掲載日 2010年2月24日

株式会社
インフォセンス
株式会社インフォセンス(以下、インフォセンス)は、総合物流企業である山九株式会社(以下、山九)を中心とする山九グループのグループ企業で、グループ各社のシステム開発・運用を担っています。安定した事業基盤を構築するという山九グループの中期目標を実現すべく、2009年、インフォセンスは、TCO(Total Cost of Ownership)の低減を図るため、増え続けてきたサーバーをIBM Power595とIBM BladeCenterJS12に統合しました。
目次
お客様ニーズ

ITインフラソリュー
ション部長
安東 史典 氏
増え続けるサーバー。コスト削減とサービスレベル向上の両立が課題に
インフォセンスが抱えていた課題の一つは、オープン化、ダウンサイジングの波で230台近くまで増え続けたサーバーです。それは保守・運用コストの増大とデータセンターのスペース不足を生んでいました。インフォセンス 第一システムソリューション事業部 ITインフラソリューション部長 安東史典氏は、増え続けるサーバーについて次のように説明します。「これまではプロジェクト単位にサーバーを購入・構築していたため、今の要員では手が回らなくなっていました。また、今のペースでサーバーが増えていくと、1年後にはデータセンターが満杯になってしまうことが予想されました。他のデータセンターへの移設も検討しましたが、それには莫大な費用とリスクが発生することがわかりました」そして、インフォセンスが抱えていたもう一つの課題は、サービスレベル(SLA)の向上でした。「物流のグローバル化などにより、システムの重要性はますます高まっており、24時間365日化など、システムへの要求は高まる一方でした」(安東氏)。
ソリューション

