三井倉庫株式会社運用・保守コストの大幅削減、新規需要への迅速な対応へ、SOAシステムが本格稼働 掲載日 2008年2月5日
既存資産の有効活用を図りながら、個別業務アプリケーションを機能的なサービスに細分化 お客様の要望に即応できる柔軟性や拡張性に加え、膨大な既存資産の再利用も可能なことから、2005年4月より、三井倉庫はIBMビジネスコンサルティングサービス株式会社とチームを組み、SOAに基づく基幹系システムの再構築を始めました。 対象業務は「倉庫」、「運輸」、「輸入荷さばき」、「輸出荷さばき」、「海上貨物」、「航空貨物」の6業務。約1年がかりで、これらの業務の分析を行い、2006年1月から「倉庫業務」と「運輸業務」のシステム開発に入りました。荷物の入出庫を行う「倉庫業務」、配送トラックへの荷物の割り当てや運賃計算を行う「運輸業務」ではお客様の要望に合わせるための追加開発が頻繁に起こり、そのためにこれらを先行開発したといいます。 SOAに基づく新システムは、従来の個別業務ごとに構築されたアプリケーションの集合の代わりに、基幹業務を機能要素に展開・分割した部品、すなわちサービスの集合体として構築されます。サービス化は、例えば「在庫管理」なら、まず「入庫・出庫」などに分類し、「入庫」はさらに「予定」や「現場作業」、「完了」、「帳票発行」などに分類して業務プロセスを、これ以上細分化できない単位のレベルまで分解する作業から始まります。次に、こうして細分化された業務プロセスを、IBMのSOAサービス化の方法論であるService Oriented Modeling and Architecture(SOMA)の活用により、複数業務から共通に利用できる業務要素機能をサービスとして切り出します。また、既存のシステムに対して、どの部分は再構築する必要があり、どの部分はそのまま再利用できるかの評価も行いました。 三井倉庫LIT推進部LIT推進室長 小田中修氏はサービスの定義に当たって、三つの視点を基準に据えた、と次のように話しています。 「一つは他のサービスに依存せず独立して作動する独立性、もう一つは技術的に可能かどうかの実現性、そして他のサービスと重複しない単一性です。将来に再利用できる『サービス』は簡単には定義できないところもあり、過去の経緯から改変の可能性が低い機能を中心にサービス・コンポーネントを定義しました」 こうして新システムでは、「一覧画面を呼び出す」とか「荷さばき台帳情報の登録」といった共通の業務単位ごとにサービスを実装することができ、定義できたサービスは全社で800個余りになりました。
新規需要対応のシステム開発期間の大幅短縮と、 削減した運用・保守コストを戦略的投資に活用 三井倉庫関西支社では、2007年6月から新システムが先行稼働していています。お客様の要望は、実に多様で、同じ食品でも「入荷順に1個単位で出荷してほしい」、「賞味期限に箱単位で出荷してほしい」などの要望があり、伝票の形式もお客様によって異なります。こうした要望に対しても、切り出されたサービスを組み合わせてスムーズに対応できるようになったといいます。また、新規のお客様に応じたシステムの構築期間を、従来より大幅に短縮できるようになります。こうしたことから、削減した運用・保守コストをより戦略的投資に活用できるもの、と同社では期待しています。 また、三井倉庫はお客様企業の在庫管理なども受託していることから、日本版SOX法による内部統制規制の対応にも役立つと評価しています。日本版SOX法の対応には業務プロセスの文書化が必要になりますが、お客様企業の財務報告に直結する業務フローは企業によって微妙に異なり、従来のシステムでは膨大な文書化が必要でした。新システムではそれも解消されるだろうとみています。
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