掲載日 2008年10月23日
2007年3月に創業50周年を迎えた株式会社 平和堂(以下、平和堂)は、滋賀県を中心に2府6県に約120店舗を展開するほか、中国湖南省にも2店舗、ファミリーレストラン「ココス」やケンタッキーフライドチキンのチェーン店経営、書籍・CD・DVDの販売/レンタル業など、総合小売業として幅広い事業を展開しています。平和堂では、取引先との迅速で効率的な受発注業務の実現を目的としたElectronic Data Interchange(以下、EDI)システムを構築。その基盤として、IBMのUNIX®サーバーであるIBM System p®およびアプリケーション基盤のIBM WebSphere®ソフトウェア、その上で稼働するエヌアイシー・インフォトレード株式会社の「EDIPACK」を採用しました。
お客様ニーズ

株式会社 平和堂
情報管理部 部長
中島 勝 氏
小売業の生命線となったEDI。
小規模な取引先の接続が重要に
平和堂では、1999年にEDIPACKを導入する以前からメインフレーム環境でEDIシステムを運用するなど、早くからEDI化に取り組んできました。その結果、現在同社のEDIシステムには、約1600サイトがつながっています。平和堂の情報管理部 部長である中島勝氏はEDIシステムの重要性について、次のように語っています。
「全体で2000社を超える取引先とのやり取りがあるので、現状では約8割がEDI化されていることになります。そのほか社員の給与やクレジット決済などを行っている金融機関、チラシなどを印刷してもらっている印刷会社などの企業とも連携されています。今やEDIシステムなしでは、外部とのやり取りはできない状況です」
その一方、平和堂の取引先にはJapanese Article Number(JAN)コードが付いていないアパレル製品や生鮮食品のような商品を取り扱っている非常に小さな会社もあり、簡単かつ低コストでEDI化が実現できなければ導入してもらえないという課題を抱えていました。また、JANコードが付いていてもEDI化を拒否する取引先もありました。
「EDI化されていない取引先には、こちらから伝票を送付して商品を納品してもらうといった方法で対応しています。このような取引先は、現在100社以上あるので、けっこうな作業負荷になっています。とりあえずは受発注だけでもEDI化できないと作業負荷を軽減することはできません」
こうした小規模な取引先とのEDI実現に向け平和堂では、流通業向けの次世代EDI規格である「流通ビジネスメッセージ標準(Business Message Standard:BMS)」に注目しており、既存のEDIシステムをいかに効率的に流通BMSに対応していくかも大きな課題の一つでした。
ソリューション

システム構成図
多くの実績や多彩な接続方法でEDIPACKを採用。
トラブルもなくサポートも高評価
当初、平和堂では、取引先への発注や請求、支払いなどの業務をメインフレーム環境で行っていました。しかし、システムのオープン化に伴い、1998年6月よりEDIPACK導入の検討を開始。1999年7月にEDIPACKを活用したEDIシステムの運用を開始しています。EDIPACKの採用を決めた理由を中島氏は次のように語ります。
「EDIPACKの採用を決めた理由は、すでに多くの導入実績があったことです。実際にEDIPACKを導入しているユーザー企業に話を聞きにも行きました。また1998年当時には、オープン系で稼働するEDI製品はあまり種類がなく、すでにJCA、全銀、全銀TCP/IP、FTPなどのマルチプロトコルに対応していたことも採用を決めた理由でした」
現在、平和堂が運用しているEDIシステムは、EDIPACKが導入されたEDIサーバーと取引先が、JCA、全銀、全銀TCP/IPを使用して直接接続する方法、Value Added Network(VAN)サービスを経由して接続する方法、流通BMSを活用してApplication Service Provider(ASP)サービスで接続する方法の三つの方法によりEDIを実現しています。EDIPACKを採用したシステム構築を中島氏は、次のように振り返ります。
「EDIPACKの導入時には、ほとんど苦労した記憶がなく、スムースに導入できた記憶があります。このとき、全銀TCP/IPもスケジューリングもまったく問題なく動作しました。稼働してすでに10年以上が経過していますが大きなトラブルもほとんどありません。ソフトウェア製品なので細かい問題点はあるものの、エヌアイシー・インフォトレードの迅速なサポートには非常に満足しています」
