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お客様導入事例
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京都第一赤十字病院
臨床検査情報システムと電子カルテの連携で、検査業務の負担を軽減。スピーディーな診療に役立てる。
掲載日 2008年2月4日
京都第一赤十字病院 外観
京都第一赤十字病院では、2006年10月にオーダリングシステム、2007年3月に電子カルテシステムを導入しました。その一環として、検査部門の臨床検査情報システムを、株式会社エイアンドティーの「CLINILAN」に更新し、臨床検査業務の効率化を図りました。導入後は、業務開始時間を早めて毎日の作業ピークを分散させ、検査待ちの検体を減らし、結果として全体的な業務効率が向上するなどの効果が出ています。また、検査に関連する作業記録をログとして残すことで、検査業務のトレーサビリティーも確保されました。
お客様ニーズ
ソリューション
導入効果
将来の展望
お客様情報
ビジネス・パートナー
製品・技術情報
お客様ニーズ
京都第一赤十字病院
検査部部長
加藤元一氏
医療経営に役立つ情報システムを目指し
オーダリングや電子カルテシステムを構築
「人道と奉仕の精神に基づき、患者様にとって安心できる最善の医療を行う」という理念を掲げる京都第一赤十字病院は、京都市内でも有数の大規模病院です。地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、京都府基幹災害医療センター、救命救急センター、総合周産期母子医療センター、臨床研修指定病院といった数々の指定を受け、約200名の医師を中心として約1,050名の職員が医療活動に従事しています。
京都第一赤十字病院では、経営に寄与できる医療情報システムの構築を目指し、2004年より電子カルテおよびオーダリングシステムの検討を開始し、2006年10月にオーダリングシステム、2007年3月に電子カルテをそれぞれ立ち上げています。
これらのシステムに合わせ、検査部で用いている臨床検査情報システムについても、既存のシステムを更新することになりました。その要件として、「標準規格への対応がきちんとしていることが大きなポイントとなりました」と、検査部部長の加藤元一氏は言います。
「業界の中で評判が良く、実績が豊富で、トップクラスのシェアを持っていること。かつその上で、独立系ソフトウェアベンダーが望ましいと考えていました」
また、新たな臨床検査情報システム導入にあたっては、同時に検査部門の業務改善を目指すことも重要な課題として挙げられました。44名の検査技師(うち検体検査を担当するのは14名)を束ねる検査部技師長の野田豊和氏は、次のように語っています。
「検体検査業務の中で大事なことは、患者様と医師に、どれだけ早く結果を返すかという点です。以前は、朝8時半の始業開始から10時くらいまでの時間に入院・外来とも検査が集中し、かなり高い負荷がかかっていました。入院患者様に対しては、毎朝8時半から検査技師が各病棟を回って血液検体などの回収を行い、100人分近い検体が一度に集まります。
一方、外来でも診療科の至急検査があり、一時的に50人から60人分の検体が集中してきます。この検査待ち検体を、短時間で検査し結果を迅速に報告していくのは大変なことでした」
特に、データを一つ一つ確認していく精度管理作業の部分で負荷が高かったのです。異常値が見つかればシステムでチェックされ、エラー画面に表示されますが、それを技師が一つ一つ確認しなくてはなりませんでした。
「検体が多くなると、データを迅速に確認できなくなってきて、対応速度にも問題が生じました。また、慌ただしい中で進捗作業をするという状態になりますから、ヒューマンエラーも起きやすくなりがちだという不安もありました」(野田氏)
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ソリューション
京都第一赤十字病院
検査部技師長
野田豊和氏
カスタマイズの苦労を乗り越え
短期間で問題なく接続に成功
こうした、さまざまな要件を検討した結果、京都第一赤十字病院ではエイアンドティー社の「CLINILAN」を採用しました。このシステムのサーバーにはIBM System x™、クライアントにはThinkCentre™およびThinkPad™がそれぞれ採用されています。
今回のCLINILANで京都第一赤十字病院の臨床検査情報システムは3世代目となります。その過去の経験から、電子カルテとの連携で問題が予想されていたと加藤氏は言います。
「実は、これまでのシステムは大幅にカスタマイズした上で導入していたもので、とても普通では電子カルテと接続できないだろうと思っていました」
過去の臨床検査情報システムでカスタマイズが必要だったのは、検査に関連するデータの標準化ができていなかったことが最大の理由です。今回もまた、両システムのマスターを整合させるための作業が必要となりました。当初は標準規格のJLAC10の採用を目指したものの、完全には対応できないと分かったためです。特に問題となったのは、外部の検査業者に委託している検査のデータ変換作業でした。
「院内での検査項目は100項目程度なのに対し、院外、すなわち検査業者に委託している検査項目は約2,500あります。その検査業者が関わる2,500項目のデータは、ほとんどが標準規格との対応が取れておらず、手作業で対応させていく必要がありました。結局、検査部の技師たちも頑張ってくれたのですが、開発時間がなく、途中で標準規格対応を断念せざるを得ませんでした」と、加藤氏は苦労を振り返ります。
