掲載日 2009年4月20日

日本航空 航空機日本航空(以下、JAL)は、2008年11月に世界最大の航空機整備業務システムを稼動しました。航空機の整備計画・実行、品質管理、部品在庫管理および整備士の資格管理等に関わる約100の業務システムを統合するため、SAP® ERPパッケージを活用し、航空機機材や部品の整備計画・実行管理、品質管理業務等の効率化、および、安全性のさらなる向上を目指します。
お客様ニーズ

整備本部
整備企画室 部長
鈴鹿 靖史氏
世界を相手に競争を続けるJALは、航空機メーカーが取り決めた基準を上回る高いレベルの指標を設けて常にトップレベルの品質を維持してきました。しかし、同社が保有するボーイング機は約160機あり、部品数は、個別管理している部品だけでも50万個に及びます。
「これを個別に管理して、時間管理をしながら適切なタイミングで整備し、整備履歴をすべて管理するというのは非常に大変で複雑なプロセスです」と同社整備本部整備企画室の鈴鹿靖史部長は課題を指摘。部品ごとに飛行時間や飛行回数などの時間管理を行い、飛行機自体もそれぞれに定められた飛行時間、飛行回数ごとに、非常に多くの整備項目を実施する必要がありました。
こうした複雑なプロセスを管理するために同社では、すでに大小100くらいのシステムを稼動。それぞれのシステムは高いレベルで利用部門ごとに個別最適化されていたため、かえって部門間連携の脆弱性を招いていました。
「そこでERPでシステムを統合し、一元的に整備業務に関わる情報の管理することでトータルに品質を向上させ、効率化を図ろうと考えました。統合システムを導入することで仕事の仕方や考え方を変革し、組織としてのパフォーマンスを最大化したいという経営的なニーズもありました」と鈴鹿氏が語るように、SAPによる統合システムの導入には、効率化や品質の向上だけでなく、組織や業務をシステムに合わせるBPRの狙いもありました。
ソリューション
SAP製品の19のモジュールを使い、整備関連業務を一元管理する新整備業務システム「JAL Mighty」を構築。英国航空やイベリア航空などへのシステム導入経験を持つコンサルタントなどを世界約15カ国から召集し、ピーク時には500名規模の開発体制で対応しました。このうち100名はIBMのグローバルデリバリサービスを活用してインドの要員を当てています。
導入効果
BPRを含めたシステム化を推進するには全体最適化を図るための新しい軸が必要ですが、同社ではコストと顧客の視点に軸を置きました。「今まで以上のコスト削減を実現するためには全体で見ることが重要ですし、限られたリソースで顧客満足度を高めるには、顧客の視点で部門間の連携を強化することが必要です」と鈴鹿氏は指摘しています。
具体的には、整備作業の設定から作業指示、計画の立案、実際の作業、そして完了処置と次の整備期限の設定といった整備全体の流れがビジュアルで見られるようになり、整備品質の向上が見込まれます。さらに、ある条件のもとで不具合が発見された場合に同様の条件下にあるものを探し出し、予防的整備につなげるという水平展開も期待できます。
部品面でも、部品が機体から取り下ろされ、倉庫に戻され整備されて在庫として収められるという一連の流れに様々な部門が関与することで連携の重要性に目が向くようになります。「部品の流れが一目瞭然になることで、部品の在庫状況が全体で分かり、補充のためのムダな発注を防ぐという在庫の削減効果も見込めます」と鈴鹿氏は話しています。
将来の展望
統合システムを通して、整備に関わる7000名のスタッフの仕事の連携や、整備グループ全体の効率化と品質向上が期待されています。また、JALグループの整備部門は、グループ整備会社各社が培ってきた専門技術とJALが蓄積してきたエアライン固有の技術を結集し、我が国を代表する航空機整備会社として、2009年10月「株式会社JALエンジニアリング」を設立しますが、JAL Mightyを活用することによって、よりお客様の視点にたった技術力の向上を図り、どこにも負けない高品質な機材の提供を目指していきます。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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