掲載日 2008年7月28日

株式会社IHI 外観グローバル・ブランドへの飛躍を目指しグループ経営基盤の強化を加速
2007年7月、社名を石川島播磨重工業株式会社から変更し、新たなスタートを切った株式会社IHI(以下、IHI)は、「エネルギー・環境」「ロジスティックス」「輸送・原動機」「セキュリティー」の4つの領域を柱に事業を展開する総合エンジニアリング企業です。ものづくりに軸足を置き、「Explore the EngineeringEdge(最先端技術の探求)」のスローガンのもと、産業分野や社会を支えるさまざまなプラント、機械、設備から、人々の暮らしに役立つ設備まで、多彩な製品を提供しています。事業構造の変革とともに確かなグローバル・ブランドへの飛躍を目指す同社では、IHIグループ全体の経営基盤を強化すべく、ITインフラの再構築にも着手。稼働中の「統合会計システム」のアップグレードに伴い、13台のUNIX®サーバーで運用していたシステムを2台のIBM Systemp5 570に統合しました。エネルギーや環境分野の技術にも深い知見を有する同社は、これにより、優れた安定性とパフォーマンスを手に入れるだけでなく、環境に配慮したグリーンITの実現に向けて大きな一歩を踏み出したのです。
お客様ニーズ

株式会社IHI
情報システム部
企画グループ 部長
保利裕実氏
サーバーのリソース不足の解消とリソースの効率的な活用が課題
IHIでは、SAPのERPパッケージを基盤とした「統合会計システム」が稼働しており、IHIのグループ企業35社も活用しています。財務関連の重要なデータを扱うこのミッション・クリティカルな領域を、これまではIBMのUNIXサーバー13台で運用してきました。IHI本体向けに本番機、検証機、開発機の3台、グループ企業向けに同3台、連結データを収集するデータウェアハウス・ソリューション向けに3台、これらの待機系サーバーが3台、さらにバックアップ機1台の構成です。情報システム部企画グループの部長を務める保利裕実氏は、次のように語ります。
「ERPパッケージの保守終了と同時にハードウェアのリース満了を迎えたこともあり、これを機にシステム全体を見直し、課題として浮上していたサーバーのリソース不足を解消したいと考えました。一方で、バックアップ機のように、通電させているだけで活用されていない余剰リソースを有効活用する方法がないものかと思い、具体的な検討を開始しました」株式会社IHIエスキューブ 第一ソリューション事業部第三ソリューショングループのグループ長、河本拓二氏がさらに続けます。
「システムのメンテナンスを実施する上でもリソース不足は切実でした。テスト環境も含めて安定的に運用していくとなると、かなり厳しい状況だったと言えます。それからもう一つ。データ量の増加に伴って、どうしてもパフォーマンスが低下してきます。1台1台のサーバーをそれぞれ増強するのは非効率だろうということで、改善策を必要としていました」
ソリューション

株式会社IHI
エスキューブ
第一ソリューション
事業部
第三ソリューション
グループ
グループ長
河本拓二氏
13台のUNIXサーバーを2台に統合し仮想化機能を活用した冗長構成を実現
これまでの安定稼働の実績から、同社のIBMおよびIBM製品への信頼は厚く、新システムの検討についても引き続きIBMに協力を依頼。IBMからの提案は、IBM System p5 570がサポートするダイナミック・ロジカル・パーティショニング(LPAR:論理区画)機能を活用し、13台のUNIXサーバーを2台に統合するというものでした。この提案を採用した理由に
ついて、保利氏はこう語ります。
「1つはコスト面で当社が想定していた範囲内でご提案いただけたこと。もう1つは、仮想化による可用性と安定性の確保です。動的なリソースの割り当てが可能になれば、決算期など、本番環境でのリソース不足にも即座に対応できます。メインフレームの時代から長い歴史の中で培われてきたIBMの仮想化技術は成熟度が高く、当社にとってその活用のメリットは未知数でも、不安はありませんでした。もちろん、13台が2台になることで、電力量、発熱量、設置スペース、さらには保守料の大幅な削減につながることも意識していました」
また、複数ベンダー製品の組み合わせではなく、IBM System p5 570に加え、ディスク・ストレージ装置のIBM System Storage DS6800、システム管理ソフトウェアのIBM Tivoli® Storage Mangerを含めたハードウェアのトータル・ソリューションとして提供される点も、評価につながったといいます。
こうして導入が決定した2台のIBMSystem p5 570は、それぞれの物理サーバー上に複数台の仮想サーバーが構成され、さらに物理サーバー間でクラスタリングが行わることになります。2台はアクティブ機とスタンバイ機の関係ではなく、本番環境、検証環境、開発環境を2台にバランスよく分散させ、常に両者が稼働しているアクティブ/アクティブ構成を採用した点が特徴です。
「リソース配分を個々のサーバーの中で変えることもできますし、障害時には、他方のサーバーに速やかに運用を切り替えることができます。両サーバーが常にリソース配分を考えながら稼働する。ここがポイントです」(保利氏)
導入効果

システムの概要図
環境負荷低減への貢献が期待されるサーバー統合によるCO2削減効果
SAPアップグレード作業を進める中で、早くも不可能だったことが可能であることが実証されました。「従来はサーバー単位で作業をするしかなかったのですが、開発環境に対して遊んでいるCPUを臨時に割り当てることで、作業を短縮することができます。また、開発環境や検証環境に本番環境と同程度のリソースを割り当てることで、本番運用のタイム・スケジュールが組みやすくなります。あるものを有効に使うという発想で、うまい使い方がいろいろ考えられそうです。火を入れていないCPUにはコストがかからないという設計思想も、ユーザーにとっての大きなメリットですね」(河本氏)さらに保利氏は、「バックアップ機を必要としない構成を実現できたことも重要です。保険料とも言える高可用性への投資を最小限に抑えられます」と付け加えます。
一方、自社の環境基本方針に基づき、積極的に環境負荷低減活動を実施している同社にとって、環境への貢献は見逃せません。IBMは、従来システムの約2倍のパフォーマンスを実現すると同時に、消費電力と発熱量をそれぞれ約4割削減できると試算。これは、年間約30トンものCO2排出量の削減に相当し、システムコストについても毎年約3割の削減を見込んでいます。
「具体的な想定数値として示していただき、予想以上の削減効果に改めて驚きました。さらにこれが本番環境で証明されれば、非常に嬉しいことです。社内に対しても良いアピールになると思います」と保利氏は期待を膨らませます。社内に限らず、企業による環境問題への取り組みを加速させる先進的な動きとして、各方面からの注目も高まりつつあります。
将来の展望
効果的なIT投資のモデル・ケースとして今後のITインフラ構築に多くのヒントを提供
「サーバー台数が減れば、トラブルが発生する可能性も格段に低くなります。万一トラブルが起きても、対応がスムーズに行えて、結果としてシステムが止まらなければいい。それが実現できるような構成になったと思います。Business Continuity Plan(BCP:事業継続計画)対応の検討においても、大いに力を発揮してくれそうです」と保利氏。システムに高い可用性と安定性をもたらしたサーバー統合は、事業継続の観点でも重要な役割を果たすことになりそうです。
大きな経営判断を必要とするIT投資においては、コストに見合ったアウトプットが求められます。既存のIT環境の課題解決にとどまらず、TCOの削減、環境への貢献、さらには事業継続に至るまで、多くの価値を生み出したIBMの提案は、IHIグループ全体で統制のとれたインフラの構築を目指す上で、効果的なIT投資のモデル・ケースになろうとしています。
お客様情報

本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、Systemp5、System Storage、Tivoli はInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
