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京阪電気鉄道株式会社

SAP ERPによるグループ共通会計システムを構築。シェアード・サービス化へ向けた経理業務プロセスの標準化を進める


掲載日 2008年6月30日

京阪電気鉄道株式会社(以下、京阪電鉄)は、大阪と京都を結ぶ京阪本線を中心に総延長88.1キロ(グループ会社を除く)の路線を有する関西の大手鉄道会社です。同社では、2010年に迎える開業100周年から10年後の2020年度へ向けた京阪グループ経営ビジョン「“選ばれる京阪”への挑戦」を策定し、さらなる発展を目指しています。
京阪電鉄は、さまざまな業種のグループ会社からなる京阪グループを構成していますが、今後の発展を見据えた経理業務のシェアード・サービス化に向け、グループ内の経理業務プロセス標準化に着手しました。そして、その目的のために、SAP社のERPパッケージ「SAP ERP6.0」を採用したグループ共通会計システムを構築することを決定。日本IBM(以下、IBM)とIBMビジネスコンサルティング サービス株式会社(以下、IBCS)との協業により、グループ共通会計システム構築プロジェクトがスタートしました。
「K-CHAN!」という愛称が名付けられたグループ共通会計システムは、2007年4月にシステムの構築が完了。京阪電鉄本体への導入から始まり、2008年4月までにはグループ8社への展開を果たしました。さらに、2009年4月にサービスインが予定されている2次展開ではグループ12社への導入が予定されており、京阪グループのシェアード・サービス化に向けて着実に進んでいます。



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将来の展望 お客様情報 用語の説明

お客様ニーズ


古崎 康成氏の写真

京阪電気鉄道株式会社
経営統括室
経理担当課長
古崎 康成氏


連結決算に連携していない自社開発の会計システムをどうするか

かつて京阪電鉄で使われていた会計システムは自社開発されたものでした。機能的には問題ありませんでしたが、OSのサポート期限が切れた状態が続いており、新システムへと置き換える必要が生じてきていました。またその当時、京阪グループの経理業務を将来的にシェアード・サービス化するという計画も持ち上がってきていました。
「決算早期化の流れや内部統制の法制化、四半期業績開示などの観点から連結経営の強化が求められていました。しかし、自社開発システムは連結決算に自動連携した仕組みになっていなかったというのもシステムを刷新するための大きな要因でした」と話すのは、京阪電気鉄道株式会社 経営統括室 経理担当係長の山下 剛史氏です。また、京阪グループ各社の会計システムは、まったく統一されておらず、各社ばらばらのプロセスで経理業務を行っているという状態でした。そこで2005年7月には、このような状況を一気に解決するため、システム基盤を刷新するプロジェクトが発足したのです。
続けて、京阪電気鉄道株式会社 経営統括室 経理担当課長 古崎康成氏は次のように話します。「当時、鉄道会社における連結決算早期化への対応は他業種と比べると多少遅れぎみだったように思います。その要因としては鉄道会社の企業集団は業種がさまざまで、各社がそれぞれの会計システムを入れて処理していたため対応に時間を要したことが一因として挙げられます。また、鉄道事業が成熟し安定した収支が確保できる一方で今後の大きな収入増も難しくなってきており、今後はコスト削減を進めなくてはならない状況でした。しかし一方で内部統制強化などが求められ間接部門のコスト増は避けられない事情もありました。そこで経理をシェアード・サービス化することでコストの増加を抑制しつつ、統制環境も併せて強化することを考えたわけです」

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ソリューション

システム図

システム図の拡大

自社開発か、 ERPパッケージの導入か

会計システムを刷新するに当たってまず検討したことは、自社開発で進めるか、ERPパッケージを導入するか、のどちらかを決めることでした。当初は新システムでも自社開発を進める方向でスタートしましたが、ERPパッケージを導入している鉄道会社も増えてきていたため、ERP導入へと方向性が傾いていきました。
「鉄道会社へのERPパッケージ導入には懐疑的だったのですが、他社の事例をヒアリングし、さらにERPパッケージを導入した鉄道各社を訪ねてみました。そこで導入にかかるコスト・期間・リスクや、運用保守などの将来性を含めて検討した結果、グループ会社も含め統一したERPパッケージを導入することを決めました」(山下氏)
ERPパッケージの導入を決めたといってもさまざまな提案が入り交じり、状況は混沌(こんとん)としていました。このような状況下でシステム決定の手助けしたのはIBCSの提案でした。
「IBCSからはSAP ERP6.0の導入を提案されたのですが、他の大手電鉄会社への導入実績があったことが採用の決め手となりましたね。そのときのIBCSの提案は理路整然と合理的に進めていく仕組みが分かりやすく、提案内容にも非常に安心感があり、リップサービスではないニュアンスが伝わってきました」(古崎氏)
そこで、新会計システムには、統合基幹業務ソフトウェアのSAP ERP 6.0を導入することが決定。電鉄会社へのERPパッケージ導入実績が豊富で、鉄道事業会計規則を含む鉄道業界固有のニーズにも対応できるIBCSのバリュー・デリバリー・センターがコンサルティング・サービスを提供し、IBMと協業してグループ共通会計システムを開発することとなりました。
グループ共通会計システムの導入プロジェクトがスタートしたのは、2007年4月のことです。その際、追加開発を最小化して、BPR(業務改革)の推進によるSAP ERPパッケージの標準機能による導入を基本方針としました。ユーザーからは、使い慣れたユーザー・インターフェースに優れた自社開発システムとのギャップに対する抵抗が予想されました。
「プロジェクトがスタートした当初は、予想通りに各部からの抵抗がありました。しかし、IBCSにいくつものBPRアクションを支援していただき、各論点に真摯(しんし)に対応していくことで、反発も徐々に収まっていきましたね。どんな小さなリスクでも事前に見つけて計画的につぶしていくというリスク管理や、きめ細かなスケジュール管理など、IBCSがかかわったことで理想的なプロジェクトの進め方をすることができました」(山下氏)

