掲載日 2008年8月12日

小島プレス工業株式
会社 外観創業精神を継承する努力の積み重ねが
長年にわたる成功の歴史を形成
トヨタ自動車株式会社の協力企業として、プレス製品、樹脂製品および電子製品を中心とした自動車の内外装部品を生産する小島プレス工業株式会社。創業70周年を迎えた今もなお、「物の命を全うする」「古を生かす」という創業の精神が、同社のあらゆる活動の根幹を支えています。4代目となる取締役社長の小島洋一郎氏は、「もったいないという考え方に基づけば、作ったものから使えないもの
は出せません。つまり、不良品があってはならないということです。当社は“規模は小さくてもいいから良いものを作れ”という創業者の教えを守り、愚直なまでに地道な努力を積み重ねてきました。これが、トヨタブランド一筋に歩んでこられた理由でしょう」と語ります。
ものづくりに対するこうした真摯な姿勢は、IT活用におけるアプローチにも貫かれています。ワークステーション・ブレードIBM BladeCenter® HC10の導入も、70年の歴史を継承しつつ、選ばれる企業として堅実に前進し続けるための1つの選択肢でした。
お客様ニーズ

小島プレス工業株式
会社
取締役社長
小島洋一郎 氏
タワー型ワークステーションの導入後
まもなく熱と騒音の問題が浮上
「IBMとのCAD系の関係は、3年前のCATIAプロジェクトからですね。トヨタ自動車がCADシステム向けに推奨する標準環境に合わせるために、多様化した環境を見直し、従来のCADシステムをCATIAへとリプレースするとともに、ハードウェアも含めてすべてIBMで統一しました」と振り返るのは、同社生産技術部の参事を務める兼子邦彦氏です。
同社はこのタイミングで、約100台のハイエンド・グラフィック・ワークステーションIBM IntelliStation®Z Proを導入。当然ながら、CATIAを稼働させるプラットフォームとして性能面での不足はなかった
ものの、導入後まもなく、ある問題に直面しました。
それは、高度な演算処理や画像処理を担う高機能なワークステーションの宿命とも言える、ファンの駆動音や排熱量の問題で
す。同社生産技術部技術支援課の橋本春彦氏は、その感想を次のように語ります。
「導入当初から、とにかく熱いし、うるさいと感じていました。筐体が大きいですから、それなりの設置スペースも必要です。本体とディスプレイとキーボードを置いたら、どうしても圧迫感は否めません」また一方で、セキュリティーの観点でも常に不安を抱えていました。
「他社で起きた情報漏えい事件を見ても明らかなように、絶対に“万一”があってはなりません」と兼子氏が強調するとおり、まだ世に出る前の最新の自動車開発に携わっている以上、情報漏えいは最も憂慮すべき事態です。何よりトヨタ自動車との緊密な関係のもとで成長を続けてきた同社にとって、最大のリスクと言っても過言ではありません。サプライヤーに求められるセキュリティー要件がますます厳しさを増す中で、作業環境における熱や騒音からの解放を望むより前に、まずはセキュリティーの確保が急務であったことも事実です。
ソリューション
ワークステーション・ブレードが提案する
新しいコンセプトとメリットに共感
2007年10月のIBM BladeCenter HC10の登場は、同社の決断を大きく後押しすることになりました。
IBM BladeCenter HC10は、ワークステーションの機能を厚さ約3cmのブレードに凝縮した新しいコンセプトのブレード型ワークステーションです。
これを施錠管理が可能なマシン・ルームなどに設置し、ユーザーは、ネットワークに接続された専用クライアント端末IBM CP20 ワークステーション・コネクション・デバイス(以下、IBM CP20)経由で処理を行います。IBM CP20は、従来の2割程度の設置スペースしか必要とせず、しかも低排熱でほぼ無音。さらにディスクレスであり、外部媒体へのデータ保存を制限することもできます。
「ログを取得する方法では、問題に気づいてから対策を講じることになりますが、最初からできないようにしておくことで、情報漏えいのリスクが大幅に軽減されます」(兼子氏)
ネットワーク経由となると、高速な画像処理が求められるワークステーション用途には、性能面での制限に不安が出てきますが、IBM BladeCenter HC10はこの点でも優位性を発揮。画面データや入出力信号をハードウェアの機能で圧縮、暗号化して転送することで、従来のタワー型ワークステーションと同等のレスポンスを実現します。
IBMから提案を受けた同社は、懸案となっていた作業環境の改善とセキュリティーの向上という2つの課題を、同時に解決する革新的なソリューションとして高く評価。IBMの協力を得て事前検証を実施し、実務レベルで、これまでと変わらぬパフォーマンスを提供できることを確認しました。こうして新製品の登場から2カ月後には、28台のIBM BladeCenter HC10と同数のIBM CP20の導入を決め、さらにその2カ月後には本稼働をスタートさせたのです。「構築にあたり、ネットワーク設計を中心にIBMのスペシャリストによる強力なサポートをいただき、トラブルもなくスムーズに導入できました」と橋本氏は語ります。
導入効果

