掲載日 2008年12月26日

コールセンター株式会社三菱東京UFJ銀行(以下、三菱東京UFJ銀行)ビジネスローン部は主に中小企業を対象として、電話による融資の問い合わせ対応などのサポート業務を行っています。コスト最適化のため、行員と派遣社員による分業体制で運用されているサポート業務の品質向上と電話対応のスピードアップを目的として、Genesys SIP ServerとIP通話録音サーバーを組み合わせ、WebアプリケーションによるComputer Telephony Integration (以下、CTI)でコールセンターの新システムBusiness Loan e-Support System(以下、BLeSS)を構築しました。
目次
お客様ニーズ

ビジネスローン部
部長 原 武志氏
コストを抑え、正確かつ迅速な対応で顧客満足を向上したい
三菱東京UFJ銀行のビジネスローン部では、主に中小企業を対象とした融資業務を行っています。対象となるお客様は全国で約2万社。コールセンターは20席で、常時10人程度のオペレーターが電話対応を行っています。
「お客様ごとに担当者が決まっていないため、電話を受けた時点ですぐにお客様の情報が分からないことが課題でした。前回とは別 の担当者が電話に出たからといって、これまでの交渉の経緯が分かりませんというわけにはいかないのです」(ビジネスローン部
部長 原 武志氏)
ビジネスローン部の業務では顧客とのやりとりは非常に重要です。顧客情報はすべて記録していますが、これまでのシステムではその情報照会に時間がかることが課題となっていました。情報照会のためには厳密な本人確認が必要なため、場合によっては30分程度かかることも。そのためお客様から電話をいただいた後、情報照会後にコールバックするというプロセスを踏んでいましたが、スピーディーさに欠けるだけでなく、お客様に与える印象もよくないという顧客満足の観点からの課題もありました。
加えて電話対応を行っている派遣社員から行員への電話転送も、課題の一つとなっていました。
「途中で電話を派遣社員から行員が引き継ぐこともありますが、その場合もいったん電話を切った後にあらためてお電話することになるため、お客様の心証があまりよくないという点も懸念事項でした」(ビジネスローン部 業務企画グループ 調査役 種倉 幹和氏)
ソリューション

システム図
SIP ServerとWebシステムで、運用負荷を下げつつ顧客対応をスピード化
新システムに求める要件として挙げられたのは、導入コストと拡張性です。今後のシステム統一や勘定系システムとの接続なども見据え、互換性や開発方法等も考慮した上でIBMのソリューションが選ばれました。今回のシステム構成は、非常に先進的な組み合わせを採用していますが、この点についてビジネスローン部 業務企画グループ 次長 名倉 達也氏は次のように語ります。「最新システムの採用にためらいを感じるといったことはありません。むしろ、当行の社風としてそのときにベストなものを採用していきたい。常に先端をいきたいと思っています」
最大のポイントは、Private Branch eXchange(以下、PBX:構内交換機)ではなく、汎用サーバー上のソフトウェアによりオールIP化を行って構築したという点です。これまでのコールセンターのシステムでは、PBXとCTIがそれぞれ必要であり、また専用装置を使用する電話の移動等でも追加費用が発生するなど、取りまわしに不便な点もありました。そのため今回のシステムでは、IBM System pをプラットフォームとし、PBXとCTIの機能を兼ね備え、かつオープンスタンダードである Session Initiation Protocol(SIP)を使用しているジェネシス社のGenesys SIP Serverを採用しました。
さらにWebアプリケーションと連携することで、Webベースの画面で顧客情報を表示できるようになりました。顧客からの着信があった段階で、その発信番号を元に顧客情報を検索し、着信を受けるオペレーターのディスプレイに即座に情報を表示できるシステムが完成しました。通話内容を一定期間、音声データとして保存できるよう通話録音システムも導入しました。
「システム自体に加えて、サービスイン前に音声の聞こえ具合などもテストいただきました。派遣社員も含め、操作の指導やサポートを事前に十分やっていただいたおかげで、導入後は特に問題もなく使えており、非常に感謝しています」(種倉氏)
導入効果

ビジネスローン部
業務企画グループ
次長 名倉 達也氏
よりスムーズな対応で顧客満足度が向上。オペレーターへの教育効果も
新システムBLeSSの構築により、電話着信時の応答が大幅に効率化されたと、原氏は語ります。
「実際に電話を受ける担当者には、非常に使いやすくなったと好評です。着信と同時に必要な情報が画面に表示されるおかげで、お客様をお待たせすることがなくなりました。お客様の印象もよくなっていると思います」
通話中に会話の内容等を画面に入力し、記録が残せる点も大変便利と評価されています。さらに通話のモニターも可能となったことで、電話対応の引き継ぎ時にも応対がスムーズになりました。例えば担当者が電話対応に心配な点があった場合などは、画面上から管理者にヘルプ依頼をすることが可能です。管理者は依頼に基づいて、すぐに通話をモニター開始できます。これにより、電話が転送されてきた際にも、再度顧客や担当者へのヒアリングなしに、その後の対応を円滑に進められます。さらに録音データについては、担当者のスキルアップにつながるといった声も上がっています。
「電話を介したやりとりでは、お客様への対応が品質です。実際の音声を聞くことで会話の雰囲気などをつかみ、よりお客様の印象がよくなるよう具体的なアドバイスができるので、全体の質をさらに向上できる効果もあります」(名倉氏)
将来の展望

ビジネスローン部
業務企画グループ
調査役 種倉 幹和氏
フリーダイヤルへの着信への対応も。勘定系システムとの接続も検討
現在は顧客からの問い合わせに対して活用されているBLeSSですが、今後の活用として、特定のフリーダイヤルへの着信に対応することも想定しています。
ビジネスローン部は種々の目的により、ダイレクトメールを送付することがあります。ダイレクトメールには、専用の問い合わせ番号(フリーダイヤル)を記載していますが、この送付時には一気に問い合わせ件数が増加する傾向があり、普段対応している担当者だけではさばききれなくなることもあるため、他の業務の担当者が応援に入ることもあります。
「応援要員は電話対応に慣れていないため、これまでは非常に大変でした。しかし今後は、ダイレクトメールに記載したフリーダイヤルへの着信に対して情報が画面に上げられるよう、すでに仕組みが用意されているので、より対応が容易に行えるようになります」(種倉氏)
現在、預金残高や借入残高などを管理している勘定系システムは、別のホストコンピューターで運用されています。将来的には、勘定系システムとの接続も視野に入れています。ビジネスローン部では、この連携によりさらに理想的なBLeSSの構築を目指しています。
お客様情報
お客様名:
株式会社三菱東京UFJ銀行
所在地:
〒100-8388東京都千代田区丸の内2丁目7番1号
URL:
製品・技術情報
ハードウェア
ソリューション
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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