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東邦ガス株式会社 総合技術研究所

IBM Power 570の導入で、解析スピードが5倍にアップ!燃焼シュミレーションの高速化・高度化により研究開発の生産性を向上。


掲載日 2008年6月5日

東邦ガス総合技術研究所の写真

東邦ガス総合技術研究所
東邦ガス総合技術研究所様では、現在および将来にわたる天然ガス事業に関連する基礎的な研究を通して、省エネルギー性や環境適合性に優れた燃焼、空調機器などの基盤技術の研究を行っています。特に、より効率的な都市ガスの消費とNOxやCOなどの環境負荷物質の排出削減を効果的に進めるため、コンピューターによるシミュレーション技術を活用した研究開発を推進しています。



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お客様ニーズ


山崎 拓 氏の写真

東邦ガス株式会社 総合技術研究所 基盤技術研究部長 山崎 拓 氏

複数の研究者が待ち時間なく、高度な解析を同時に実行できるパワーを求めて

東邦ガス総合技術研究所様における、コンピューター・シミュレーション技術の活用は、主に空調機器、燃焼機器、工業炉などの解析に利用されています。例えば、都市ガス燃焼機器の低NOx化や高効率化を進めるためには、バーナーから出る火炎の形や温度の分布を細かく調べることが必要になり、実験による試行錯誤を重ねていますが、火炎の狭小領域や、センサーによる温度測定、ガス吸引管によるガス濃度測定など実験による測定が難しい場合などには、コンピューターによる燃焼シミュレーションが重要な役割を果たすことになります。
現在、コンピューター・シミュレーションは、研究開発に不可欠なものとなっており、燃焼シミュレーション以外にも空調、工業炉などさまざまな分野に利用され、近年ますます研究対象が広がるとともに、より精度の高い解析能力が求められるようになってきました。将来的にはさらに多様化、高度化することが予測されるため、CAEサーバーの強化を検討することになりました。

東邦ガス総合技術研究所様における、コンピューター・シミュレーション技術の活用は、主に空調機器、燃焼機器、工業炉などの解析に利用されています。例えば、都市ガス燃焼機器の低NOx化や高効率化を進めるためには、バーナーから出る火炎の形や温度の分布を細かく調べることが必要になり、実験による試行錯誤を重ねていますが、火炎の狭小領域や、センサーによる温度測定、ガス吸引管によるガス濃度測定など実験による測定が難しい場合などには、コンピューターによる燃焼シミュレーションが重要な役割を果たすことになります。
総合技術研究所 基盤技術研究部長の山崎 拓氏は、その経緯について次のように述べ ています。「シミュレーション技術は、さまざまな分野での利用が可能なわけですが、その可能性を十分に引き出すためには、複数の研究者が同時にサーバーを利用できるようにならないといけません。HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)の領域では、このマルチ・タスクを実現するためには、サーバーに非常に大きなパワーが求められることになります。また、より細かな解析、より複雑な計算なども求められるようになってきているため、パワフルなシステムの導入を検討することにしました」

新システムに求められる主な条件
  1. 解析モデルの大規模化、より複雑な化学反応モデルを実行し、解析の精度を向上させる
  2. 従来使用している流体解析用アプリケーションのほかに、新たなソフトウェアも導入したい。
  3. 研究者である解析担当リーダーがサーバー管理者を兼務するため、シンプルで低コストの管理運用を実現する。

【解析事例】
火炎温度分布比較シミュレーション

下の解析結果は、酸素バーナーの空気混合率の違いや燃料種の違いが、火炎形状や火炎の温度分布にどのように影響するかをシミュレーションしたものです。
このような、燃焼火炎のシミュレーション技術を応用することにより、家庭用のガスコンロや給湯器のバーナーノズルの形状などの最適化がはかれ、より熱効率の高い機器の開発を支援することができます。(λ(ラムダ)は、熱伝導率を表す記号です)この燃焼シミュレーションでは、1つの解析条件を従来のコンピューターで計算させるために、約1カ月かかっていましたが、今回の新しいシステムでは、約5分の1の時間で行うことが可能になりました。
プロパンガスと都市ガスの比較図