システム概要
ばらばらだったITインフラをAIXを標準とした新システムに移行
TCO削減とSLA向上。この相反する二つの課題を両立するためにインフォセンスが考えたのが、ITインフラの標準化でした。「従来は業務システムごとにセキュリティー機能や高可用性機能といったインフラ構成を検討・調達していたため、信頼性・可用性・拡張性にばらつき
ができていました。また、こうした個別最適化のアプローチでは、どうしても余裕を見たキャパシティー見積もりをしてしまうためオーバースペックになりがちで、資源が有効利用されないという状況を生み出していました」(安東氏)。
インフォセンスは現状システムのインフラ構成を分析し、標準化された五つの「統合アーキテクチャーモデル」を定義しました。その特徴の一つは、DBやバッチにはスケールアップ型、アプリケーション(AP)サーバーとしてはスケールアウト型といったように、機能要件ごとに使い分けを明確にした点にあります。「今後山九グループでのシステムはこの統合アーキテクチャーモデルの上で、個別システムを開発することにしています。そうすることで、迅速な開発・設計と、シンプルな運用・管理を実現でき、ひいては全体のコスト削減につながると考えています」(安東氏)。
続いてインフォセンスでは、統合アーキテクチャーモデルに最適な統合サーバーを選定していきました。その結果、DBサーバーなどのスケールアップ型は2台のPower 595に仮想統合することにしました。2台の物理サーバーは、アクティブ機とスタンバイ機の関係ではなく、複数の仮想サーバーが2台にバランスよく分散され、常に両者が稼働しているアクティブ-アクティブ構成を採用しています。また、スケールアウト型はブレードサーバーJS12で物理統合することにしました。
各サーバーの選定理由について、安東氏はこう語ります。「2000年から取り組んできたダウンサイジングで問題になったのが、ハードウェアとしての信頼性でした。Power 595はメインフレームで培ったゼロダウンのテクノロジーを継承しているというところが最大のポイントでした。もちろん、POWER6のパフォーマンスの高さと、サービス稼働中の保守も可能な先進的な仮想化機能も選定理由の一つです。また、JS12は同様にPOWER6搭載という点に加えて、ブレード型による拡張性の高さと、省スペース、省エネルギー性が採用のポイントでした」
今回の統合によりUNIX系OSはAIXに統一されました。それにより従来ばらばらだったシステム運用手順や知識が統一化され、運用コストの削減が可能となりました。一般的に、アプリケーション移行は工数とリスクが伴うと考えられていますが、その成功のポイントについて、安東氏は「リスクの可視化」にあったと話します。「自社開発アプリケーションへの影響度については、プロトタイプを作って検証を行いました。また、ミドルウェアについても移行先OSにおけるサポート状況を調査し、より綿密な移行計画を立てて本番に臨みました」
導入効果
90分近いバッチ処理が約5分に。ユーザーからの要求にも迅速な対応が可能に
安東氏は、サーバー統合によって資源の有効活用が可能になったと話します。「これまではシステムごとにサーバーが物理的に分かれていたため、それぞれの資源を有効活用できませんでした。今は、システムごとにCPUを割り当てていますが、不足したときには他の余裕があるところから移したり、夜間バッチ処理のためにCPUを配置したり、柔軟に対応できます。自分たちの運用の考え方で、システムや資源を有効活用できるようになりました。この点はサーバー統合によるメリットだと思います」ある夜間バッチ処理では、それまで90分近くかかっていた処理時間が約5分で処理ができるようになり、これまでよりもオンライン時間を延ばせるようになるなど、新システムに統合した効果が出ています。
また、サーバー統合によって本番機で起こる障害についても迅速な原因分析ができるようになると期待しています。「これまで本番機と同等サーバーを検証機として購入することは、予算面から困難でした。そのため、本番機で起こっている障害を検証機で再現できないといった問題がありました。今回のサーバー統合によって、本番と同じ物理サーバーの上で検証機を構築できるようになったため、本番機で起こった障害もすぐに再現できるようになると期待しています」(安東氏)。
エンドユーザーである山九 IT企画部 石澤剛氏も、「まだ移行が完全には完了していないため、統合効果を完全には享受できていませんが、急なシステム開発やスケールアウトの要望に対しても、ブレードのAPサーバーを追加するだけで対応でき、開発サイドや顧客から、いい評価を得る事ができています」と評価しています。
将来の展望
Linuxも順次Power Systems上へ移行予定。ストレージ仮想化技術でさらなる効率化を追及
今回の統合は、保有する220~230台のサーバーのうち、優先度の高い50数台が対象となりました。安東氏は、今後の展開について次のように話します。「POWER6採用により、処理が格段に速くなるという結果が出ましたので、今後、他のシステムでも同様の速さで処理できればよいと期待しています。」現在IAサーバー上で稼働しているLinuxサーバーについても、信頼性の高いIBM Power Systems上のLinuxへ順次移行していく計画です。
また、ストレージについても課題を感じていると安東氏は話します。「今回一部ストレージの物理統合を実施しましたが、その他にも多数ストレージが存在しています。今後、ストレージ仮想化技術を活用して、有効活用を図っていきたいと考えています」
TCO削減とSLA向上という二つの課題の両立を目指し、インフォセンスでは今後も将来を見据えたインフラ最適化の取り組みを継続していく予定です。
お客様情報
お客様名:
株式会社インフォセンス
所在地:
〒812-0039福岡県福岡市博多区冷泉町2-1博多祇園M-SQUARE
URL:
「人を大切に」を基本理念とし、社名の由来でもある「ありがとう」の心を持ち続ける山九グループ企業として1989年4月に設立された株式会社インフォセンスは、ITビジネスソリューションサービス事業、システムインテグレーションサービス事業とともに、ネットワークやハードウェア基盤、System Life Cycle(SLC)を提供するITインフラソリューション事業を展開しています。
製品・技術情報
ハードウェア
参考資料
- お客様導入事例 株式会社インフォセンス(1MB)この事例のPDFがダウンロードできます。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、AIX、BladeCenter、Power、POWER6、およびPower Systemsは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
LinuxはLinus Torvaldsの米国およびその他の国における商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれの各社の商標。