今回は標準規格に完全対応させず、個別に変換していくことで開発期間の短縮を図ったというわけです。とはいえ、それでも膨大な作業が予想されました。
「エイアンドティー社は、いろいろなツールを持っており、数々の経験を積んできたのですね。検査技師たちも一生懸命働いてくれましたし、結果としては問題なく接続できました。しかも電子カルテのパッケージ採用決定から臨床検査情報システムの稼働まで半年という短期間でです。大変うまくいったと思います」
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導入効果
京都第一赤十字病院
副院長
藤本荘太郎氏
検査の流れが良くなり業務効率が向上
ログの取得で医療安全にも寄与
多くの課題を乗り越えて導入されたCLINILANは、当初の計画通り、オーダリングシステムなどと同じ2006年10月に稼働を開始しました。その導入効果を、加藤氏は「業務の流れが良くなりました」と評価しています。
「検査を受け付けてから、医師に結果を伝えるまでの時間が10分から15分短縮されました。特に、急ぎの検査では、以前は結果をFAXで送っていたのですが、今ではオンラインで見られるようになったので、リアルタイムに情報が伝わります」
また、始業より30分早く、朝8時から検査を開始するようにしたことは、非常に大きな効果があったとのことです。
「8時から外来患者様の採血を開始することで、最初の外来患者様が受診する際には検査結果が出ているようになりました。医師が、その朝の検査結果を見て治療を進められるようになったのです。おかげで外来の流れも良くなりました。臨床担当の医師たちからも、早く対応できるようになったと高い評価を受けていますし、患者様にも喜んでいただいています」(加藤氏)
一方、これは検査技師たちにとっても大きな意味を持つ改善でした。それは、まさに業務改善でもあったのです。
「朝8時からの採血によって検査業務のピークが分散され、検査部内の処理に無理なく対応できるようになりました。そのため、技師のマンパワーにも余裕ができ、精度管理にも十分な時間を割けるようになりました。データの確認も円滑に進められるなど、余裕を持って分析にあたることができます」と、野田氏は語っています。
京都第一赤十字病院では、外来採血の検体採取を、できるだけ検査技師が行うようにしています。ですから、通常の始業時間より30分前倒しで採血を開始するには、担当の技師たちが早く出勤する必要がありました。
「早い人は7時半出勤になりますが、業務ピークの平坦化が進んだため、むしろ結果として全体的に労働時間が短縮され、ずっと早く帰れるようになったのです」(野田氏)
その裏には、現場の努力と同時に、業務改善の効果を確認できる仕組みも役立ちました。
「エイアンドティー社が提供するツールを使うことで、仕事の流れを変えた効果が初めて確認できたのです」(加藤氏)
CLINILANでは、検査業務に関連する作業ログを取得できます。それをビジュアルな形で分析することで、仕事の流れを変えるだけの説得力あるデータが得られるというわけです。そして、京都第一赤十字病院の検査部では、業務改善の結果、極端なピークがなくなったことが、明確に把握できました。
現在のところ、業務効率の指標としてはTAT(Turn Around Time)や時間あたりの検査数などを用いています。作業の各段階でどれだけの時間がかかっているかが分かれば、そこにポイントを絞って業務改善が可能になります。検査業務の詳細な「見える化」が実現したということになるわけです。
このログは、検査部が検査の依頼を受け付けた時点から記録され、CLINILANのデータベースに対する登録や変更など、検査業務に関わる主要な一通りの作業内容が記録されます。さらに京都第一赤十字病院では厳密なID管理を行っているため、「検査技師の誰が」「いつ」「どの作業項目で」「何をしたのか」などを、きちんと把握できます。
「ログが完全に残るということは、医療安全の観点からみても役に立ちます。もしトラブルがあっても、それが誰の作業で、いつの時点でトラブルが起きたかを確認できるのです」と加藤氏は言います。つまり、検査業務のトレーサビリティを確立したと言えるでしょう。
もちろん、システム操作やデータ閲覧・登録などの権限も職員一人ひとりの職務内容に応じて細かく設定されているため、システム上のセキュリティも高度なレベルを実現しています。
また野田氏は、「CLINILANは、機能面でも以前の臨床検査情報システムより格段に向上した」と評価しています。
「例えば、一つのワークシートで複数の分析機器からの検査結果を一元管理できる機能がありますし、電子カルテからのオーダーはシステムに取り込まれており、そのオーダー情報や検査の進捗を把握できます。業務時間を無駄にすることなく効率的に運用できるようになりました。それから、当院では外来採血も検査技師が行っていますが、以前は患者様を呼び入れる際に名前で呼んでいたのを、整理番号で呼ぶようにしましたので、患者様のプライバシーも保護できるようになりました。同時に、ディスプレイで順番を表示しているので、待ち時間の目安が分かり、患者様も待ち時間を有効に使えるようになりましたし、我々も円滑な採血作業ができるようになりました」
他にも、検体容器のラベルは専用の装置で自動的に貼り付けるようにしていますが、今回はその装置が故障した際にも手作業に切り替えて検査を継続できるようにしており、「装置にトラブルが発生したときにも採血作業を止めないで済み、患者サービス向上に役立ちました」(野田氏)といったメリットもありました。