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ソリューション

IBM POWER6™と256GBメモリーを搭載したIBM Power™ 570による新SMPシステムが課題を解決

東邦ガス総合技術研究所様のご要望にお応えするため、IBMとIBMのビジネス・パートナーであるコベルコシステム株式会社は、次の3つのシステム構成をご提案させていただきました。
3つのシステム構成図
拡大図
  • 第1案は、IBM POWER6と256GBのメモリーを搭載したIBM Power 570を1台で構成するSMPシステム
    搭載メモリーが256GBという大容量であるため、大規模から小規模までのさまざまなジョブを混在環境で実行できる。
  • 第2案は、IBM POWER5TMシステム5台によるAIXベースのクラスタ構成。
    SMPであるが、16プロセッサーをフルに使用するDMP対応のアプリケーションを実行することにより、計算時間を短縮することが可能。
  • 第3案は、x86サーバー9台で構成するLinuxベースのクラスタ・システム。
    DMP対応のアプリケーションを実行する場合、領域間通信にメモリー空間であるユーザースペースを用いるので、非常に高速な処理が可能。
この3つのシステム提案には、それぞれ特徴がありますが、第1案だけがクラスタ構成をとらないシンプルなSMPシステムとなっている点が最も大きな違いでした。
現在、燃焼解析などを実行するCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)用のシステム構成としては、DMP(Distributed Memory Parallel Processing:分散メモリー型並列処理)によるLinuxクラスタの活用が一般的ですが、複数の計算サーバーノードやネットワーク機器を管理することの煩雑さや、計算サーバーノードの増設に伴うDMP処理の効率低下などの問題が指摘されることがあります。また、一方のSMP(Shared Memory Parallel Processing:共有メモリー型並列処理)では、アプリケーション・ソフトウエアの並列化率がボトル・ネックになり複数のCPUの利用効率を阻害するという問題が一般的に指摘されてきました。
3つのシステム構成図

東邦ガス株式会社
総合技術研究所
基盤技術研究所
主幹研究員 工学博士
青木 修一 氏

しかし、今回、東邦ガス総合技術研究所様に第1案としてご提案させていただいたIBM POWER6と256GBメモリーを搭載したIBM Power 570によるSMPシステムは、これまでのSMPの常識を覆すコスト・パフォーマンスを実現します。圧倒的な実績と優位性を誇るPower Architectureを基盤に開発された最先端の64ビット・プロセッサーのPOWER6は、独自のマルチスレッド技術によって4.7GHzのクロック周波数を達成するとともに、クロックに応じたキャッシュ・パフォーマンス、高速のメモリー・アクセスで圧倒的なデータ転送能力を実現します。これに256GBの大容量メモリーを搭載することで、複数のアプリケーション、複数のユーザーの同時実行を卓越したパワーと信頼性、可用性によって実現することが可能になっています。
果たして、東邦ガス総合技術研究所様では、第1案のSMPシステムの導入をご決断いただきました。以下の検討項目が決定の要因に挙げられました。
総合技術研究所 基盤技術研究部 主幹研究員の青木 修一氏は、SMPシステムを採用した理由について次のように述べています。「採用を決定した第一の理由は、やはりリソースを無駄なく利用でき、シンプルな運用を実現するIBM POWER6+IBM PowerTM 570によるSMPシステム構成という提案が、価格性能比や拡張性などを考慮したとき、他社の提案に比べ卓越したものであったことです。そして、以前利用していたIBMのp670というサーバーが、一度も障害で停止したことがない非常に安定したシステムであったことも、今回のPower 570採用を決めた大きな要素になったと思います」


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導入効果

5倍の処理スピードを実感!導入期間もわずか2カ月!

