掲載日 2008年10月27日
小島プレス工業株式会社(以下、小島プレス工業)では、「グリーンITによるCO2削減」の一環として、データセンターの温度上昇を押さえ、空調にかかる電力コストを削減するため、IBM 冷媒式Rear Door Heat eXchanger(以下、RDHX)導入サービスを採用しました。従来のデータセンター全体を冷却する方式に対し、冷媒式 RDHX はサーバーの熱のこもった個所を局所的に冷却するソリューションです。データセンターの温度上昇を押さえながら、空調にかかる消費電力量を約20%削減し、CO2削減に貢献しています。
IBM 冷媒式 RDHX は、その技術的優位性が認められ、「グリーンITアワード2008」の審査員特別賞を受賞しています。
お客様ニーズ

取締役社長
小島 洋一郎氏
シンプルでコンパクトな形こそが、省エネルギーに貢献する
冷媒式RDHXによるサーバー冷却ソリューションを採用した小島プレス工業は、社内に一切、自動販売機を置いていません。実はこれは、同社 取締役社長 小島 洋一郎氏の語る省エネへの取り組みへとつながっています。
「自動販売機を置かなくなったきっかけは、消費税の導入でした。販売価格を100円のまま据え置くなら、3円分の中身を減らせばいいことになります。ところがその3円分というのは、中身の半量にも相当するというのです。では、どこにコストがかかっているのか。運送、冷蔵・保温のための電気、また空き缶等の廃棄部分に、最もコストがかかっているというのです。つまり、実際の中身よりも、利便性を求めることに対するコストがはるかに大きいということです」
この取り組みで工場全体の電力使用量のうち、冷蔵庫6台分ほどの電力が一カ月当たり削減されたと、小島氏は続けます。さらにこの考え方は、工場でのもの作りにも生かされています。
「工場でのもの作りについても、同じ考え方をしています。工場の中をよりシンプルでコンパクトな形に変えていくことを目指してきましたが、振り返ってみると、そうすることによって消費するエネルギー自体を少なくできることに気が付きました。余分な電力は無いか、エネルギーの無駄は無いかを考えて改善を行った結果、22メートルの生産ラインを50センチにまで縮めることができました。さらに工程の中で、光や風、また重力といった自然のエネルギーを極力利用していこうと、全員で取り組みを始めました。自然の力を工程に取り入れようということで、落とす、流す、滑らせるなど、重力を活用した工程作りを全員でやってきました。普段の仕事の中でこれらの取り組みが自然にできるようになるまで、10年から15年かかりましたが、今ではこの繰り返しが社員の中に定着し、普通のこととしてとらえられるようになっています」
特に、熱に関する部分については、省エネルギーの効果が大きいと小島氏は語ります。炉の温度を少し下げるだけで、かなりの削減効果があります。
「こうしたことの延長として、今回、サーバーを考えたとき、同じような発想でやればいいのではないかと思ったのです。必要なところだけ温度を下げればいいわけで、余分なエネルギーを使うことではない、ということです」
もの作り、工場の仕組み作りの発想が、結果としてエコロジーへの取り組みにつながっている小島プレス工業。同じ発想の下、「グリーンITによるCO2削減」の取り組みが行われることとなりました。
ソリューション

RDHX
冷媒式RDHXによるサーバー冷却ソリューションで、
温度の高いラックの熱を局所冷却
一般的にデータセンターは、エアーコンディショナーを使って室内全体の温度を下げていますが、室内の温度には場所により高低が出ます。ラックによって熱量が異なること、またエアーコンディショナーの設置個所やラックの配置によって、室内の空気の流れが一定とならないことなどから、温度の高い場所、低い場所が存在するのです。熱が横へ出るというラックの構造上、ラック間の温度が高くなりがちという課題もあります。
