掲載日 2009年6月26日

株式会社
サイバーリンクス
外観株式会社サイバーリンクス(以下、サイバーリンクス)は、リテイルネットワーク、地域ネットワーク、モバイルネットワークを主要事業としており、中でも流通小売業の本部・店舗向け基幹・業務・分析などの業務システムを提供しているリテイルネットワーク事業が同社の基幹業務となっています。
同事業では、10年ほど前から小売情報をもとにした卸向けElectronic Data Interchange(以下、EDI)サービス(流通VAN)をスタート。2001年9月にはインターネット・データセンターを開設したほか、2005年2月にはサービス指向アーキテクチャー(以下、SOA)の概念を取り入れたApplication Service Provider(以下、ASP)型流通小売業本部システム「@rms(アームズ)」の販売を開始しています。
さらに同社では10年先を見据え、新しいビジネスモデルを踏まえたバリューチェーン(価値連鎖)を超える連携システム「サイバーリンクスSOAクラウド」の構想を2005年に策定。そのクラウド・コンピューティングのインフラストラクチャーとして選ばれたのが、SOAのビジネス価値を最大限に引き出すIBM WebSphere®ソフトウェア製品群でした。
お客様ニーズ

株式会社
サイバーリンクス
水間 乙允氏
10年先を見据えたエンタープライズ・クラウドを構築
流通小売業向けPOSデータ処理サービスから始まったサイバーリンクスのリテイルネットワーク事業は、常に先進的なサービスを展開してきました。2002年にはSOAの概念をいち早く取り入れましたが、さらに10年先のビジネスをにらんだ形で「サイバーリンクスSOAクラウド」構想を策定しました。その背景について、CDE開発室 兼 データセンタ事業室 部長の水間 乙允氏は次のように話します。
「2002年には流通業向けの基幹システムをWebサービスで提供し始めました。今でいうSoftware as a Service(以下、SaaS)の形態をとっており、その先進的な取り組みはお客様からも好評をいただいていました。そこで、今後の取り組みとしてサービスをしっかりととらえていかなければならないと考え、エンタープライズ・サービス・バス(以下、ESB)などを調査してきました。そこで今後の流れとして、クラウド・コンピューティングのインフラストラクチャーを取り入れた『サイバーリンクスSOAクラウド』が動きだしたのです」
ソリューション