EDIPACKが導入されているEDIサーバーには、IBMのUNIXサーバーであるIBM System pが採用されています。EDIPACKが導入されているEDIサーバーは平和堂にとって重要な基幹システムの一部であるため、二重化により信頼性や可用性を向上させています。これまでの日本IBMとの関係について中島氏は、次のように語ります。
「当初、基幹システムは別のメーカーのコンピューターを使用していました。しかし、グローバルで小売業界に強いことを評価してIBMのコンピューターを使うようになりました。現在では、基幹システムにはIBM製のサーバーを活用し、フロントエンド部分はその時々で最適な製品を活用してシステムを構成しています。
導入効果
伝票レスで伝票のハンドリングが半減。
人件費や作業負荷、ミスも削減
EDIPACKの導入効果を中島氏は、次のように語っています。
「EDIシステムの導入により、伝票レスの取引が可能になりました。平和堂では、年間の受発注件数が伝票枚数で1600万枚分あります。このうち半分の800万枚分がEDIによる伝票レスで実施できるようになっています。これにより伝票のハンドリングのための人件費や作業負荷、伝票コスト、入力ミスなどを大幅に削減することができました。今後はさらに伝票レス化を促進していく計画です」
また、発注業務の精度の向上にもEDIシステムは効果を発揮しています。従来、商品の発注業務において、いつ、どのタイミングで、何を、いくつ発注するかは、現場担当者の判断に任されていました。しかし、人手が介在すると発注ミスや発注漏れなどを防ぐことができないという問題を抱えていました。
そこで平和堂では、基本的な商品に関しては、一定の周期で売れた数だけを自動的に発注する仕組みを2007年に構築しています。これにより、発注における担当者の負荷が半分程度に削減されており、余剰時間を売り場の整理など、顧客サービスのための時間に割り振れるようになりました。この効果について中島氏は、次のように語ります。
「季節や天候、イベントによる販売数の増減が考えられる商品に関しては、担当者が数量を自由に変更できるようになっています。現場にとっては、発注業務の省力化ができたことが最大の効果といえるでしょう。在庫の精度を上げることができれば在庫管理の精度も向上し、顧客満足度のも向上できるのです」
将来の展望
EDIで蓄積したデータを他分野で活用
より深い顧客サービスの提供を目指す
チェーン店の展開において、滋賀県を中心とした周辺地域に特定し、その地域に密着した店舗展開を行うドミナント戦略により、横展開で事業を拡大してきた平和堂ですが、今後はEDIシステムやPOSシステムなどで蓄積したデータをさらに活用することで、より地域に密着した深みのある事業展開を実施できる仕組みを実現していく計画です。
具体的には、EDIシステムで蓄積したデータを、営業を支援するための取り組みや安心・安全に関するトレーサビリティーの実現、内部統制など、受発注業務以外のさまざまな分野に活用していきたいと考えています。今後の展望について中島氏は、次のように語ります。
「すでに多くのデータを蓄積しているものの、どのようなお客様が、いつ、何を、どれだけお買い上げいただいているかといった分析結果の活用はまだ実現できていません。顧客の嗜好(しこう)や行動を分析することで、今後、どの分野を拡大し、どの分野を縮小していくかを明確にし、各店舗の顧客ごとに、より深いサービスを提供できる取り組みを実現していきたいと思っています」
お客様情報
1957年に設立された総合小売業で、滋賀県を中心とした2府6県に約120店舗を展開するほか、中国湖南省でも店舗を展開。ファミリーレストラン「ココス」やケンタッキーフライドチキンのチェーン店経営、書籍・CD・DVDの販売/レンタル業など、食料品・衣料品・住居関連品を販売しています。
ビジネス・パートナー
1996年に、花王インフォネットワーク株式会社として設立。2008年2月に、日本情報通信株式会社の100%出資により、社名をエヌアイシー・インフォトレード株式会社に変更。パッケージソフトの開発・販売、コンピュータおよび通信機器の販売、花王グループおよび他社へのASPサービス、システムコンサルティング、SIサービスなどを展開しています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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