掲載日 2008年7月11日

株式会社童夢 社内株式会社童夢(以下、童夢)は、レーシングカーの開発を行いつつ、自らもレースに参戦するなど、車に対する夢を追い続けるユニークな経営を行っている会社です。この最先端のレーシングカー設計の場で使われているのが、IBM BladeCenter® HC10(以下、BladeCenter HC10)です。これまでのワークステーションに置き換え、またワークステーション・コネクション・デバイス CP20を合わせて活用することで、より快適な設計環境を作り上げています。
お客様ニーズ

株式会社童夢
取締役開発部長 兼
株式会社童夢カー
ボンマジック
代表取締役社長
奥 明栄氏
最先端の機器をいち早く導入し、
最高にクリエイティブな環境を構築したい
「会社の創設以来ずっと、自動車レースに参戦してきました。ル・マン24時間耐久レースは、途中で何年か中断した時期もありましたが、ライフワークのように取り組んできたプロジェクトです。
そうした経緯から、レーシングカーが会社のメイン商品となっています。レースというのは一人でできるものではないため、会社という形をとっていますが、こうした成り立ちの会社という意味では、奇跡のような存在ではないかと思っています。
最近でこそ、モータースポーツという世界がビジネスの場として認知され始めていますが、以前はそうではありませんでした。自分の考えをしっかりと持ち、それを貫き通さないと、ここまでやってこられなかったのではないでしょうか。
そうした中、レースという場で培った技術を活かして、自動車メーカーのレーシングカー開発とモータースポーツ活動を支援することをビジネスとしています」(取締役開発部長 兼 株式会社 童夢カーボンマジック 代表取締役社長 奥 明栄氏)
創設以来、レーシングカーの開発とレース参戦を行ってきた童夢では、その開発に1987年よりワークステーションを活用しています。同時にハイエンドなCADソフト「CATIA」を導入しました。導入当時の様子について、奥氏は次のように語ります。「当時はハードウェアもソフトウェアも、大変高価なものでしたが、これらは将来、絶対に必要になるものだということは分かりました。いち早く試してみたい好奇心も大いにありましたが、ビジネスを展開する上で、これがあれば有利に進められるという考えももちろんありました。社屋も設備もそうですが、ややオーバースペックなくらいの投資を10年に一度くらい行って、身の丈をそれに合わせるように頑張ってきました」
以来、ワークステーションは、童夢における設計作業の要として活用されてきました。
導入当初は4台のワークステーションを十数人のエンジニアが交代で使っていましたが、徐々に台数を増やし、環境が整えられてきましたが、音や熱といったワークステーションならではの課題も出てきていました。

風流舎
藤山 敬太氏
「各エンジニアの席にワークステーションがありますが、音がうるさいと周りの席から苦情がくることがあります。
特にデータが重いモデルをCATIAで動かしていると、状況に応じてファンが回るため、その音が気になるという声がありました。
使っている本人はあまり気にならないのですが、ワークステーションの後ろの席だと、ちょうどファンが耳の高さにくるので、集中できないという声もありました」(風流舎 藤山敬太氏)
また、設計に使用するCADソフトのライセンスを有効に活用したいという要望もありました。
「ワークステーションの価格はどんどん下がってきたこともあり、人数が増えるに従ってハードウェアは増強してきました。しかし、普段あまり利用しない場所にまでは設置していません。そのため打ち合わせブースや会議室で設計データを確認したい場合などは、その都度ワークステーションを運んで作業したりもしていました」(奥氏)
エンジニアの発想力、想像力を十分に引き出すために、より静かでフレキシブルな最高の環境作りのために、ブレード型ワークステーションへの移行がスタートしました。
ソリューション

設計者のデスク
に配置したCP20
(クリックで拡大)
ワークステーションはサーバルームに、
ワークスペースにはCP20のみ。
シンクライアントでの運用で、作業環境を向上
より静かな環境を実現するものとして、採用されたのがブレード型ワークステーションBladeCenter HC10。
まずは全体の約4分の1程度に当たる8台をBladeCenter HC10と置き換え、合わせてワークステーション・コネクション・デバイス CP20を13台導入しました。

