掲載日 2009年8月21日

自動車にかかわるサービス提供において「お客様の身近に居て、お客様のことを良く知り、お客様の期待に応えるべく工夫し、お客様から信頼いただく企業」を目指す株式会社ジャストオートリーシング(以下、ジャスト)。同社は、神奈川県および東京都の南西部において自動車リースを中心とした総合サービスを提供しています。1994年3月に社名を「株式会社ジャスト」から現在のジャストオートリーシングに変更。社名の由来でもある「JUSTICE(正義)」を全うできる会社を目指すジャストでは、自動車リース情報提供サイトの再構築に、日本IBMのエンタープライズサーバーであるIBM i (IBM System i ®)、アプリケーション基盤のIBM WebSphere®、そして株式会社ミガロの開発ツールであるJACi400を採用しました。
お客様ニーズ

取締役
営業企画部長
渋谷昌信氏
フルメンテナンスリースサービスの一環となる情報サイトを再構築
ジャストでは自動車リースを中心に、車検や新車/中古車の販売、損害保険など、自動車にかかわる総合的なサービスを提供しています。中でも評価が高いのが巡回メンテナンスサービスで、経験豊かなメカニックがメンテナンスに必要な機器を搭載したワゴン車で事業エリアを常に巡回しており、リース車両にトラブルが発生した場合には30分程度で現場に到着できるサービスを実現しています。
また、日本全国に広く事業を展開するのではなく、地域に密着した密度の濃いサービスを提供していることが特長で、神奈川県および東京都の南西部を中心に約1万1000台のリース契約を顧客と結んでいます。さらにフルメンテナンスリースの一環として、7年以上前よりインターネットでリース情報を提供する自動車リース情報提供サービス「J-line」を構築しています。
J-lineは、リース自動車のメンテナンス実施実績やリース料の支払い予定、使用する所属ごとの経費配分、リース会計開示資料のダウンロード、自動車事故情報など、顧客が必要とするリース関連情報をインターネットで取得できるサービスです。いつでも最新の情報を確認できるサービスとして顧客から高く評価されていますが、稼働から7年以上を経て老朽化が著しく、リニューアルが必要な時期にきていました。
ジャストの取締役 営業企画部長、渋谷昌信氏は、「ハードウェアやソフトウェアの老朽化といった単一の問題だけではなく、機能性やデザイン性の向上、リース会計の制度変更への対応など、さまざまな問題が複合的に絡みあっており、待ったなしでリニューアルが必要な状況でした」と当時を振り返ります。
旧J-lineは、PCサーバーとJavaアプリケーションの組み合わせで構築されていました。このJavaアプリケーションは外部の開発会社に委託して開発していたために、何か修正が発生した場合に社内のシステム担当者で対応することができませんでした。そのためプログラムの修正に時間がかかるほか、修正に伴う費用が発生してしまうなどの問題も抱えていました。
J-line再構築のプロジェクトリーダーを務めたジャストのリース営業部 営業課 課長、中野敦夫氏は、「顧客が評価しているわれわれの価値は、何か変化があったときに迅速に対応できるということです。しかし、J-lineは社内にシステム部門があるにも関わらず自分たちで修正することができず、変化への迅速な対応という価値を生かしきれていませんでした」と話します。
また新しいバージョンのMicrosoft® Windows® やDB2®、WebSphereを導入し、Javaのプログラムを移植するためには7年以上前にシステムを構築したときとほぼ同額の投資が必要でした。中野氏は、「同じコストをかけて同じ機能しかできないという繰り返しでは投資としては問題でした。この点は以前から課題だと考えており、自社でシステムを内製できる仕組みを導入することが必要でした」と話します。
J-lineの再構築にあたり、システム担当者にJavaを覚えさせるという選択肢もありましたが、Javaは高いスキルが要求される言語なので担当者全員に覚えさせるのは困難でした。一方、システム導入当時よりIBM iを使用していたことから、システム担当者のほとんどがRPG開発に必要なスキルを持っていました。そこで既存のRPGを生かせるJACi400を採用することを決定します。
中野氏は、「JACi400を知ったのは、本当に偶然でした。いくつかのウェブ化ツールを検討していたときにFAXで送られてきたチラシを開発担当者が見つけたのが最初でした。そこでJACi400の検証を開始したのですが、検証した開発担当者も“JACi400が一番いい”という意見だったのでJACi400を採用することに決めました」と話しています。ジャストのシステム環境構築を長年担当してきたトッパンエムアンドアイの推薦もありました。
「JACi400は機能的にはまったく問題ありませんでした。検証のとき、ミガロ担当者のサポートも非常に良く、将来的にも大丈夫だと判断しました。システム開発には必ず問題が発生するので、いかにサポートしてもらえるかは非常に重要な採用ポイントでした」(中野氏)
ソリューション

