掲載日 2007年8月20日

YKKグループ
社屋外観企業の社会的責任として、環境への取り組みやコンプライアンス経営がますます重要視されるなか、内部統制システムやセキュリティー基盤の整備が差し迫った課題となっています。
ファスナー市場で国内シェア約90%、世界シェア約45%と、圧倒的な強さを誇るYKKグループ(以下、YKK)では、コンプライアンス体制の強化の一環として、不要PCの処分にIBMの「アセット・リカバリー・ソリューション(ARS)」を採用しました。これにより従来のPC廃棄処理を再生利用へと転換。産業廃棄物の削減や情報漏洩対策の向上に資するとともに、コスト削減にも効果を上げています。
お客様ニーズ
「環境」と「セキュリティー」対策が課題に
YKKがARSを検討することになった契機の1つは、1998年の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の施行により、PCを含むIT機器も産業廃棄物としての管理が義務付けられたことにあります。黒部工場をはじめとするYKKの国内製造拠点では環境部門が常駐し、産業廃棄物をマニフェスト制度に則って処理しており、不要PCも併せて処分されていました。しかし、国内280カ所に散在する営業拠点では専任の担当者がおらず、廃棄に関わる適切な処理と効率化が課題になっていました。
従来、不要PCは社内でデータを消去し、特定場所に集めて廃棄を処理会社に委託していました。セキュリティー対策上、データ消去は最低3回行い、消去できないものは物理的な破壊も加えるなど、現場では多大な手間とコストが発生。その上、情報システム部門でも多数ある拠点それぞれには十分な目が行き届かず、確実に処理がなされているかどうか、不安を抱いていました。一方、YKKはものづくり企業として、グループを挙げて「循環型社会への適応」を目指しており、徐々に増える廃棄物の削減への取り組みも欠かせません。
こうした状況下で、多数の拠点でのPC処分を全社で標準化し、確実かつ効率的に行う方法はないか---複数社のサービスが検討された結果、選ばれたのがARSでした。
ソリューション

YKK株式会社常務
ファスニング事業本部
情報システムセンター
所長
鈴木 広利氏
国内280拠点での煩雑な管理にぴったり
ARSは、IBMがお客様の不要になったPCを買い取り、責任を持ってリサイクル(再資源化)、リユース(再利用)するソリューションです。PCのメーカーは問いません。お客様は現場でARSの「Webシステム」を利用し、必要事項を入力するだけで、あとはIBMが無料査定を実施した上でお客様のPC(本体およびディスプレイ)を回収します。買い取られたPCは、IBMの品質基準をもとに検品され、やがて再生(中古)PCとして活用されるという仕組みです。
すなわち、YKKにとってARSを利用することは、PC本体の廃棄処理から再生利用に切り替えることを意味します。これにより、「産業廃棄物削減」、「情報漏洩対策向上」、「廃棄効率化」が期待され、コンプライアンス対応に資することが期待されます。
ARSの採用理由について、YKKファスニング事業本部情報システムセンター所長の鈴木広利常務は次のように語ります。
「数年前に検討した際には、PCは特定の場所に集約しなければならず、しかも100台、200台の単位でしか引き取ってもらえなかったため、採用を断念したという経緯があります。しかし、今回提案いただいたARSは全国各拠点から少数からでも回収してもらえる点がわが社にぴったりでした」
「Webシステム」で台帳管理も確実に
また、Webシステムがあることも、ARSの大きな魅力だったといいます。
「廃棄物処理は台帳管理が重要なのですが、そこが確実にできるようになりました。以前は紙の台帳を使用していたのですが、現場で勝手に廃棄されて資産が不明になるといったケースがありました。Webシステムでは複数の拠点のPCを一元管理できるため、誰がいつ、どういう状況で搬出したということが一覧として『見える』ようになりました。Webなので、自分の都合のいい時に利用できるのも便利です。
セキュリティー面の効果も見逃せません。以前は、何台かたまったら出すというやり方をしていましたが、不要PCを放置しておけば、それだけ情報漏洩や紛失のリスクがあるわけです。1台1台処理することでセキュリティーが向上しますし、効率もよくなります」(鈴木常務)
導入効果

ARS webシステム図
廃棄費用、運送料、担当者の作業コストを削減
YKKでは2007年3月に契約し、4月から当サービスを利用されています。現在のところ、4月は150台、5月は200台程度出ており、年間で1,300台程度になるものと予想されています。
ARSの導入効果について鈴木常務は、「ARSを利用することにより、従来抱えていた不安やコストに関する課題がほとんどクリアになって非常に楽になり、かつ安心感がもてるようになりました」と評価。コスト削減効果についても、次のように試算します。
「一昨年の統計からすると、廃棄費用と運送料だけで約300万円かかっています。加えて、担当者のワークロードは8人月程度。専任者ではないので、40人ほどが余った時間を他の仕事に振り向けられます」
将来の展望
グローバル企業として海外展開も期待
2009年に創業75年を迎えるYKK。さらなる価値の創造に向けて、社内の改革が進められています。
鈴木常務は今後の課題と抱負について、「ARS導入にあたっては、運用ガイドを作り説明会等を実施しましたが、実際に動かしてみるといろんな問題が出てくると思います。それに対してQ&Aをやりながら、まずはしっかりと回していきたいというのが第一です。それができたら、次は波及効果をねらって海外でも展開したいという希望をもっています。弊社は海外70カ国/地域に進出しているグローバル企業として、世界レベルできっちりと対応していく必要があります。国内と同じかたちで、環境にもセキュリティーにも対応していきたい」と、結びました。
お客様情報
YKKグループは、ファスニング事業と建材事業の2つを中核に、日本を含む世界70カ国/地域で事業を展開しています。創業時から受け継がれる「善の巡環」(他人の利益を図らずして、自らの繁栄はない)というYKK精神を事業活動の基本として、さらなるCorporate Value(企業価値)を求めて、7つの分野に新たなQuality(質)を追求しています。
「Fasten」=留める、つなぐものを取り扱うファスニング事業はYKKグループの出発点として、70年以上にわたり挑戦を続けてきた。ファスナー、繊維樹脂製品、スナップ・ボタンなどを製造・販売する。
窓のカテゴリーブランド「APW」はYKK APの先進技術と高いデザイン性によって生まれた商品。住まいや暮らしに合わせて窓を選ぶ楽しさを提案している。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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