掲載日 2007年7月18日
株式会社ジェイティービー(以下、JTB)は、日本のツーリズムマーケットのリーダーとして、「人と人との交流」を基軸にしたあらゆる交流の場面に、より大きな感動を呼び起こすサービスを提供することにより、お客様の心豊かな生活やグローバル・コミュニケーション活動に貢献しています。21世紀に入り、政治、経済、文化、スポーツなどあらゆる場面でグローバルな交流が活発化する中、JTBグループは、「常にお客様の夢を実現するパートナー」を目指し、さらなる価値創造を実現しようとしています。このような理念を実現するための基盤として、20年以上にわたって使用してきた基幹予約システムを全面的に刷新。IBM DB2 Universal Database V8.2およびIBM WebSphere Replication Serverの採用によって、24時間サービスに対応する国内旅行システムを構築しました。
目次
お客様ニーズ

株式会社
ジェイティービー
情報システム
アプリケーション
基盤開発
プロジェクト
次長 酒井 和義氏
ネットビジネスに対応し、競争力を高めるため、従来のシステムを全面的に刷新
JTBでは、1970年代から総合予約システム、「TRIPS(トリップス)」を運用してきました。長年にわたって使用してきたシステムであり、確立したシステム設計や運用環境に基づくパフォーマンスや安定性には高い評価を得ていましたが、オンラインシステムに特化したOSをベースとしており、後方業務との関連が複雑化する中で、メンテナンスや機能拡張の面では苦労もあり、最新の技術を取り入れて全面的なシステム再構築への機運が2003年頃から高まっていました。
近年の旅行業界は、インターネット代理店や外資系など、新規参入企業の増加による競争激化の時代を迎え、実績と伝統を誇るJTBにおいても、ホストからオープンに移行しつつシステムの統合を図るとともに、ネットビジネスの24時間サービスに対応できる新たなシステムを構築する必要がありました。
「新しいシステムでは、サービスの安定性、オープンなインターフェースの確保、柔軟な拡張性、TCOの削減を強く意識していました」と、JTBグループ企業でJTBの基幹システムの開発・運用を手がけてきた株式会社ジェイティービー情報システム アプリケーション基盤開発プロジェクト 次長の酒井和義氏は語ります。
ソリューション

システム図
Qレプリケーションにより、分散したDBをリアルタイムに連携し、複数業務を一本化
従来の予約システムを全面的に刷新し、国内旅行商品の予約システムを構築する上で、パートナーにIBMが選定されました。2005年春には、新システムの要件定義がまとまり、本格的な開発作業が始まります。2006年前半のピーク時には、100名規模のアプリケーション開発部隊が3チーム、80名規模の共通機能・基盤開発部隊とともに、システム基盤部隊はジェイティービー情報システムに加えてIBMの技術スタッフ35名ほどが常駐する混成部隊で50名を数え、総勢400名規模の大規模な開発体制が敷かれました。
従来のシステムでは、オンライン、バッチ、(宿泊)仕入、(コース)造成などの業務別にさまざまなシステムが分けられ、独立して稼働しており、新システムでは、これらの業務の一本化を目指していました。ところが、個々の業務によって参照処理が中心になるもの、高速なトランザクション処理が必要なものなど単一のデータベースで全業務を最適処理することは簡単ではありませんでした。
解決策として検討されたのは、業務による処理の内容に応じてデータベースを分離し、参照処理が多ければインデックスを増やす、トランザクション処理が多ければ逆にインデックスを最小化し、キャッシュを利用しやすい設計にするなど各処理に最適化したチューニングを行いながら、共通で必要な在庫情報や販売可否情報などのデータはリアルタイムにデータベース間の連携を行う方法でした。その実現に使われたのが、IBM WebSphere Replication ServerのQレプリケーションです。トランザクション系(予約)、照会系(照会)、マスタ系(仕入造成)と、主要業務別にデータベースを分離し、Qレプリケーションによってデータベース間相互で更新データを瞬時に反映することが可能になります。
導入効果
トップが陣頭指揮を執る開発マネジメント周到なテストを繰り返し、最繁忙時を乗り切る
