掲載日 2007年12月18日

八十二銀行本店豊かな自然を擁する長野県の中枢金融機関として、地域経済の発展とともに成長を続けてきた株式会社八十二銀行(以下、八十二銀行)は、2006年8月、IBM BladeCenter®の導入によって、それまで各営業店に分散していたサーバーを統合し、個人情報保護法に対応する情報セキュリティー基盤を構築しました。本部システムセンターへの集中型サーバー配置によって、営業店の運用負荷を大きく軽減するとともに、サーバー冗長化などによる高度な耐障害性を確保して、システムの安定稼働を実現しています。
お客様ニーズ

株式会社八十二銀行
システム部
システム開発
グループ長
長谷部 久夫 氏
セキュリティー対策を強化し、営業店の運用負荷軽減と
信頼性、安全性、利便性の向上を目指す
近年、金融機関をとりまく環境が大きく変容するなか、八十二銀行においても、取扱商品の多様化への対応や情報セキュリティー対策の強化を図るため、2004年頃から本部LANの無線化、統合ネットワーク環境の更改など、行内の情報インフラの整備が進められていました。それまでの統合OAシステム(以下、「旧システム」)は、1998年から順次整備されてきたもので、メールなどの情報伝達や文書システムは各営業店に設置されたサーバーにパソコンを接続して各種業務を支援する分散型ネットワークを基盤としていました。旧システムの老朽化に伴い、営業店サーバーの故障が発生した場合には半日から1日、業務に支障があり、また、毎日行われるバックアップに失敗して情報を喪失するリスクも発生していました。「土日はサーバーを停止する運用にしていたため、月曜の朝になると、どこかの営業店でサーバーが起動しないトラブルが起きていないか心配でした」と語るのは、八十二銀行システム部 システム開発グループ長 長谷部久夫氏です。
行内の情報インフラ再構築の最終段階として、2005年から旧システムの全面的な更改による新統合OAシステム(以下、「新システム」)の開発に向けた取り組みがスタートします。新システムの開発に当たっては、次の三つの狙いが設定されました。
・可用性、安全性の追求:可用性向上と高負荷対応を図り、個人情報保護法を充足するセキュリティー対策を網羅的に実現する。
・利便性の向上:全行員が利用できるよう、操作性の高い画面を提供する。
・情報活用の促進:求める情報に迅速にアクセスでき、業務目的の達成を支援する情報共有とコミュニケーションの環境を提供する。
ソリューション

システム図の拡大
サーバー冗長化による高い耐障害性を確保しつつ、
設置場所の省スペース化を実現
新システムの検討段階では、従来は各営業店に分散配置されていたメールおよび文書システムのサーバーを本部に統合するか、分散配置のままにするか、運用性、利便性、コストの三つの観点から比較しました。さまざまな角度から検討を重ねた結果、すべての点でサーバー統合による集中配置が有利であることが判明しました。ハードウェアの選定に当たっては、スケールアウト構成による柔軟な拡張性を備え、設置場所の省スペース化を実現できるIBM BladeCenterを中心とするサーバー構成が採用されました。
システム構成の面から新システムの開発を担当した八十二銀行システム部 システム開発 上原羊司氏は、「運用管理の面から見れば、サーバー統合による集中管理が優れていることは明らかです。統合によってパフォーマンスが損なわれないようにするため、さまざまな検証を重ねました」と語ります。統合されたサーバーに万一トラブルが発生すれば、1営業店だけでなく、銀行全体の業務に支障をきたします。WAN環境でのパフォーマンス低下を防ぐ対策や高度な耐障害性の確保は極めて重要な課題でした。パフォーマンスの確保には、ファイル転送時間を大きく改善するWide Area File Services(WAFS)の導入が有効でした。また、耐障害性の確保には、サーバー冗長化対応ソフトとして、IBM BladeCenterとの親和性に優れた東芝ソリューション製ClusterPerfect EXを採用し、ダウンタイムの短縮を実現しました。
導入効果

株式会社八十二銀行
システム部
システム開発
上原 羊司 氏
サーバー統合によりシステムの安定稼働を達成し、
セキュリティー対策の規範となる土台を構築
2005年4月から個人情報保護法が完全施行されたことに伴い、新システムでも法律に従い、財団法人金融情報システムセンター発行の「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」(FISCガイドライン)に準拠した安全対策基準を満たす必要がありました。各種業務アプリケーションの基盤として、ユーザー管理・認証の統合を行い、アクセス制御の一元管理と共通認証(シングルサインオン)を実現することで新システム全体のセキュリティーを強化しました。その結果、旧システムでは月次処理していた人事情報が毎日、自動的に反映されるようになり、ユーザー管理の負荷が大幅に軽減されています。アクセス制御の一元管理と共通認証には、IBM Tivoli® Identity ManagerおよびIBM Tivoli Access Managerが採用され、サーバーの運用管理にはIBM Directorが採用されています。
「今回のユーザー管理・認証スキームは、これからの当行におけるシステム開発でセキュリティー対策の規範として役立つレベルに到達できました。意識とシステムの両面で、今後のセキュリティー対策のあるべき姿を描き出すことができた点が新システムの大きな成果の一つです」と長谷部氏は言います。また、サーバー統合により、サーバー台数も旧システムの180台から70台に削減され、コスト面でも大きな効果が生まれています。さらに、2006年8月のサービス開始以来1年余りを経た現在まで、営業店の業務に支障をきたすような大きなトラブルが1件も出ていないことも、綿密で周到な開発とテストが重ねられたことを証明しています。
上原氏も「ハード障害等があっても営業店の業務継続性が損なわれることはありません。またサーバー統合の課題である新システムへの移行もスムーズに完了しました」と付け加えてくれました。
将来の展望
新統合OAシステムをプラットフォームとして、
営業支援の多彩なアプリケーションを整備
新システムは、八十二銀行の前長期計画(2004年4月~2007年3月)の中で「営業体制の変革」「店舗コンセプトの変革」「組織風土と行動の変革」という三つの大方針をシステム面から支える仕組みとして位置づけられました。さまざまなお客様に応じて多様な金融商品を提案していくためには、新システムの活用を通じて、お客様情報を集積していくことが大切です。それには強固な情報セキュリティーを確保すると同時に、すべての行員に迅速かつ適切に情報を提供する利便性の追求が不可欠です。IBM BladeCenterを中心とするサーバー統合によって実現した新システムは、これからの銀行業務のプラットフォームとなるものです。
「今回の新統合OAシステムの開発は、今後の情報系システムの骨格づくりとして大きな意義がありました。この基盤の上に、今後新たな業務アプリケーションを整備して、さらにきめ細かく営業店での業務を支援していきたいと考えています」そう語ると、長谷部氏は会心の笑顔を見せてくれました。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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