リース営業部
営業課 課長
中野敦夫氏
JACi400導入で既存のRPGを活用したウェブ開発を実現
ジャストでは2008年2月にJACi400の導入を決定。7月よりシステム開発がスタートし、2009年2月より旧J-lineと並行稼働を行い、3月に本番稼働を迎えています。新しいJ-lineは、顧客がブラウザーから行ったリクエストをHTTPサーバーが受け取り、そのリクエストがWebSphereを通じてIBM iに送られ、JACi400により対応するRPGが処理され、処理の結果を顧客に戻すという仕組みになっています。
システム再構築のポイントは、顧客が直感的に使用できる使いやすい画面デザインや画面遷移を実現することでした。たとえばログイン画面では、JACi400が提供する標準のログイン画面を使用するのではなく、旧J-lineと同等の機能とデザインを持つログイン画面を構築しています。また画面遷移では、JACi400がセキュリティー上の仕様によりブラウザーのツールバーが表示されないので、画面に「戻る」ボタンを配置する仕組みを開発しています。
今回、J-lineの再構築にJACi400が採用された理由は大きく四つありました。まず社内でシステムの開発、保守、運用が可能なこと、次に旧J-lineと同等かそれ以上の画面および機能を実現できること、そして必要なセキュリティー要件を満たしていること、最後にデータベース(DB)サーバーとしてPCサーバーでなくIBM iを利用できることです。
JACi400では特長の一つであるシンプルな操作性により、IBM iで動作するRPGを容易にウェブ化することができます。これにより、既存のRPG資産や開発担当者の経験やスキル、ノウハウなどを有効に活用しながらウェブ対応システムを開発することが可能。例えば、HTMLで作成した画面イメージとRPGで開発したロジックを容易に組み合わせることもできるので、旧J-lineと同等の機能を短期間に実現できました。
さらにJACi400では、SSLによるセキュアーな通信ができることやHTMLソースが表示されないことなどの基本的なセキュリティーはもちろん、IBM iのセッション管理などの機能も搭載されています。中野氏は、「これまでと同様にJ-lineを違和感なく利用できるのはもちろん、さらに自分たちで便利に拡張できることをJ-line再構築で目指しました」と話しています。
導入効果
自社開発と保守の実現で工数とコストを大幅に削減
JACi400の導入効果を中野氏は、「IBM iのRPG資産をそのまま使えるので、これまで外部に委託していたJava開発がなくなり、自社でのシステム開発や保守が可能になりました。これによりJ-lineの開発工数や開発コストを大幅に削減できました」と話しています。
また、従来PCサーバーとIBM iの両方で管理していたデータベースをIBM iに統合できたこともJACi400を導入した効果のひとつでした。旧J-lineは、PCサーバーをベースに構築されていたために、IBM iの夜間バッチ処理で約4時間かけてデータを移行していました。しかしJACi400を導入したことで、IBM iのデータをそのまま利用することができるので、ハードウェア台数を削減することができました。
「IBM iをプラットフォームにしたことで、システムの信頼性はPCサーバーとは比べものにならないくらい向上しています。現状でもDMZ(非武装地帯)にPCサーバーはありますが、PCサーバーの数が減ればリスクもそれだけ削減できます。今後、IBM iを新しくすればさらに高速なパフォーマンスも期待できます」(中野氏)
さらに、オープン系のシステムでは、セッション管理ができないので、顧客コードをキーにして、ログイン時間、IPアドレス、パスワード、アクセスの正否など、基本的なログ情報しか取得することができませんでした。一方、JACi400では、セッション管理が可能なのでジョブ番号を取得できます。
中野氏は、「ジョブ番号を利用すれば、必要なときにジョブ番号でログを抽出することが可能になり、ログアウトの時間なども取得できます。これにより旧J-line以上に利用状況を詳細に把握できるようになったのは想定していなかった導入効果でした」と話します。
また渋谷氏は、「顧客から見ると画面デザインは変更されたものの、提供されるサービスはほぼ同じなので現状では大きなインパクトはないかもしれません。しかし今後、顧客のリクエストに迅速に応えることができるのは大きな効果だと思っています」と話しています。
将来の展望
ほかの社内システムへのJACi400の応用に期待
ジャストでは今後もJACi400を活用することで、J-lineの機能を強化していく計画です。例えば、所有車両や他社リース車両の管理機能、運行管理システム、CSVデータのダウンロード機能強化などが計画されています。また営業支援システムなど、J-line以外の社内システムもJACi400によりウェブ化していく予定です。
今後の期待について中野氏は、「JACi400を導入したことで、既存のRPG資産を生かしながらシステムをウェブ化するための基盤ができたことは意義のあることだと思います。これにより今後ほかのシステムをウェブ化していく開発にとっても大きな効果を期待できます」と話します。
また渋谷氏は、「今回のシステム導入で、すぐに経営的な効果が出てくるわけではありません。しかし、自動車リースにおいてわれわれの強みをいかに引き出していくか、J-lineがいかに顧客の価値になるかは非常に重要です。そのためにはJACi400のようなIT投資が不可欠であることは経営層も理解しており、今後もJACi400の継続的な導入効果に大きな期待を寄せています」と話しています。
お客様情報
神奈川県および東京都の南西部を中心に、自動車リース業、販売業、整備業、損害保険代理業等、自動車に関する総合的なサービス事業を展開。経験豊かなメカニックがメンテナンスに必要な機器を搭載したワゴン車で事業エリアを巡回する、ユニークなサービスも実施しています。
ビジネス・パートナー
1991年の設立当時、株式会社ミガロ.はIBM AS/400(R)のシステム開発を中心として、業務をスタート。IBM AS/400 向けRADツール販売ならびにサポートから、コンサルティング、アプリケーション開発、トレーニング、テクニカルサポートまで、総合的なサービスを提供しています。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBM ロゴ、ibm.com、WebSphere、DB2およびAS/400は、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。
JavaおよびすべてのJava関連の商標およびロゴはSun Microsystems, Inc.の米国およびその他の国における商標。
Microsoft, WindowsはMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれの各社の商標。