システムのトラブルに備えた対応も、加藤氏は評価しています。 「時々、ちょっとした接続エラーが生じることもありますが、エイアンドティー社が横浜からのオンラインリモートサポートで迅速に対応してくれるので、実際の業務に影響が及んだことはほとんどありません。ハードウェアに関しても、予備サーバーでハードウェアが不調になったことがありましたが、これもオンラインの監視で迅速に対応してもらい、やはり日常業務に支障が出ないうちに修復してくれました。管理者としては、以前のシステムと比べて信頼感が高く、安心して任せておくことができます」
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将来の展望
検査室の様子
より一層間違いのない検査体制を作り
医療安全を向上するために検査データの標準化に期待
京都第一赤十字病院検査部では、今回のシステム更新を受けて、さらなる業務改善を考えています。
「検体検査で異常値が出た際、システム的にブザーを鳴らすなど、よりリアルタイムに把握できる通知の仕組みがあるといいですね。また、採血後、ある程度の時間が経っても結果が出ていないようなら通知するなどの機能もほしいと感じています。そういった要望はエイアンドティー社にも伝えており、システムのバージョンアップに期待しています。私たちは患者様中心の考えで仕事をしていきたいので、サービス向上に繋がる機能向上には今後も協力していきたいのです」と、野田氏は語ります。
外来採血の作業に関しても、例えば今後はRFIDなどを活用し、患者様が持つIDカードを用い採血管をより確実に照合できるようにしたいとのことです。
「とにかく、より一層、間違いのない業務体制を構築していきたいですね」(野田氏)
一方、加藤氏は、業界全体に対して強い要望を持っています。
「今の時点では、あくまでも個人的な夢でしかありませんが、ここでの検査データを標準電子カルテの形式として出力できるようにし、医療全体に役立てていきたいと考えています。しかし、今回のシステム導入で苦戦したことを考えると、まずマスター標準化を実現しなければならないでしょう」
今回の京都第一赤十字病院での臨床検査情報システム導入作業に際しては、結果的に標準規格を使うことができませんでした。先に加藤氏が説明した通り、2,500項目にも上る外部委託検査データを標準規格に完全に対応させることができなかったためです。
今回、データ変換対応や確認のために京都第一赤十字病院の検査技師たちが要した時間は、検体検査以外も含めると、延べ3,700時間にも上りました。また、エイアンドティー社側でも、データ変換作業は導入にかかった作業全体の25%から30%にも上ると試算されています。
「すべての検査データが標準規格に対応してくれれば、エイアンドティー社は半分の作業時間で済み、検査技師たちも大半の作業が不要になるのではないでしょうか。私は京都第二赤十字病院での経歴を合わせると20年近く検査部の管理業務を続けており、システム入れ替えを担当したのは今回で5回目です。毎回、その前後に膨大な時間とエネルギーを費やしています。それを省くことでコスト削減はもちろん、医療安全にもつながるはずです。そのエネルギーを診療支援や、もっと別のシステムに振り向ければ、医療全体の品質向上にも役立つはずです。検査システムに関係する企業の皆さんは、ぜひ前向きに考えていただきたいと思います」(加藤氏)
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お客様情報
お客様名:
京都第一赤十字病院
所在地:
〒605-0981日本京都府京都市東山区本町15-749
URL:
http://www.kyoto1-jrc.org/
概要:
病床745床、外来患者約1,600名と、京都市内では大学病院を除けば最大級の規模を持ち、1934年(昭和9)年設立と歴史も長い、京都でも有数の病院です。「人道と奉仕の精神に基づき、患者様にとって安心できる最善の医療を行います」という理念を掲げ、約1,050名の職員が医療活動に従事しています。
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ビジネス・パートナー
法人名:
株式会社エイアンドティー
所在地:
〒220-0005日本神奈川県横浜市西区南幸2-20-5
URL:
http://www.aandt.co.jp/
概要:
C・A・C・L(Computers、Analyzers、Chemicals、Lab-Logistics)をコンセプトとし、臨床検査情報システム・臨床検査試薬・検体検査装置・検体検査自動化システムの4分野すべてについて、開発・製造・販売・保守サービスを行う世界でも数少ない総合技術メーカーです。プログラムのコーディングに関しては、出荷時のチェックまですべての作業を本社の開発部門で行うなど、システム品質の向上や迅速なデリバリーにも工夫を凝らしています。
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製品・技術情報
ハードウェア:
IBM System x
詳しくはこちら
ソリューション:
臨床検査情報システム CLINILAN LRP Suite
詳しくはこちら
インダストリー:
ヘルスケア / ライフサイエンス
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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