掲載日 2008年9月26日

サーバールーム西いぶり広域連合は、共同電算センターを開設し、室蘭市、登別市、伊達市、壮瞥町の4市町における住民サービスの電算処理を統括することで、サービス提供のコストを低減しています。この共同電算センターでは、IBM BladeCenter®がシステムの運用基盤として活用されています。
お客様ニーズ

西いぶり広域連合
共同電算室 主査
佐久間 樹氏
共同化によってコスト低減を目指す
全国の市町村は、住民記録、税、保険などの住民サービスを提供するために、どこも似通ったシステムを使用しています。また、これらの自治体システムは、制度改正ごとに同じような修正が施されます。室蘭市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町の6市町によって構成されている西いぶり広域連合は、関係する各市町での住民サービスの電算処理をまとめることで、住民サービスの提供にかかる電算コストを低減し、制度改正への対応を容易なものにしようと考えました。
当初、西いぶり広域連合は、この共同電算処理を行うために民間のデータセンターを活用しようと計画しました。しかし、そこには解決が難しい法規上の問題がありました。西いぶり広域連合の共同電算室で主査を務める佐久間樹氏は、次のように説明します。「戸籍法では、庁舎内に台帳を置く必要があります。民間のデータセンターを利用すると、庁舎内に台帳データをもう一つ作らなければなりません。これは無駄です」
また、データセンターの賃貸借料や設置面積などほかにいくつかの問題もあり、西いぶり広域連合は共同電算センターを自前で開設することにしました。
ソリューション

システム図
ハードウェアを共通にした横割りマルチベンダーシステムを採用
西いぶり広域連合は、共同電算センターを開設するに当たって、製品や仕様は指定せずに運用基盤も含め共同電算システム(ハードウェア・ソフトウェア)を募集し、数社からの提案内容を評価した結果、IBM BladeCenterを採用しました。佐久間氏は、採用理由を次のように話します。「1Uや2Uのサーバーでは導入台数が増えると設置面積の問題が生じると考えました」
そして、西いぶり広域連合は、共同電算センターの運用基盤を支えるハードウェアをIBM BladeCenterに統一しました。その理由を佐久間氏は次のように説明します。「一番の理由は、管理のしやすさです。IBM BladeCenterに統一することで、ストレージもすべて共通で利用できます。バックアップも全部共通で使えます。つまり、すべてが一つのしくみの中で動くということです」
西いぶり広域連合の共同電算センターでは、IBM BladeCenter上で動作することがすべてのソフトウェアに要求されることになりました。「ハードウェアが異なってしまうと、管理工数が大幅に増えてしまいます。システムを縦割りにしてマルチベンダー環境を実現するという方法もありますが、ここではシステムを横割りにしてマルチベンダー環境を実現しました。具体的には、ハードウェアをすべてIBM製品で統一し、その上で動作するソフトウェアをマルチベンダーにするという方法を採用しています」(佐久間氏)
導入効果
見え始めた共同電算化の効果
現在、共同電算センターでは、室蘭市、登別市、伊達市、壮瞥町の4市町における住民サービスの電算処理が一括して行われています。また、共同電算センターには、他の市町村や議会の関係者が視察に訪れてもいます。「ハードウェアシステムは、視察した方々にとって印象深いもののようです。ここでは、4市町20万人規模のデータを扱う多数の業務が、ラック2本に収めたハードウェアで処理されています。この状態を自団体の汎用機と見比べて驚かれています。皆さん、こんなコンパクトなシステムで動くのだという印象を持たれるようです」(佐久間氏)
これまでの自治体システムでは、ハードウェアやアプリケーションがメーカー1社に固定されていました。西いぶり広域連合のシステムは、ハードウェアを共通化し、アプリケーションをマルチベンダー化しています。さらに、共通化したハードウェア部分も必要であれば変更できます。つまり、特定のメーカーに拘束されずオープンな運用が可能になっています。
佐久間氏は、IBM BladeCenterの拡張のしやすさも次のように評価しています。「ブレードサーバーによって、拡張時に設置スペースをどうするかを悩まずに済んでいます。購入時期にかかわらずサーバーをシャーシに追加でき、数年間かけてサーバーを増やしていく計画です。IBMのブレードセンターであればモデルが変わってしまって使えなくなるということがないため安心して利用することができます」
現在もシステム構築中であるため、共同電算処理によるメリットは、残念ながら正確な数値としては出ていません。ただし、それまで各市町が独自に行ってきた納付書の作成処理など、いくつかの事務で共同化による効果がすでに出始めています。また、制度改正への対応にも、共同化のメリットが表れています。例えば、後期高齢者医療制度は、その施行後にいくつかの制度改正がありました。西いぶり広域連合では、共同電算センター1カ所での対応によって、関係する4市町の対応をすべて終えることができました。
このように複数の市町の電算処理を一括して行っているため、共同電算センターでのシステム停止は4市町での住民サービス停止を意味しています。システム障害に対して佐久間氏は次のように話します。
「システムを止めることはできません。また、汎用機と同レベルのコストをかけることもできません。このため、障害が発生したときのリカバリーをいかに短い時間で行うかが重要です。ブレードサーバーは、簡単に予備と切り替えられ、すぐにシステムを復旧できます。また、ディスク自体を内蔵しているものに比べて、Storage Area Network(SAN)で外部にディスクシステムを備えていることも、障害対応に対する大きなメリットだと思います」
将来の展望
バランスを取りながらより一層のコストダウンを図る
佐久間氏は、納付書の封筒印刷、PCやプリンターなど、いまだに市町ごとに発注されているものを共同調達していきたいと考えています。また、各市町での電算担当の存在も再検討できるのではないかと考えています。
「現在、財政的に余裕のある市町村は、ほとんどありません。コストを下げられる要素があるなら、それをやらない理由を考える方が難しい状況です。ただし、そのために役所内に混乱を生じさせることもできません。住民へのサービス提供を考えた上で、そこにかかっている電算コストをどのように下げるかを、バランスを取りながら考えることが必要です」(佐久間氏)
このように、現在行っている住民サービスを保ちつつ、どのようにコストを下げるかという視点で、西いぶり広域連合は、より一層のコストダウンを図ろうと考えています。
お客様情報
西いぶり広域連合は、一般廃棄物処理を行うために、室蘭市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町の5市町によって2000年に設立されました。その後、2006年の規約改定で共同電算処理の事務も行えるようになり、現在、室蘭市、登別市、伊達市、壮瞥町の4市町の基幹系システムでの事務処理も一括して行っています。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM,IBMロゴ,BladeCenterおよびTotalStorageは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