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導入効果

山下 剛史氏の写真

京阪電気鉄道株式会社
経営統括室
経理担当係長
山下 剛史氏


業務フローの標準化だけでなく、社員の意識改革も進む

2007年4月、「K-CHAN!」と愛称を付けられたグループ共通会計システムの構築が完了し、京阪電鉄本体でサービスインされました。2007年7月〜9月にはグループ3社、2007年10月〜2008年3月にはグループ5社への展開も果たしています。
この「K-CHAN!」プロジェクトで目指したことは、大きく分けて「連結決算の効率化と早期化」「グループ経理業務の標準化によるシェアード・サービスの基盤作り」「経理業務の品質向上と内部統制の充実」の三つが挙げられます。
「連結決算の早期化については、まだ展開会社数が少ないため、数値化できる段階ではありません。ただ、支払業務フローなど、『K-CHAN!』により経理業務の標準化が進められています。同じフローで業務を行っているグループ会社が多くなることで、将来のシェアード・サービス化も進めやすくなるのではないでしょうか」(山下氏)
また、「K-CHAN!」により意識改革が進んだことも導入効果の一つだと古崎氏は話します。
「京阪グループは戦後、鉄道しかない状態から再出発したこともあり、長年、鉄道事業を育てることを一番に考えてきました。しかし鉄道事業が成熟した今、これからは鉄道以外の分野にももっと眼を向けなくてはならなくなっています。『K-CHAN!』上では、鉄道は数ある業種の一つであり、さまざまなグループ会社を平等に一つの共通インフラに乗せています。こうすることで、一鉄道会社としてだけではなく、広い意味での生活産業全般に事業の視点をもっていくよう、社員の考えをシフトさせる契機になっているような気がしています。IBCSが情報システムの提案だけでなく、コンサルティングの部分で思考方法の改革までもたらしてくれたのも大きかったと思っています」


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将来の展望


連結売上高80%以上をカバーする2次展開へ

現在、京阪グループ9社に導入されている「K-CHAN!」。今後の予定としてはグループ12社へと2次展開をする計画です。サービスインは2009年4月を予定しており、京阪電鉄の経営統括室では、現在、その準備を着実に進めている最中です。
「2次展開を含めたグループ21社に導入を完了すると、連結売上高で80%以上をカバーすることになります。これにより、主要なグループ会社は『K-CHAN!』で網羅できることになります」(山下氏)
京阪グループは、2010年に純粋持株会社体制への移行を目指していますが、それに向けたシステム対応としてもSAP ERPなら柔軟に組めると期待していると言います。
「会社は将来に向け高い数値目標を掲げていますから、ひょっとするとM&Aも戦略として必要になってくるかも知れません。そのような話が急に出て来ても、業界標準のSAP ERPによる『K-CHAN!』があれば会計システム面での対応は計算できる。そんな思いも私の中にあります」(古崎氏)
京阪グループではシェアード・サービス化を含めた連結経営の高度化を随時推進していく予定です。

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お客様情報

お客様名: 京阪電気鉄道株式会社
所在地: 〒540-6591大阪府大阪市中央区大手前1-7-31
URL: http://www.keihan.co.jp/
概要: 1906年11月19日に創業、1910(明治43)年4月15日に大阪・天満橋〜京都・五条間で鉄道営業を開始。その後、各支線の開業や既存線の延伸などにより、鉄道ネットワークを拡充するとともに、不動産業や流通業など多方面に事業を展開し、発展している鉄道会社です。現在、2008年10月19日開業(予定)となる中之島線の建設工事に鋭意取り組むなど、さらなる進化を続けています。

京阪電気鉄道株式会社 ロゴ

京阪電気鉄道株式会社 車両写真


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用語の説明

シェアード・サービス  
グループ企業など、複数の組織で共通的に実施されている業務を、それぞれの組織から切り離して集中・統合して別会社として独立させ、それぞれの企業で共有してサービス提供を受けることで、経営の効率化を目指すこと。財務・経理のほか、人事、総務、購買、情報システム(システムの運用・保守、データの保存、セキュリティーなど)、法務、広報などが対象の業務となる。

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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

IBM,IBMロゴはInternational Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれの各社の商標。
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