掲載日 2009年10月9日
株式会社損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)は、すべての代理店業務の基点となる代理店向けポータルシステム(以下、Webポータル)を構築し、2009年5月から運用を開始しました。1908年に創業、120年を迎えた日本を代表する大手損保会社の同社では、すべてのサービスプロセスを“お客さま基点”で見つめなおすリテールビジネスモデル革新プロジェクト「PT-R」に取り組んでおり、今回のWebポータル導入は、同プロジェクトにおける損保ジャパンと代理店との関係を強化する、重要な第一歩と位置づけられています。 代理店システムの中核となる「SOMPOJ-NET」の構築をサポートしてきた株式会社日立情報システムズ(以下、日立情報システムズ)が開発を担当し、多くの企業での導入実績を評価してIBMのWebSphere Portalを利用しました。 2009年10月には代理店システムのさらなる機能拡充を予定しており、お客さまへの一段のサービス向上を図るために、代理店とのコミュニケーション強化、代理店の業務効率向上にWebポータルを活用していくことにしています。
目次
お客様ニーズ

株式会社
損害保険ジャパン
原 啓介氏
お客さまへのサービス向上のために、損保ジャパンと代理店とのコミュニケーションを緊密化
損保業界では、1990年代後半から業界再編の動きが活発化し、2002年7月に損保ジャパンが誕生し、2008年度末で正味収入保険料が1兆2,904億円と経営規模を拡大しております。
代理店の仕事は、その間も「保険を販売すること」が中心で変わらないのですが、昔と比べて仕事量が圧倒的に増えているため、各種の代理店システムは、今や代理店業務に欠かせなくなっています。同社では、1980年に業界初の代理店システムを開発し、1991年にオンライン化、1990年代後半にはWebベースのシステムへと進化させ、3万5,000店以上の代理店に保険契約などの業務サポートを提供してきました。
しかし、複雑化、多様化が進む保険商品の最新知識を習得するためのe-ラーニング、損保ジャパンからのメッセージを伝えるための情報掲示板や動画配信など、代理店業務を補完するシステムも増え、「これらのシステムやアプリケーションへの入り口を一元化する業務ポータル、そして個別ユーザーID管理を覆う全体でのシングル・サインオン実現の必要性が出てきたのです」と、損保ジャパンのIT企画部の原 啓介氏は話します。目的に応じてシステムを立ち上げ、それぞれ異なる手順でアクセスし、ユーザーID・パスワードも各々入力するという状況は、代理店ユーザーにとっては負荷が高いものでした。また、日々取り扱う情報量が増える中、代理店に合ったコンテンツを選別し、重要な情報を確実に届ける工夫の必要性にも迫られていました。
2009年10月に損保ジャパンでは、「PT-R」の一環として代理店システムの機能を拡張する予定です。※
これら新機能を代理店が有効に活用し、的確な契約管理を行うためにも、損保ジャパンの営業担当と代理店とのコミュニケーションを緊密化することが必要になっていました。
※代理店システムの機能拡張が2009年10月14日に本番稼動
ソリューション

図1.
Webポータルの
システム構成
利用者である代理店目線のWebポータル、導入実績の豊富なIBM WebSphere Portalを採用
代理店システムの中核となる業務系の保険契約システム「SOMPOJ-NET」の開発・運用を担当している日立情報システムズが、代理店システムの見直しに合わせて、業務系と情報系のシステムを統合する業務ポータルの導入を企画提案し、Webポータルを構築することになりました。
複数の会社と取引のある乗合代理店からすると、取引先毎に操作性が違うWebポータルを用意されても操作性が違うので使いにくいはずです。損保ジャパンとしては、代理店に提供するコンテンツこそが「競争分野」ととらえ、6万5,000社以上の企業での利用実績があるIBMのWebSphere Portalを、日立情報システムズが提供するASPサービスという利用形態で運用することにしました。

