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豊田通商株式会社

「安全・安心な社会」に貢献する産業廃棄物の情報管理ビジネス —「想定以上の可能性」を感じ、IBMをパートナーに選定—

掲載日 2009年5月18日

豊田通商株式会社の概観写真
豊田通商株式会社
外観
トヨタグループを支える総合商社である豊田通商株式会社(以下、豊田通商)では、産業廃棄物の処理状況を最終処分に至るまで管理する「廃棄物・資源循環管理システム」を開発し、グループ内外にASPサービスで提供しています。日本IBMはそのパートナーとしてシステムの構築・運用を担当。「事業化」という側面からも積極的に支援しています。

お客様ニーズ

環境問題の関心の高まりとともに、産業廃棄物の処理プロセスの法規制は強化されつつあります。2001年の廃掃法(正式名称は「廃棄物の処理および清掃に関する法律」)の改正では、排出事業者が最終処分を確認することが義務づけられました。

トヨタグループの総合商社である豊田通商では、こうした規制強化の流れの中で産業廃棄物の処理プロセスを一元管理する「廃棄物・資源循環管理システム」を株式会社デンソー向けに構築。紙ベースのマニフェスト(産業廃棄物管理票)の情報をシステム化して効率化を図るとともに、製造工程で出る廃棄物の発生状況をライン別に管理し、徹底してムダを省こうと考えました。

このシステムはトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)からも評価されて採用されましたが、同社ではトヨタ自動車以外の幅広い対象への導入を図るために、ASPサービスとして提供する事業を立ち上げることを計画し、システムの構築と運用のパートナーを探していました。

「トヨタ自動車のように規模の大きな企業であれば自社でシステムを構築することができますが、規模の小さな企業には負担が大きくて導入できません。そこでASPサービスとして提供すればビジネスになると考えたのです」と、ASPサービスを企画した理由について、エコマネージ・ネットワーク株式会社(以下、エコマネージ・ネットワーク)の中村薫 取締役は話しています。エコマネージ・ネットワークは、このビジネスのために2008年1月に設立された同社の100%子会社です。

システムの開発要件を取りまとめ、ITベンダー数社に見積もり依頼をしたところ、システムの構築だけでなく、「ビジネス・パートナーとしての提案があった」ところが評価され、日本IBMがパートナーに選定されました。

エコマネージ・ネットワークの代表取締役社長である北詰一隆氏は「他社は依頼したシステム開発の見積もりに対する回答だけでしたが、IBMだけは最初からビジネスのパートナーとしてアピールしてきました。IBMとしてもビジネス化を進めたいという意欲が伝わってきて、一緒にやることで私たちが考えている以上のことができる可能性を感じましたね」と語っています。

日本IBMが自動車のリサイクルを支える電子マニフェストシステム「自動車リサイクルシステム」の構築・運用を担っていることも安心材料になったようです。「自動車を製造するビジネスである“動脈ビジネス”ではなく、周辺のリサイクルのビジネスである“静脈ビジネス”に可能性を見出しているという点でもビジョンが一致しました」と北詰氏は話しています。

それ以来、IBMをパートナーとして事業化が進められましたが、北詰氏は「システムを作っているというよりも、新しいビジネスを一緒に作っているというワクワク感をずっと共有している感じです」と語り、「ビジネスを広げるうえで、情報面だけでなく、人的なネットワークの面でもパートナーとしての役割を果たしてくれています」とIBMのパートナーシップを高く評価しています。


ソリューション

2007年11月から、自動車産業をはじめとする産業界をつなぐ業界共通の企業間取引ネットワーク「JNX」のアプリケーション共通基盤環境での運用を開始すると同時に、インターネット環境に対応するためのITインフラやソフトウェアの導入設定に着手。メール接続、JWNETとの接続を検証したうえで、2008年1月からインターネット環境での運用を開始し、同年4月からASPサービスの提供をスタートしました。日本IBMは実績のあるITインフラとスキルを活用することで、開発期間の短縮、および開発・運用・保守コストの低減を図り、安定した継続性のあるシステムの利用に貢献しています。


導入効果

紙ベースのマニフェストは7枚複写になっていて、排出業者、収集・運搬業者、中間処理業者、そして最終処理業者の間でやり取りされます。このやり取りを電子化してシステム上で一元管理するのが「廃棄物・資源循環管理システム」のメインの機能です。電子化することで処理業務は大幅に効率化されます。

また、産業廃棄物の処理プロセスをシステムで一元管理することでコンプライアンスが確立され、誰でも内容を確認できる“見える化”を実現することができます。この見える化によって、製造工程で発生する廃棄物を減らし、原価全体の低減につなげることが期待されています。


将来の展望

産業廃棄物処理の電子化はまだまだ未開拓の分野です。「製造業の産業廃棄物の総量のわずか5%程度しか電子化されていません」(北詰氏)ということもあり、ビジネスとして大きな可能性を秘めています。

北詰氏は「富士山の登山に例えると、今はまだ一合目というところです」と現状を語っています。将来的には、情報サービスだけでなく、商社としての強みを活かして、産業廃棄物処理のコンサルティングや設備、物流といったサービスも取り込み、“2次資源の商社的役割”を担っていきたいとしています。

「廃棄物は資源のロスにほかなりません。計算上ではなく、リアルに見える化できるシステムを活用することで、最終的にはモノ作りのコスト低減に貢献したいと考えています」と北詰氏は、成熟度が高い動脈ビジネスに比べてまだ開拓の余地がある静脈ビジネスで大きな成果をあげることを目指しています。


お客様情報

トヨタグループの総合商社。トヨタ自動車、デンソーを中心としたトヨタグループの世界戦略を幅広く支援し、グループ中核総合商社としての役割を担う。扱う商品は自動車、金属、機械に限らず、石油、プラントから食品、保険まで幅広く取り扱っている。同社の鉄鋼原料部が実施してきた「リサイクル事業の推進による地球環境への貢献」に基づき、新会社としてスタートさせたのがエコマネージ・ネットワークで、同社は廃棄物管理業務のあるべき姿を徹底化するため、コンサルティングサービスの提供を目指し、各企業様の廃棄物処理業務において「見える化」に向けた仕組みづくりを支援している。


本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。

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他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は2009年4月時点での情報であり、変更されている可能性があることをご了承ください。全ての場合において移行が可能なことを意味するものではありません。お客様の環境、その他の要因によって異なります。事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能な訳ではありません。

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