武蔵大学武蔵大学と日本IBMが協業型プロジェクトを実現。実践的な情報基礎教育「デジタル協働学基礎」の運営を支援 掲載日 2008年1月16日
System i、Lotus Notes/Domino、 iSeries Siteにより本格的な経営シミュレーション授業が実現 今回の「アカデミック・イニシアティブ for System i」における特長は、ハードウェア、ソフトウェア、さらにはそれらを使った授業シナリオ開発へのコンサルティングも含めた総合的な協業の形態をとったことでした。ソフトウェアとしてはIBM Lotus Notes/DominoとSystem i向けのERPソリューションiSeries Site、ハードウェアとしてはSystem iを採用しました(IBM Lotus Notes/Dominoについては、日本IBMソフトウェア事業部が行っている「アカデミック・イニシアティブ」プログラムを活用しています)武蔵大学は、演習用ブース、受付、会議室、倉庫、およびサーバールームなどを備えた演習室を設置し、ThinkPadやTV会議などの最新IT環境を整備しました。また、加藤教授をサポートするティーチング・アシスタント(TA)として、日本IBMの6人のOB・OGがボランティアとして参加することとなりました。 「授業の際に、教員だけでなく実務経験のある方たちにもサポートしてもらうことで学生たちにメリットがあるのではないかと考えました。演習を補助してくれるだけでなく、長い社会経験で培われたノウハウを教えてくれたり、社会人と間近に接することで学生たちが社会人になるときの橋渡しになってくれるということを期待しました」(加藤教授) 実際に授業が開講したのは2007年度の後期(9月)です。ビジネスゲームのシナリオに沿って、この講義を受講している経済学部の1年生が3人または4人ずつのチームに分かれ、チームごとに自動車メーカーを設立し、工場長や営業課長などのロール・プレイングを実施しながら、企業理念や社名などを決めることから始めて、自動車の設計、製造(組み立て)、販売までを行うほか、会議やマーケティング、経理処理など、会社経営に必要なことを一通り体験していきます。また、各種情報の提供やメールなどについてはLotus Notes/Dominoを、生産管理や受注・売上管理、人事・給与・経理管理については国内でも7,000社以上の導入実績を持つiSeries Siteを使用するために、大学の授業といえども本格的な企業経営のシミュレーションを体験することができます。 「創造的な体験をさせるために、自動車をおもちゃのブロック用のCADソフトで設計した後にブロックで実際に組み立てていきます。シミュレーションされた世界の情報は、架空のニュース・サイトを用意して、『○○モーターショーにおける××モータースの新車発表』や『製造業に影響の出る社会現象』などの架空のニュースをLotus Notes®から配信して、情報を選択・活用する訓練にも活用しています」(加藤教授) ニュース・サイトのほかにも、受講者とチームの管理、および課題の出題・提出・評価などを行なう演習管理システムもLotus Notes/Domino上に構築されていますが、同時に何社もの経営シミュレーションを実施するには自動化の仕組みが不可欠なので、今回の授業用のために独自に設計されたとのことです。
「デジタル協働学基礎」の受講により 学生たちの意識も変化 「デジタル協働学基礎」と名付けられたこの授業が開講してから2カ月余りが経過しました。加藤教授がつくりだした「デジタル協働学」という言葉に、この授業の目的が端的に表れていると話します。 「デジタル機器やデジタル技術の使い方はそれぞれ個別に学習してはいますが、どのような状況でどのように活用していけばよいかは理解されていないと思います。また、それらのツールを“協働”させることも習ってはいませんでした。そこで、バラバラに存在しているツールをうまく協働させること、そして、私たちの協働作業にデジタル技術を浸透させることを目指して考えた言葉が『デジタル協働学』です。学生たちにとっても授業の内容が科目名からすぐに分かるようにと名付けました」(加藤教授) 「デジタル協働学基礎」の授業で加藤教授が目指していることは三つあるといいます。まず一つ目は、情報技術の利用方法を個別に教えるのではなく、プロジェクトやミッション(任務や使命)を実施する過程で体系的に教えることです。二つ目は、日常生活や社会で仕事をするときに不可欠な、対人能力、洞察力、向上心といった試験の点数では測ることができない“ソフトスキル”を身につけさせることです。そして三つ目は、ビジネスに大切な感性に気づいてもらうことです。 「デジタル協働学基礎」を受講している学生たちにも変化が表れており、「一つの仕事に多くの時間を費やしていて、最初は時間内に課題を提出できませんでした。それまで、すべてを自分一人でこなそうとしていたからですが、チーム内で仕事を分担する大切さが分かってきたところです」という多くの学生の声を聞くことができました。また、「ITのすごさや、どこまでできるんだろうということに興味がわきました」という「アカデミック・イニシアティブ for System i 」が目指しているところのうれしい声も聞くことができました。 IBMのOB・OGも、「進み方が早い学生や遅い学生もいますが、総じて成長してきていますね。『デジタル協働学基礎』を受講している学生は非常に幸運だと思います」と学生たちに対しては高い評価をしています。また、「IBM時代に培ったビジネス・スキルやビジネス・マナーを、次世代を担う学生に還元するのは大変意義深いことです」「まだまだわれわれも若者に教えられます(笑)」などと、次世代を担う若者と社会人OB・OGとのコラボレーションへの期待感ものぞかせていました。
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