標として急務といえます。今回のシステム刷新により、J-PECのビジネス目標達成に向けた基盤が確立されたといえるでしょう。
お客様情報
三井グループ・住友グループの金融各社の共同出資により、2000年9月21日に設立された、厚生労働省認可の年金業務政令指定法人、確定拠出年金運営管理機関。退職給付コンサルティングをはじめとする人事・福利厚生制度の各種コンサルティング、正確かつ迅速をモットーとする退職給付債務(PBO)計算、確定拠出年金の運営管理業務ではインターネットを活用した利便性の高い情報提供サービスなど、お客様のニーズにきめ細かく対応しています。
用語の説明
- DLPAR
Dynamic Logical Partitioning(動的ロジカル・パーティショニング)の略。システム運用を中断することなく稼働中にリソースの再割り当てが行えるため、システム運用の柔軟性が飛躍的に増し、システムの可用性も向上する。ピーク時のトランザクション処理をサポートするパーティションに、まとまったプロセッサーを割り当てることも可能になるほか、非ピーク時には、間接部門の処理や複雑な照会を処理するために、リソースを再割り当てすることができる。対する「静的ロジカル・パーティショニング」の場合は、パーティションに割り当てられているリソース、プロセッサー、メモリーおよびI/Oを、パーティションのリブートなしで再割り当てすることはできない。 - CUoD
Capacity Upgrade on Demand(キャパシティー・アップグレード・オン・デマンド)の略。事前に予備のプロセッサーをサーバーに搭載しておき、必要に応じてシステムを停止させることなく、速やかにユーザー自身でプロセッサーを追加できる機能のこと。トライアルCoDで先行的に起動でき、追加起動した後はメモリーやプロセッサーを恒久的に購入することができる。そのため、初期投資を抑えながら急激なトランザクションの増加にも備えることができる。 - スケールアップ/スケールアウト
既存サーバーの機能を強化してパフォーマンスを向上させる手法を「スケールアップ」と呼ぶ。サーバー台数を増やさずに、1台あたりのプロセッサーやメモリーなどを強化することによってシステム全体の能力を上げ、システム構成を変更せずにより高い負荷に耐えられるよう拡張する。そのため、「ソフトウェアのライセンス料金が安く済む」「構成が単純で管理しやすい」「拡張が容易にできる」などのメリットがある。反対に、サーバー台数を増やすことによって負荷分散を行い、システム全体の能力やパフォーマンスを向上させることを「スケールアウト」と呼ぶ。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、AIX、System pは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