株式会社
サイバーリンクス
松山 浩士氏
事業化スピードアップのためにIBM WebSphereソフトウェア製品群を導入
サイバーリンクスでは、EDIやASPのシステムを自社開発してきましたが、事業化へのスピードを上げるために「サイバーリンクスSOAクラウド」にはSOAベースの商用ミドルウェアを導入することを決定しました。そこでまず8社のベンダーの製品を比較・検討することから始めたと、CDE開発室 課長 松山 浩士氏は話します。
「検討し始めたころ、Enterprise Application Integration (以下、EAI)とSOA、ESBの区別さえついていないところもありましたので、8社からSOA、ESBの説明をしてもらったのですがEAIとの区別を明確に説明できないベンダーもありました。このような状況で、われわれにとってのSOA、ESBの価値をしっかりと説明し納得させてくれたのはIBMだけだったのです。そこで初めて、『サイバーリンクスSOAクラウド』には、どのようなミドルウェアを導入すればよいのかが明確となりました」
SOAやクラウド・コンピューティングに対して先進的に取り組んできたIBMのミドルウェアが同社に評価されたのでした。また、IBMが持つスピード感、安心感、技術力の三つも評価され、SOAミドルウェアであるIBM WebSphereソフトウェア製品群の導入が2008年に決定しました。
流通業におけるASPモデルやSaaSモデルはデータ利用量が大きく、ライセンス体系のモデルでは収益が圧迫されるとの判断から、それまではオープンソース系ミドルウェアのみ採用していました。しかし「サイバーリンクスSOAクラウド」では事業化へのスピードを優先し、IBMの商用ミドルウェアとSOAノウハウを採用することに決めたのです。「VANやEDIで企業同士をつなぎアクセスできるようにする第一段階、つながるのが当たり前となりインターネット技術でインテグレーションされる第二段階を経て、仮想化や統合化の技術が進んだ形で、いつでもどこでもオンデマンドで利用できる第三段階を目指すのが、『サイバーリンクスSOAクラウド』になります。IBMが提唱しているコンセプトに共感し、実践しています」(水間氏)。
「サイバーリンクスSOAクラウド」のアーキテクチャーは三階層からなります。ベースとなる「インフラ層」はEDIサービス、二番目となる「アプリケーション層」は「@rms」のような業務ロジックのサービスです。そして三番目となる「データ層」は、ESBのメディエーション・サービス(複数サービスをまとめて一つのサービスとすることができる機能)となります。この階層では、「サイバーリンクスSOAクラウド」が、物流センターやメーカー、小売り、卸などをつないでいくハブとなりますが、このアーキテクチャーのコアにWebSphereソフトウェア製品群が採用されたのです。
導入効果
WebSphereソフトウェア製品群により早期の事業化を実現
2009年1月に正式発表された「サイバーリンクスSOAクラウド」は、2009年の上半期から実データを使った検証運用を開始する予定です。自社SaaSやEDIなど、すでに稼働しているサービスも含んだインフラストラクチャーであるため、システムとして同日に一斉サービスインされるわけではなく、段階的にスタートされることとなっています。
「当初は3カ年で事業化することを目指していましたが、IBM WebSphereソフトウェア製品群を活用することにより1年程で事業化できるめどが立ちました。早期に事業化できることでROI(投資利益率)の向上も予想されます。現在、約60億円(2008年12月期)の売り上げを10年以内に200億円にすることを目指していますが、この目標も短縮できるのではと考えています。この短縮化をIBM WebSphereソフトウェア製品群が下支えしていることは間違いないです」(水間氏)。
将来の展望
新たなサービスの実現に向けて積極的な投資を継続
早期の事業化が見込めることとなった「サイバーリンクスSOAクラウド」ですが、今後の課題もあるようです。
「流通業は商品の点数が膨大で商品画像や受発注のデータ容量が大きくなってしまうため、ESBとの親和性を考えていかなければなりません。また、外部とのデータのやりとりが多くなるため、セキュリティーへの対応も考えなければなりませんが、これらはIBMのSOAにより解決できそうなので、具体的な検討を進めています」(松山氏)。
また、アーキテクチャーの次の階層として「ビジネス層」のサービスも実現する予定です。この階層では、サプライ・チェーン・マネージメントやCPFR (Collaborative Planning Forecasting and Replenishment:需要予測と在庫補充のための共同事業)などを活用したシミュレーション・エンジンで未来予測を行うことを想定していますが、「WebSphereソフトウェア製品群が安定稼働した上でメディエーション・サービスも稼働されるようになれば、すぐにでも手を付けようと考えています」と松山氏は話します。
「どのお客様もIT投資をただ増やすことはなく、『絞るところは絞り、攻めるところは攻める』という取捨選択の流れにあります。エンタープライズ・クラウドは、その潮流にぴったりはまっているのではないでしょうか。今後もこういったIBMの先進技術を取り入れるために、弊社では積極的に設備投資やサービス投資を続けていきたいと考えています」と、水間氏は締めくくりました。
お客様情報
1956年創業以来、時代の潮流を見据えながら、流通ネットワーク、情報処理、通信制御を主軸にさまざまな事業を展開。2000年には、社名を株式会社サイバーリンクスに変更して新創業を果たしました。現在、リテイルネットワーク事業、地域ネットワーク事業、モバイルネットワーク事業という三つの分野を柱として、流通業界をはじめ、官公庁、医療業界など、幅広いフィールドに向けたシステム・ソリューションを提供しています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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