掲載日 2008年8月26日

株式会社オージス
総研 社屋サーバーの統合やアプリケーション環境の標準化によってコストダウンを図る大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)と株式会社オージス総研(以下、オージス総研)は、IBM WebSphere® Virtual Enterprise (旧製品名:IBM WebSphere Extended Deployment)を使い、アプリケーションに手を加えることなく、アプリケーションの挙動を可視化、障害発生時の処理を自動化することで、安定したサービスの提供を実現しました。
お客様ニーズ

大阪ガス株式会社
情報通信部
インフラ技術チーム
マネージャー
松本 光司氏
アプリケーションの集約度を高めつつ、安定性を維持
大阪ガスは、アプリケーション・サーバー (IBM WebSphere Application Server) 上で複数のJava™仮想マシン(Java Virtual Machine:以下、JVM)を動作させ、
それぞれのJVM上に複数のアプリケーションを稼働させるという、集約度の高いシステムを構築し運用しています。ただし、集約度を高めたことで、大阪ガスは新たな課題に直面しました。
大阪ガス 情報通信部 インフラ技術チーム マネージャー 松本光司氏は、次のように説明しています。
「複数のアプリケーションを一つのJVM上で稼働させることで、管理が容易になりリソースを節約できたのですが、
あるアプリケーションの挙動がおかしくなると、他のアプリケーションにも影響を与え、JVM上での処理がまったくできなくなってしまうことがありました」
大阪ガスは、この問題を解決するために、オージス総研と協力してアプリケーションの振る舞いを把握しようとしました。
いくつかの監視ツールを導入してみましたが、満足のいく結果を得ることはできませんでした。オージス総研 運用サービス本部 運用技術部 部長 米田和久氏は、次のように話しています。

株式会社オージス
総研 運用サービス
本部運用技術部
部長 米田 和久氏
「従来の監視ツールは、JVM単位ではさまざまな情報を得ることはできるのですが、JVM内で動作するアプリケーションの挙動は把握できません。
このため、JVM内で何がどのようになっているかが分からないまま、障害に対処しなければならない日々が続きました」
問題を解決できない日々が続く中、大阪ガスとオージス総研は、IBM製品の仮想化に関する説明を受けたときに有効と思える発想を得ました。
それは、IBM WebSphere Virtual EnterpriseのOn Demand Router(以下、ODR)を使った方法でした。
ソリューション

システム図
既存環境に影響を与えずに段階的に導入
それまでに大阪ガスとオージス総研が試した監視ツール製品とは異なり、ODRは既存のアプリケーションに手を加えずにアプリケーションの挙動がモニタリングできます。
また、アプリケーションの挙動がおかしくなったときには、自動的に処置を講じることもできます。
大阪ガスとオージス総研は、Webサーバーとアプリケーション・サーバーの間にODRを設置し、両者間でのやりとりをコントロールすることにしました。

株式会社オージス
総研 運用サービ
ス本部運用技術部
インフラ計画チーム
マネージャー
中内 宏氏
オージス総研 運用サービス本部 運用技術部インフラ計画チーム マネージャーの中内宏氏は、プロジェクトの目標を次のように話しています。
「一つは、既存環境に影響を与えないこと。また、アプリケーションの挙動がすべて可視化できること。そして、アプリケーションの挙動がおかしくなったときに動的に対処できることです」
プロジェクトでは、開発、プレ本番、本番と呼ばれる大阪ガスの三つのサーバー環境を使い、段階的にODRを導入していきました。
オージス総研 運用サービス本部 運用技術部 首藤史朗氏は、次のように説明しています。
「まず、本番サーバーと同じアプリケーションが稼働し、開発者が頻繁にアクセスする開発サーバーでODRの基本機能をテストしました。
そして、プレ本番サーバーで確認した後、本番サーバーにODRを導入しました。プレ本番サーバーと本番サーバーでは、動作しているアプリケーション数が違います。
プレ本番サーバーでは、新たに作成されたり改良されたアプリケーションが5本くらい。本番サーバーでは200本くらいのアプリケーションがそれぞれ稼働しています」

株式会社オージス
総研 運用サービス
本部運用技術部
首藤 史朗氏
また、実務に使用される本番サーバーへのODRの導入も段階的に行われました。
「アプリケーションへのすべての要求を一度にODR経由で処理するのではなく、テストしながら少しずつODRを経由させていきました。
ODRを経由するかどうかは、外部ファイルを使って簡単に定義できます。これは、実際に導入していく上で非常に便利でした」(中内氏)
導入効果
十分な安定性を実現
現在、大阪ガスとオージス総研は、ODRを使って本番サーバーで稼働する200本近いアプリケーションの挙動を監視しています。「ODRは、JVMの中身まで見られる初めてのツールだと思います」と、米田氏は評価しています。
また、中内氏はODRの導入効果を次のように話しています。「障害件数は劇的に減りました。それまで月に数件発生していましたが、導入後は1件も発生していません。これは、ODRによって障害発生前に適切に処置できるためです」
さらに、中内氏はODRのキューイング機能も高く評価しています。「ODRが一時的にリクエストをキューイングするため、負荷の高いアプリケーションへのリクエストの処理数が抑制され、他のアプリケーションを優先的に処理できます。キューイングの機能は役立つだろうと考えていましたが、ここまで有効だとは思っていませんでした」
IBM WebSphere Virtual Enterpriseによるアプリケーション・サーバーの仮想化も、システムの安定化に有用なようです。「アプリケーションの負荷が高くなったことが感知されると、別のJVMを動的に新たに起動して、そのアプリケーションを自動的に移すようにもしています」(中内氏)
このようにアプリケーション・サーバーでの可視化と仮想化を適切に行うことで、大阪ガスとオージス総研は、求められていたコストダウンと安定化を両立させました。「他社の事例は、JVM上で単一のアプリケーションを動かし、リソースで信頼性を確保するものばかりです。今回は、コストダウンと安定稼働の要求をODRで両立できました。これは、非常に画期的なことだと思います」(米田氏)
将来の展望
仮想化を推進して、さらなるコストダウンを図る
大阪ガスとオージス総研は、IBM WebSphere Virtual Enterpriseによる仮想化を推し進め、コストダウンを図っていこうと考えています。「仮想化を進めることで、アプリケーション配置の自由度が上がります。メモリー関係の使用状況も分かるようになるため、これまでとは異なるトラブルや利用状況を把握して、より適切にリソースを節約できます」(中内氏)
また、アプリケーションのエディション管理によって、開発サーバーや本番サーバーのどの環境を使用するかを、利用者ごとにコントロールし、開発時やリリース時の生産性を上げることも計画されています。
「今回、オージス総研と協力し、ODRを使ってコストダウンと安定化を行えました。今後も、新しい技術を利用して新しいことをやっていきたいと思います」と、松本氏は次のステップアップを目指しています。
お客様情報
大阪ガス株式会社は、近畿2府4県への都市ガス供給を中心に、LNGや電力の供給、ガス機器の販売、ガス工事の受注などによって、豊かな暮らしの創造と地域社会の発展を目指すマルチエネルギー事業者です。
株式会社オージス総研は、コンサルティング、情報化戦略の立案、情報システムの設計・開発・運用・管理といった、さまざまな経営課題や高度で多様な情報化ニーズに、最適で一貫したソリューションをシームレスに提供しています。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM,IBMロゴ, WebSphereは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