株式会社童夢
開発部 エンジニ
アリングマネージ
ャー 兼 株式会社
童夢カーボンマジ
ック 技術部 マネー
ジャー
白波瀬 徹氏
ブレード型のBladeCenter HC10はサーバルームに集約。各作業スペースにはCP20を配置し、必要なときだけワークステーションに接続し、利用するシステムを構築しました。
新たな環境について設計者からは、柔軟な設計環境と使い勝手が高く評価されています。
「従来の環境と比べてまったく違和感なく作業でき、むしろマシンのスペックが上がった分、処理が早くなって快適です」(開発部 エンジニアリング マネージャー 兼 童夢カーボンマジック 技術部 マネージャー 白波瀬 徹氏)
導入効果

株式会社童夢
開発部
アシスタント
マネージャー
塩山 克幸氏
静かさに加えて、管理・運用のしやすさも向上。ライセンスの有効活用でコストを抑え、より作業しやすい環境へ
BladeCenter HC10の8台に対し、コネクション・デバイスのCP20は13台あるため、必要なときのみHC10に接続して利用します。そのため普段は利用が少ないワークスペースや打ち合わせ時に使用するエリアなどでも、効率よくライセンスを利用できるように変わりました。サーバルームにワークステーションが集約されたことで、作業エリアで気になっていた音もなくなり、より静かな環境で作業できるようになったと好評です。
また、ワークステーションの管理や運用もしやすくなったと語るのは、開発部 アシスタントマネージャー 塩山克幸氏です。
「これまでですと、ソフトウェアのバージョンアップなどを行う場合、各自の席を回らなければいけませんでしたが、サーバルームにワークステーションが集約できたので、そちらのコンソールで行えるようになり、管理が非常に楽になりました」
「CATIAは比較的頻繁にバージョンアップが行われますが、その場合、一斉にバージョンをあげなくてはなりません。新しいバージョンで作ったデータは古いバージョンでは開かないため、なるべくタイムラグなしに一斉にあげる必要があります。その間も設計作業は行っていますから、まとめてできるのは助かります。トラブルの際などにも、確認が一カ所で行えるので、サーバルームにまとめる意義は大きいと思います」
将来の展望
すべてのワークステーションをブレード型へ。
他部門での利用も視野に
今回の導入で優位性が確認できたとして、童夢では来年、残りのワークステーションすべてをBladeCenter HC10に置き換えていく予定です。また、必要なときだけワークステーションを利用したいという要望がある部署に対しても、使いかたなどを検討しています。
「設計部門以外でも、組立部門や検査部門、購買部門などで、データを閲覧するといったニーズがあります。普段はCADが利用可能なワークステーションが無くても、CP20を置いておけば、設計者と同じ視点で形状や構成を確認することができます」(奥氏)
「例えば、二次元の図面には出ない寸法も、三次元の画面では分かるので、そうした場合に非常に有効かと思います」(白波瀬氏)
また高いセキュリティーを生かして、協力会社等にCP20を置き、利用してもらうことも考えられるとのこと。
「われわれと同じCADソフトを使っていないメーカーもありますが、そういった場合には、データを変換して支給したりしています。メーカー側にCP20を置き、必要なときだけBladeCenter HC10を使って作業をしてもらうことも考えられます」(奥氏) 「同じ環境で作業できれば、よりシームレスに作業でき、意見交換をしながらの設計変更等もスムーズになるのではないかと思います」(白波瀬氏)
アイデアをまとめ、形にする設計の場で、IBMのさまざまな技術が生かされています。
お客様情報
1975年に、スポーツカーの少量生産メーカーを目指してスタート。多くの自動車メーカーからの開発委託依頼を受け、自動車レースへの参戦で培った車両開発技術を活かし、車のデザイン、設計等を行っています。またレースから派生した技術をもとに、車両等の空力開発を行うを実験するための風洞実験設備「風流舎」を建設。また車体を構成するカーボンコンポジット部品の開発・製造を行う「童夢カーボンマジック」を設立するなど、高い技術力は多方面から注目されています。

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