小島プレス工業でも、サーバーの増加に伴い空調を追加してきました。12年前にデータセンターを構築後、ここ数年でサーバーが増加。ラック数が増えたこともあり、2007年、空調を増強しています。しかし「エアーコンディショナーの設定温度を17度にまで下げないと、データセンター全体が冷えてこない」(生産技術部 技術支援課 村井 俊夫氏)さらに2008年、シンクライアントのワークステーションであるIBM BladeCenter® HC10を導入したこともあり、新たな温度対策に踏み切りました。
本社ビルの消費電力のうち、3分の2以上をデータセンターが消費。さらに「サーバーで50キロワットの電力を消費しているとすると、それを冷却するために、30キロワット程度の空調が必要という計算になっています」と村井氏が語るように、データセンターが消費する電力の3分の2程度を空調が占めていました。新たな温度対策では、この電力削減も目的となりました。
そこで選択されたのが、冷媒式RDHXによるサーバー冷却ソリューションです。ラックの後部ドアを熱交換タイプに入れ替え、室外機を接続することにより、冷媒ヒートポンプの原理でラック排熱を除去します。
冷媒式RDHXについて、生産技術部 参事 兼子 邦彦氏は設置の意義を次のように語ります。
「以前、空調のうち一台が故障したことがあります。そのときは室温が30度以上になり、ホストコンピューターが自動停止してしまって大変でした。コンピューターにとって空調は非常に大切です。ネットワーク等の二重化は安全面からも当然の対処ですが、同じ意味で今回の設置は空調の二重化にもなり、大変意義があると考えています」
配管工事は業務に影響が出ないよう、夏期休暇中に一週間程度で完了。データセンター内で熱のたまる個所をなくすため、サーバーごとの熱量を測定した上で、より熱量の高いサーバーを該当のラックに順次載せ替えて設置が完了しました。
導入効果
データセンターの室温低下に大きな効果。さらに使用電力も20%削減
冷媒式RDHXによるサーバー冷却ソリューションを採用したことで、データセンターの室温が適温に保てるようになったと、村井氏は言います。
「設置後は、エアーコンディショナーの設定を20度にしておいても、普通の部屋と同じような温度が保てるようになりました」空調にかかっていた電力は、これまでは一日平均、約760キロワット時(2008年9月時点)でしたが、これが626キロワット時まで減っています。20%程度の削減となり、CO2に直すと、年間で約24トンの削減効果が見込める計算です。
データセンターの中で熱がたまっていた個所も、冷媒式RDHXを設置したラックに熱量の大きいものを集めたことで、熱だまりをなくすことができました。
将来の展望
環境対策は企業として取り組むべき課題。太陽光発電による電力供給も計画
今回の冷媒式RDHXによるサーバー冷却ソリューションの採用に伴い、ラック間でのサーバー整理等も行った小島プレス工業ですが、今後はサーバー統合も行いながら、さらに冷媒式RDHXの設置を進めていく考えです。
「より熱を発生するサーバーについては、冷媒式RDHXを設置したラックに入れる方が、より熱対策として効率がいいことが分かりました。今後もそうしたサーバーについて、ラックが不足してきた際には、冷媒式RDHXも追加していきたいと考えています」(村井氏)
また小島プレス工業では、今後、データセンターの電力を賄うための太陽光発電設備の導入も計画しています。
「企業における地球温暖化防止対応は急務となっており、『グリーンITによるCO2削減』はその有効な手段の一つとなっています。データセンターの消費電力は年々増加しており、CO2削減の究極な対応である太陽光発電を計画しています」(兼子氏)
お客様情報
トヨタ自動車株式会社の協力企業として、プレス製品、樹脂製品および電子製品を中心とした自動車の内外装部品を生産しています。環境への取り組みを積極的に行っており、社内で古紙をトイレットペーパーに再生するなど、多くの取り組みを行っていますが、こうした活動が高く評価され、2001年リサイクル推進功労者等表彰内閣総理大臣賞、2003年地球環境大賞(日本工業新聞社賞)を受賞しています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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