新システムは、5,000拠点を超える店舗や提携販売店で12,000名以上のユーザーに利用され、200tpsの応答が必要なハイ・トランザクション処理能力が求められます。開発中に最も配慮が必要だったのは、ユーザーに多様な検索の利便性を提供しつつ、リアルタイムに最新の情報を提供するために、レプリケーションの高速なパフォーマンスを確保することでした。また、安定稼働を実現するための監視・運転制御、ジョブ連携、プログラムリリース機能といった運用設計にも神経を遣いました。レプリケーション経路や順序の最適化、100種以上のデータベーステーブルの準備、基盤開発チームとアプリケーション開発チームの間でルールやガイドラインの徹底を図ることなど、さまざまな工夫が重ねられました。
「ホスト系で培ってきた大規模旅行予約システムの特性や運用のエッセンスには自信を持っていましたが、本格的なデータベースシステムの開発に取り組んだ経験のないスタッフも多く、IBMの技術サポート力には随分助けられました」と酒井氏は語ります。
旅行業界では、ゴールデンウィークや年末・年始など、年に何度かの繁忙期があります。予約や照会をはじめとして、最繁忙時のトランザクション量は通常時の10~20倍に跳ね上がることも珍しくありません。ピーク時にもトラブルを起こさないようにシステムの安定を高めるため、開発中のテスト環境作りには特に気を遣いました。テストデータやテスト用の機器も、できるだけ本稼働時に近づけるように構成を練りました。
最大で400名規模の開発部隊をまとめ上げ、周到な準備をして新システムを成功に導くことができたのは、JTBの経営陣をはじめ、トップが陣頭指揮を執る開発マネジメント体制があったからです。「定例の進捗確認、レビュー、開発チーム間の打ち合わせ、ルール作りとその徹底など、開発中は密度の高いコミュニケーションが続きました」と酒井氏は語ります。
将来の展望
一層の安定化と効率的なシステム運用を確立し、より進化したB2Cサービスへの対応を目指す
パフォーマンス向上のために、チューニングとテストを繰り返した結果、2006年10月仕入造成機能の先行稼働を経て、2007年1月の販売系(予約・照会)稼働によるサービス開始以降、新システムは順調な稼働が続いています。例えば、仕入造成センターで新たな商品の登録を行った社員が、次に照会業務の画面から自分の行った更新を確かめるといった数秒間のタイムラグの間に、データベース間のレプリケーションが完了しているため、現場では常に最新の情報を参照しながら、複数の業務をシームレスに進めていくことが可能になっています。
新システムの情報は、やはりQレプリケーションの仕組みを利用して関連会社のB2CシステムのMicrosoft SQL Serverなどにも最新の在庫情報などの連携を行っており、インターネット経由の旅行予約など、一般消費者や提携サイトでも利用されています。今後、Web2.0時代が進むにつれて、より柔軟で自由度の高いサービスを提供していくためにも、完成した新システムが進化の土台となっていくでしょう。「細かなパフォーマンス向上策を重ねて、より一層の安定化と効率的なシステム運用を行っていきたいですね。データベースを効率的に活用するためにも、レプリケーション機能はもっと使いこなしていくつもりです」このように酒井氏は希望を語ってくれました。
お客様情報
お客様名:
株式会社ジェイティービー
所在地:
〒140-0002東京都品川区東品川二丁目3番11号
URL:
株式会社ジェイティービーは、1912年の創業以来一貫して、日本のツーリズムマーケットのリーダーとして国内・海外のさまざまな旅行商品を提供し続けてきました。グループ150社の総力を挙げ、「集う」「ふれあう」「行き交う」といった人と人との交流の場面で、きめ細かにお客様の課題解決や精神的な満足のご提供に関する提案を行なう「交流文化ビジネス」の確立を目指しています。
製品・技術情報
ソフトウェア
- DB2 Universal Database V8.2
- WebShpere Application Server V6.0
- WebSphere Information Integrator V8.2 (現 IBM WebSphere Replication Server)
- WebSphere MQ V6.0
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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