2007年5月にリリースされたIBM Power 570(発表時の製品名はIBM SystemTM p 570)の誕生とほぼ同じ時期に、最初のお声かけをいただき、何回かのお打ち合わせを経て、2007年の7月にシステム提案をさせていただきました。その後、ベンチマーク・テストなどを行いながらシステム要件の詳細を検討し、9月にはほぼ仕様がかたまりました。11月に正式な導入決定のご連絡をいただいてからは、サーバールームへの設置、ストレージやネットワーク、アプリケーションのインストールもスムーズに進行し、2007年の年末には、すべての導入作業が完了、2008年の新年を新システムで迎えました。正式決定から本番稼働まで約2カ月のスピード導入でした。
2008年1月から稼働をはじめ、約5カ月が経過しましたが、既にさまざまな導入効果を実感いただいています。主幹研究員の青木氏は、「まず、驚いたのは、やはりその処理スピードの違いでした。旧システムで1週間かかっていたジョブが、新システムでは1日半くらいで終わってしまいます。例えば、先にお見せした火炎の温度分布解析では、旧システムですと約1カ月の時間を要していましたが、新しいシステムでは、約1週間で解析結果を手にすることができるようになりました。これにより、研究開発にかかる全体の時間が劇的に短縮化できると同時に、これまでは、簡略化していた解析を、より細かなレベルまで行うことができるようになります。つまり、シミュレーションによって求められたデータが実験データに近づき、場合によっては、実験では測定に手間のかかる詳細なデータまでを得ることが可能になるということです。より正確な情報を把握することが可能になり、ひいては研究の精度が向上することになります。これまで、実験とシミュレーションは相互補完的に行ってきましたが、将来的にはコンピューターによるシミュレーションや計算が実験の何倍ものスピード、何倍もの精度で行われるようになり、実験では多大な労力を要する微細な現象の把握も可能になっていくと思います。わたしたち研究者にとって、これは画期的なことだと言えます」と、感想をお話しいただきました。
新規導入システム図
拡大図


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将来の展望


技術計算の前処理や後処理にもコンピューティング・パワーを。

今後の情報システム活用の展望として、研究開発のマネージメントの視点から、基盤技術研究部長の山崎氏は、「技術計算分野以外の領域として、研究者たちの日々の活動を通じて蓄積されるナレッジを、ストレスなく蓄積・活用できるシステムができないかを現在検討中です。今も、研究所内には、コラボレーション・ネットワークのようなものはあるのですが、もっと使いやすく、知識の共有や活用ができる仕組みができないものかと考えています」。
研究者の視点から、主幹研究員の青木氏は、「これまで、実験や技術計算は、非常に大きなコストが発生する部分でしたが、今後コンピューターの性能が向上していくと、その部分のコストはどんどん下がっていくと思います。そうすると、今まではあまり気にならなかった、数値計算を行う前の、計算条件の設定や解析モデルの作成などの前処理や、計算結果を評価する後処理の部分などを、もっと効率的に行えないだろうかと考えています。例えば、研究開発した独自の計算式の汎用的な活用方法とか、あるいは、計算によって得られた後処理の結果を、能動的に次の前処理に生かすことができるソフトウェアなどがあれば良いのではと考えています。そうしたことができるようになると、研究開発はさらに楽しく、より創造的になっていくことができ、わたしたちの仕事を社会により広く還元していくことができるのではないかと思っています」

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お客様情報

お客様名: 東邦ガス株式会社 総合技術研究所
所在地: 〒476-8501愛知県東海市新宝町507-2
URL: http://www.tohogas.co.jp/
概要: 東邦ガスは、東海三県を中心に200万世帯に都市ガスを供給するガス事業者。 総合技術研究所では、技術の中枢として、省エネルギー性に優れ環境にやさしいガス機器の研究開発を推進し、将来に向けてさらなる省エネルギーを実現する家庭用燃料電池の実用化に向けた取り組みを行っています。業務用・産業用機器分野では、最適設計シミュレーション技術を活用し、ガス空調、産業用バーナーなどの開発や、次世代型の固体電解室形燃料電池(SOFC)の開発に取り組んでいます。

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製品・技術情報

 ハードウェア:
Power 570 詳しくはこちら

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM、IBMロゴ、AIX、System p、System p5、POWER、Power、POWER5、POWER6、Power Systems、System xは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
Linuxは、Linus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。他の会社名、製品名およびサービス名などはそれぞれ各社の商標。
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