掲載日 2007年6月20日
ITがICT(Information and Communication Technology)へと進化し、ビジネスモデルも大きく変わりつつあります。そこで、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下、NTTコミュニケーションズ)では、日本を代表する通信キャリアとして培ってきた技術力をもとに、「ICTソリューションパートナー」としてお客様の攻めの経営を支援しています。
このような環境において、NTTコミュニケーションズが次世代型ITアウトソーシングサービスAGILIT(アジリット)をスタートさせたのは2004年夏のことです。AGILITの中核をなすサービスには、オンデマンド型サーバーホスティングの「AGILIT ホスティング」がありますが、このサービスのネットワーク全体を統合的に監視しているツールがIBM Tivoli® Netcool® (以下、Netcool)です。
Netcoolによりネットワークの監視が自動化され、運用コストを削減でき生産性の向上を実現することができました。
お客様ニーズ

NTT
コミュニケーションズ
ITマネジメント
サービス事業部
サーバマネジメント
サービス部
部長 岸本 慎吾氏
次世代型ホスティングサービス実現にむけて
ネットワーク監視自動化ツールの導入へ
今日の企業が共通して抱えるIT課題として、「経営戦略を迅速にITへ落とし込むこと」と「ITコストを削減すること」が挙げられますが、この課題を解決するサービスとしてNTTコミュニケーションズが開発したのが、次世代型ホスティングのAGILITでした。
AGILITの最大の特長に、ユーザーのニーズに応じ、サーバーやストレージなどのITリソースを迅速に追加したり削減したりするオンデマンド環境があります。このようなオンデマンド化を実現するためには、システム監視を自動化する必要があります。そこで、監視ツールに対して求めた要件をNTTコミュニケーションズのITマネジメントサービス事業部 サーバマネジメントサービス部 部長 岸本慎吾氏は次のように話します。
「監視の自動化による運用生産性の向上も欠かせませんが、そのためには次の要求を満たせるツールが求められました。まず、障害原因の特定とエスカレーションが迅速に行えて、オペレーターから上級SEへの連絡がすばやくできる体制が整えられること。そして、トラブルチケッティング・システムやカスタマーポータル、オペレーターポータルなど、他のツールとの連携ができることでした」
AGILITに対しては、この2点を必須条件とした監視ツール選びがスタートしたのです。
ソリューション

システム図
開発が容易で統合がしやすい
管理ツールとしてNetcoolを選択
AGILITの開発当時の状況を振り返り、NTTコミュニケーションズの開発担当者であるITマネジメントサービス事業部 サーバマネジメントサービス部 基盤サービス部門の担当課長 ハン・ケッセルス氏は次のように話します。
「いくつもの管理ツールを比較検討してみましたが、開発者サイドとしては開発が容易で、インテグレーション(統合)しやすいツールを選びました。それがNetcoolだったのです。ポータルやトラブルチケッティング・システムと連携し、統合することが容易だったのが決め手でした。また、開発者の観点からみると、他の監視ツールはすでにそのツール単体で完成しているのに対し、Netcoolはカスタマイズしやすいということも重要でした」
同じくNTTコミュニケーションズで開発を担当しているITマネジメントサービス事業部 サーバマネジメントサービス部 基盤サービス部門の担当課長 スチュアート・ウッドワード氏が、Netcool選択の理由をさらに続けて話します。
「NTTコミュニケーションズの子会社に、当時、世界最大規模のWebホスティングを提供していた米国のVerio社(現NTTアメリカ)があります。そのVerio社でも統合監視ツールとしてNetcoolを導入しており、同社からの評価が高かったのも導入への決め手の一つとなりました」
さらに、将来性を考えたとき、システムが大きくなっても構成を変えずに対応できるスケーラビリティーが高いことも、製品選択の後押しをしてくれました。
導入効果

NTT
コミュニケーションズ
ITマネジメント
サービス事業部
サーバマネジメント
サービス部
基盤サービス部門
担当課長
ハン・ケッセルス氏
アラームの自動フィルタリング機能でオペレーターを減らせることにより運用コストを削減
『機敏に』という意味の『agile』と『IT』の造語である「AGILIT」がサービスインを果たしたのは2004年夏のことです。SLA(Service Level Agreement)の100%保証やオンデマンド機能など、それまでのホスティングサービスになかった高機能をリーズナブルな価格で提供することを目指してサービスを開始しましたが、「Netcoolだったからこそ、実現できた」と岸本氏は話します。
「AGILITは一般的に認識されているWebホスティングサービスにとどまらず、金融機関の基幹業務などミッションクリティカルな領域の一部も扱うことができるのが特長です。そのAGILITで、Netcoolが担った大きなメリットはというと、自動化、そして自動化によるコスト削減です。ホスティングにおいては、ハードウェアよりも運用コストのほうが占める割合は大きいものです。24時間365日運用するため、人的コストは莫大です。それをNetcoolを核としたシステムを構築したことにより、運用に関わる人員のテクニカル分野における技術をある程度はシステム側で補うことができます。そのため、人員数を削減することができたのです。また、スケーラビリティーにより、お客様の数が増えシステムが大きくなったとしても、過大な投資をせずに対応ができます」
自動化により、オペレーターの対応が必要なアラートを大幅削減したことが、人的コスト削減に最も貢献しました。
「AGILITでは毎日、200万件前後のアラート情報が発生します。重複情報を除いたユニーク数でも2万件前後のアラート情報があります。それをNetcoolの自動フィルタリング機能を活用することにより、オペレーターが対応しなければいけないアラート情報を10件以下へ絞り込めたのです」(ケッセルス氏)
従来システムであればオペレーターが全アラートを処理しなければいけないため、オペレーターの人数が現在の何倍も必要となります。しかし、Netcoolでは本当に必要なアラート情報だけに対応すればいいため、オペレーターの人数を大幅に減らすことができ、運用コストの削減と生産性の向上に貢献することができたのです。
将来の展望

NTT
コミュニケーションズ
ITマネジメント
サービス事業部
サーバマネジメント
サービス部
基盤サービス部門
担当課長
スチュアート・
ウッドワード氏
Netcoolによる監視ツールの統合を他サービスやグローバル領域へ展開することを目指す
2007年4月には、これまでの「AGILITホスティング」に加えて、NTTコミュニケーションズ内で並行してサービスを行っていた「インテグレーテッド・ホスティング」を統合し、新AGILITが誕生しました。同社では新AGILIT全体の運用監視にも、引き続きNetcoolを採用しています。
「新AGILITでの採用により、Netcoolの重要性はさらに増してきています。ただ、ホスティング以外のサービスでは監視ツールが不統一です。今後はすべてのシステムの監視ツールをNetcoolへ統合して活用していきたいと考えています」(岸本氏)
監視ツールをNetcoolへ統合することでオペレーターの人数が減り、運用コストもさらに削減できます。また、グローバルな領域でも監視ツールを統合し、アメリカと日本とで、同じホスティングサービスの提供を目指しています。
NTTコミュニケーションズでは、今後、より良いサービスをさらにリーズナブルに提供できるようになっているでしょう。
お客様情報
日本電信電話株式会社グループ(NTTグループ)の一員として、1999年に営業を開始しました。インターネット分野とソリューション提供に焦点を合わせて事業を展開しており、世界最高水準のインターネット技術を利用し、高度化・複雑化・グローバル化するユーザーのICTニーズにワンストップで応える「ICTソリューションパートナー」を目指しています。2006年には、常に進化をつづけるブロードバンド・ユビキタス社会の実現を目標とした、新しい成長戦略『事業ビジョン2010』を策定しました。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、Netcool、TivoliはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
