掲載日 2009年7月30日
三井金属およびグループ会社の総合情報システムをサポートしている株式会社ユアソフト(以下、ユアソフト)では、グループ内で導入実績のあるSAP ERPの導入支援や運用支援を社外でも行っています。三井金属グループのアプリケーション・システムのサポートを担当するヘルプデスクでは、これまで情報管理に市販のデータベース・ソフトウェアを使用してきましたが、Information Technology Infrastructure Library (以下、ITIL®)のフレームワークに沿ったシステム運用を目指し、2006年から新たな取り組みを進めてきました。取り組みの中でユアソフトでは、ITILで定義されたサービスサポートの一つであるインシデント管理について、情報共有を促進し、業務効率を高めるため、ITIL認定ソフトであるIBM Tivoli®Service Request Manager®を導入しました。情報共有に加え、業務の進行状況などが可視化されたことで、業務効率が向上。ヘルプデスク全体のサービス品質向上にもつながると期待されています。
お客様ニーズ

株式会社ユアソフト
楢木 仁氏
ITILのフレームワークに沿った、効率的なインシデント管理を行いたい
ユアソフトでは、SAP ERPを中心としたシステムの開発や導入支援を行っています。加えて力を入れているのが運用サポートです。システム導入後の運用や活用を支える部分です。
「現在、ITは経営に欠かせないツールです。導入から運用までサポートすることで、ITという側面から企業活動を支えていると自負しています。ITにより既存の資産をより活用するだけでなく、さらに事業を発展につなげる。それもまたわれわれの役割だと思っています」(取締役 企画部長 管理部長 楢木 仁氏)。
サービスデスクの業務について、ユアソフトでは、フレームワークに沿った形でのシステム運用を目指し、社内のサポート要員に向けて2006年からITILの基礎教育を始めました。ITILファンデーション認定もサポートメンバーの大半が取得。ITILのフレームワークに従ったサービスデスクの運用は、外部に向けてサポート品質を証明するものとしても有効として推進してきました。加えて昨今の状況として、内部統制の整備も叫ばれるようになったこともあり、より一層サポート環境の整備に力を入れる必要性を感じています。
こうした中で見えてきた課題が、インシデント管理です。SI事業部 コンサルティング部 課長 小野 哲二氏は次のように語ります。
「インシデント管理には、市販のデータベース・ソフトウェアを使った仕組みを作って運用していましたが、ITILのフレームワークが出来上がるに従い、これでは十分でないと感じていました。蓄積したデータを情報共有するという視点が欠けていました」
情報の記録・閲覧においても、部門内の限られた人数でデータベースを共有するには問題はなかったものの、ビジネスが広がるにつれ、外部からもアクセスしたいといった要望が増えてきました。「管理する顧客数やユーザー数も増加する中、市販のデータベース・ソフトウェアでの運用では現実的ではなくなったことから、ツールの選定を迫られていました」(小野氏)。
ソリューション

株式会社ユアソフト
小野 哲二氏
Tivoli Service Request Managerでインシデント管理業務を可視化
現行に代わるツールを選定するにあたり、ツールによる効果として、次の三つを期待したと小野氏は語ります。
「最も期待する効果は、情報の共有と活用です。共有と活用を進めることで、最終的にはサポートレベルの向上を目指したいと考えました。ユーザーの体感でいえば、サポートのレスポンスが良くなるということです。次に、情報共有が進めば、問い合わせ内容に対して蓄積されたノウハウを共有できるようになります。一人一人のノウハウが全体のノウハウになることで、関連する情報や過去の回答が生かされ、サポート業務の効率化も期待できます。もう一つは、情報や進捗を管理するツールとして活用できることです。問い合わせやインシデントを管理する中で、問題滞留の度合いや問い合わせの傾向値を知りたいと考えていました。これらをつかむことで、サポート部門としてあるべき姿はどんな体制なのか、人数や必要なスキルといったことについての、客観的な裏付けとなるデータとして、説明や検討に活用できる部分を期待しました」
まずは社内外を問わずアクセスできるツールとして、Webアプリケーションを検討しました。自社開発は現実的ではないということから、最終的にTivoli Service Request Managerが選ばれました。ITILの分野において、インシデント管理、問題管理に加え、構成管理など、他のITILプロセスについても製品があり、それらを統合して活用できる環境が整備されていたこともTivoli Service Request Managerを選択する理由の一つとなりました。
導入に際しては、数千件に及ぶデータを移行しました。「大変手間のかかる作業でしたが、導入パートナーである住商情報システムによる熱心な対応が成功した要因と思っています」(楢木氏)。
導入効果
進捗状況が可視化され、情報共有と共に業務効率もアップ
導入後の効果として、決定的に向上したものとして、各メンバーの状況把握を小野氏は挙げています。十数人いるメンバーそれぞれのステータスが一目で分かるようになり、状況把握が格段にしやすくなりました。
「担当者が電話やメールで問い合わせを受け付けたら、作業内容や納期などを明確にしてからインシデントとして入力し、作業スタートとなります。この流れができたことで、リーダーや管理者は、誰が難しい問題を抱えているのか、どの問い合わせに対する対応が遅れているのか、そうしたことをつかみ、指示することが容易に行えるようになりました。メールでの問い合わせを自動で取り込むなどの機能もありますが、まずは本質的な部分での使いかたをしっかり根付かせてから、次の段階に進めたいと考えています」(小野氏)。
着手した案件の内容や、またその状況が可視化されることで、より全体の状況がつかみやすくなり、ステータスや優先順位を確認するフィルターとしての機能も非常に有効に働いています。これにより、問い合わせ業務に関するフレームワークがより一層明らかになったと、小野氏は言います。
「問い合わせに対する対応が、その後どうなっているのか、それが分からなくなることがなくなりました。ある程度の時間はかかると思いますが、地道に取り組んでいくことで、最終的にはヘルプデスク業務の品質向上につながると考えています」
将来の展望
他部門でのインシデント管理にも展開、リリース管理の導入も視野に
現在は一つの部門で導入、運用が始められたTivoli Service Request Managerですが、
問い合わせ業務のフレームワークが明確になり、情報管理や共有、エスカレーションなどが定着しました。確実に効果が上がっているとのことから、今後、インフラ担当など他の三つの部門への展開が計画されています。
「まずはベースラインとなるインシデント管理の基盤をしっかり固め、その後、リリース管理についても導入を検討したいと考えています。こうした仕組みの中で蓄積される情報を生かし、分析することで得られる要望などを、弊社のREAL MODELなどへフィードバックし、製品価値をより高めていければと考えています」(楢木氏)。
ユーザーからの意見や要望を蓄積し、ノウハウとして事業や製品に生かすための礎としてもTivoli Service Request Managerが活用されています。
お客様情報
三井金属鉱業株式会社のシステム部門が独立し、1989年に設立。三井金属グループのIT支援で培ってきた経験や技術を基に、REAL MODELと呼ばれるSAP ERPテンプレートを開発。SAP ERPの導入から運用支援、導入後の運用サポート等を行っています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、Service Request Manager、およびTivoliは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。
IT Infrastructure LibraryはOffice of Government Commerceの一部であるthe Center Computer and Telecommunications Agencyの登録商標。
他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。
現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtmlをご覧ください。