システム図の拡大
ユーザーの満足度の向上に加え
副産物としての環境効果にも期待
同社では、本社の4階にあるマシン・ルームにIBM BladeCenter HC10を設置。ユーザーは、3階のCADルームに設置されたIBM CP20を利用して処理を行います。また、約20km離れた遠隔地の事業所からも利用できるようになっています。
当初は、100台のIBM IntelliStaion Z Proはそのままに、新システムは3D CAD(CATIA)の教育用プラットフォームとして活用していく予定でした。ところが、従来環境と遜色のないパフォーマンスが確保できる上に、騒音や熱の問題が解消された快適な作業環境は、誰の目にも魅力的に映りました。しかも、同じCADルーム内に新旧環境が混在しているとなればなおさらです。「気がつけば、実戦の現場で大活躍していましたね。評判も良く、他部門からも導入を望む声が上がっています」と橋本氏。
メリットを享受しているのは、ユーザーだけではありません。ワークステーション・ブレードの集中管理により、個々のトラブル対応やソフトウェア配信などにおける運用管理者の負荷は大幅に軽減されつつあります。
また、環境効果にも期待が寄せられます。IBMは、従来機種との比較で1時間あたりの消費電力量は約36%減という削減効果を試算。これまでにも、材料の有効活用はもちろん、全事業所からの自動販売機の撤廃、古紙を再利用したトイレット・ペーパーの自社生産など、独自の環境活動を推進してきた同社は、一連の成果を次のように捉えています。「当社は、名人や匠を育てるつもりはありません。誰もができる。つまり、いかに生産性を上げるかが重要な課題。ITの力を借りて最小化したい、シンプルにしたいとの思いから、結果的に副産物として、地球環境への貢献までを手に入れることができました」(小島氏)
将来の展望
場所を選ばない自由な作業環境を目指して
より効果的な活用方法を検討
当座は30台の増設を予定。将来的には、従来環境をすべてIBM BladeCenter HC10で置き換えることを計画しています。一括で導入した際には、オフィスのレイアウトを全面的に見直し、設計者がわざわざCADルームに足を運ぶことなく、職場単位で設計業務が行えるようにしたい考えです。実現すれば、より緊密で効率的なコミュニケーションが可能になり、設計担当者のモチベーションにも良い影響をもたらしてくれることでしょう。すでに、CADルーム外で使用したいとの一部のニーズに応えて、クライアント端末の設置場所を選ばない柔軟な活用が進みつつあり、会議室にIBM CP20を設置して製品開発の検討用に使うといった新たな構想も膨らんでいま
す。また、セキュリティー統制が難しい遠隔地の小規模な事業所での利用についても、積極的に検討していく見込みです。
IBM BladeCenter HC10の導入を機に、ワーク・スタイルの変革という新たなステップを踏み出した同社。CADから解析分野への活用の広がりなどを見据え、ワークステーション・ブレードの今後の進化にも期待がかかります。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、BladeCenter、IntelliStationは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標。
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