図2.
Webポータルの
トップページ
(2009年5月
稼働時)
Webポータルシステムの概要は、以下の通りです。
(1)代理店ユーザーは、SOMPOJ-NET認証あるいは共同ゲートウェイ認証を通り、Webポータルにアクセスします。
(2)Webポータルのトップページには、業務アプリケーション、代理店向け掲示板、ASPサービスなどのコンテンツやリンクが代理店の属性に合わせて集約、表示されます。
(3)代理店の属性を含むユーザー情報を定期的に取り込み、ポータルの認証とコンテンツの表示制御に使用しています。また、ポータルを含め各システムとのシングル・サインオンを実現しています。
Webポータルのトップページにどのような情報やリンクを掲載するのか、情報にたどり着くまで何クリックまで許容されるのかなど、綿密に検討を重ねました。「1年以上かけて緻密()なPDCAサイクルをまわした結果、数多くのユーザビリティーに関するノウハウが溜まりました」と、損保ジャパンのIT企画部課長代理・伊藤正剛氏は話します。
トップページには、SOMPOJ-NETのマイメニューのほかに、代理店への連絡事項、掲示板ニュース、損保ジャパンからのお知らせなどが一覧できるようになり、損保ジャパンとしても、伝えたい情報を前面に「見せる」仕組みができました。サイドバーにはeラーニングなどのメニューを用意し、クリックひとつで起動できるようになっています。
導入効果

株式会社
損害保険ジャパン
伊藤 正剛氏
Webポータルを通じて、情報の“到達力”が大幅に向上
「損保ジャパンが発信するお知らせに対する問い合わせが目に見えて増えたのには驚きましたね」と、伊藤氏はWebポータルの効果をそう実感しています。
損保ジャパンでは、ヘルプデスクにて代理店からの問い合わせを一括で受け付けており、システム操作など毎月何千件もの問い合わせが寄せられています。うち、Webポータルを導入する直前の2カ月間を調べたところ、お知らせに関する問い合わせはわずか月3~5件でした。しかし、Webポータルの導入以降、お知らせの内容に関する問い合わせは、5月に入ると79件、6月は83件と大きく増えており、代理店がWebポータルを通じて情報にしっかりアクセスするようになったことを示しています。
2009年10月から「PT-R」がスタートします。それまでの間に、代理店がWebポータルを基点として行う業務スタイルに慣れることにより、10月からの代理店システムの大幅機能拡張にもスムーズに対応できると、期待されています。
将来の展望
代理店システムの機能拡張に合わせて、進化し続けるポータル画面
Webポータルは、システムの機能拡張や業務の変更などに応じて進化し続けることを目指しています。損保ジャパンでも、代理店システムの機能拡張を実施する10月には、ポータル画面のデザインを変更することにしています。新しいメニューとしてSOMPOJメールの新着メッセージ、ToDoリストを追加します。また、お知らせも、カスタマーセンターやホームページを通じて入った連絡、事故受付、保険支払いなどの重要な情報を追加して、内容の充実を図ることにしています。
今回のWebポータル導入では、主に損保ジャパンと代理店とのコミュニケーションの緊密化に重点を置いて、画面デザインや機能を整えてきました。「将来的には、代理店同士のコミュニケーション機能も、Webポータルに追加することも考えています」(伊藤氏)。
お客様情報
お客様名:
株式会社損害保険ジャパン
所在地:
〒160-8338東京都新宿区西新宿1-26-1
URL:
1888年(明治21年)10月、東京火災保険株式会社として創業。終戦直前の1944年に帝国海上保険株式会社などと合併して安田火災海上保険株式会社が誕生しました。1996年の金融自由化を受けて、1911年創業の日産火災海上保険株式会社と2002年に合併して株式会社損害保険ジャパンと社名を変更し、損保大手3社の一角として自動車保険、火災保険など幅広い事業を展開しています。従業員数は1万7,042人(2009年3月末)。国内には600以上の支店・営業所を配置し、世界29か国93都市の海外拠点を展開しています。
ビジネス・パートナー
企業名:
株式会社日立情報システムズ
所在地:
〒141-8672東京都品川区大崎1-2-1
URL:
株式会社日立情報システムズは、ソリューションベンダーNBC(日本ビジネスコンサルタント)として1959年に創業。翌1960年に日立製作所傘下に入り、1987年に東証2部に上場、1997年に同1部に指定替えしました。従業員数は連結で7,328人(2009年3月末)。2009年3月期の売上高は1,920億円。情報サービス、サーバー管理などの運用に強く、アウトソーシング需要の積極的な開拓に取り組んでいます。
製品・技術情報
ソフトウェア
参考資料
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、ibm.comおよびWebSphereは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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