掲載日 2010年5月19日

株式会社HARP
受付北海道内の市町村はじめ全国の電子自治体に必要なアプリケーションの提供とシステム運営をサポートする株式会社HARP(以下、HARP)は、地方自治体ごとに行うソフトウェア改修での確認作業の時間をIBM Rational Functional Testerによって大幅に削減しました。同社は、この削減によって生れた時間や資源を新たなサービス提供へのステップアップに利用しようと考えています。
目次
お客様ニーズ

プロジェクト推進部
マネージャー
高橋 潤 氏
手間がかかり繰り返し行う単純テストが問題
HARPが提供する「電子申請」「施設予約」「電子調達」の三つの行政サービスは、業務モジュール層と共通サービスモジュール層を独自のEnterprise Service Bus(ESB)層で接続するHARP 1.0と、要求に応じてサービスのコンポーネントを動的に切り替えるHARP 2.0という二つのアーキテクチャーによって開発、運用しています。しかし、実際にサービスを提供するときには、提供先である各地方自治体の要望に合わせて、表示内容を修正したり、機能を取捨選択したりしなければなりません。サービスはマルチテナントで提供するため、サービスの提供までには、すでに他の自治体向けに行ったリグレッション・テストを繰り返し行わなければなりませんでした。HARP プロジェクト推進部でマネージャーを務める高橋潤氏は、このようなテストでの問題を次のように話します。「サービス提供のための改修ごとに、ローカル、開発、テスト、本番の四つの環境すべてで同じようなテストを行います。単純で機械的に行える部分も数多くありますが、すべてを手作業で行っていたため、テストを終えるまでに長い時間がかかっていました」
HARP プロジェクト推進部で統括マネージャーを務める新真千恵氏もこの問題を次のように話します。「すべての画面を確認するなど、テスト自体は簡単なものです。しかし、多くの期間や時間がかかります。網羅的なテストを毎日、毎回行わなければなりませんでした。どうしても人手を費やしてやらなければならない部分もありますが、誰にでもできるような作業が大半を占めていました」 HARPでは、単純で手間のかかる作業をすべて手作業で行っていたため、入力ミスや見落としなどへの対応に頭を悩ませていました。また、テスト作業自体の手間に加えて、テストのための初期データ作成も手間のかかるものでした。「初期データはテストを行うために必要です。しかし、初期データを作るために設定しなければならない項目がかなり多く、時間がかかっていました」(高橋氏)。
ソリューション

採用のポイント
簡単に使い勝手よく作業できる点を評価
サービス提供までに発生する入力ミスや見落としなどの問題を解決するため、HARPはいくつかのテストツール製品を検討しました。その一つがIBM Rational Functional Testerでした。まず、HARPは、自動テストを期待している画面で、XML形式で構成されている申請書入力画面が、正しく解析されて読み込めるかを確認しました。「IBM Rational Functional TesterがXMLファイルを解析できることは知っていました。ただし、テストに用いたXMLファイルは、2メガバイトあり、構造が複雑で大きなサイズでしたので、処理を終えることが難しいかと思っていました。ところが、何ら事前準備なしに、時間はかかりましたが異常終了することなく解読して、期待している検証テストを自動で実行しました」(新氏)。このようなXMLファイルの解読処理以外にも、HARPが考えていたいくつかの要求をIBM Rational Functional Testerはすべて満たしていました。
高橋氏は、選定の理由を次のように話します。「試してみた製品のうちIBM Rational Functional Testerが一番扱いやすかったです。開発環境でEclipseを使っているのですが、検証テストの実行指示にもJava言語を使えたので、簡単に操作できました。」また、新氏も、次のように評価します。「複数のウィンドウ間での連携処理も簡単にできました。他の製品でも注意深く設定すれば同様の処理ができるかもしれませんが、IBM Rational Functional Testerはとても簡単でした。この製品にまかせれば大丈夫だと感じました」
導入効果

プロジェクト推進部
統括マネージャー
新 真千恵 氏
テストに必要な“資源”を65%近く削減
HARPでは、IBM Rational Functional Testerの導入によって、それまで苦慮していた入力ミスや見落としがなくなりました。「最初にテストスクリプトを作ることで、すべてをチェックできるようになります。単純なテストを自動化することで、手作業で行う必要がなくなり、ミスがなくなりました。また、それまでテストに費やしていた時間を他の作業に振り替えられるようにもなりました。テスト作業の部分を自動化したことで品質を確保できた点もよかったです」(新氏)。
Webブラウザーへの表示検証に関しても、一つのテストをそれぞれのバージョンで繰り返すだけでそれぞれの問題を確認できるようになりました。新氏は、IBM Rational Functional Testerで改善できる範囲を次のように概算します。「改修の規模にもよりますが、3名で2週間近くかかる大規模なテストの3割にあたる単純テストの作業が自動化できると感じています。また、残り7割の機能テストの内、半分程度を占める、利用者登録画面でのログインID取得といった共通な部分もIBM Rational Functional Testerによる処理に置き換えられると思っています」つまり、HARPが行っているテストのうちの65%近くがIBM Rational Functional Testerによって自動化できます。これによって、それまで3名が2週間近くかかっていたテスト作業も、3分の1程度の期間や人員で終えられるようになります。
テストのための初期データ作成でも、IBM Rational Functional Testerが役立っています。「チェックポイントごとに確認するリグレッションのためのテスト以外にも、実際にデータを作って処理を進めるときにもIBM Rational Functional Testerを使っています。これまでは、データ作成のために、主に画面操作で行い10~15分かかっていました。この部分をIBM Rational Functional Testerに置き換えて、スクリプトを保存しておくことで、必要なときにいろいろなパターンのデータを簡単に作ることができます。テストに関連したデータが必要になったときに、スクリプトを実行するだけで簡単に作成できるので、ちょっとした修正後の確認などにも役立っています」(高橋氏)。
HARP 常務取締役で企画営業部長を務める金川泰之氏は、IBM Rational Functional Testerの導入効果を次のように話します。「開発など、さまざまな部分で精度を高めていく必要があります。精度を上げることで、手戻りをなくし時間を短縮できます。このために、IBM Rational Functional Testerは最良のツールであると認識しています」
将来の展望

常務取締役
企画営業部長
金川 泰之 氏
SaaSでのサービス提供でも活用
今後、HARPは、電子申請、施設予約、電子調達の三つのサービスに加えて、より多くのサービスを提供していこうと考えています。そのうちの一つであるバックオフィス系(基幹系)サービスでは、仮想化やクラウド・コンピューティングなどの技術を盛り込み、HARP 3.0という新たな基盤を用意して、サービスの提供方法を Software as a Service(以下、SaaS)に変えていこうと考えています。このような将来の展開でもIBM Rational Functional Testerが重要な位置にあることを、新氏は次のように話します。「SaaSでは、マルチテナント型になり、要望に応じてすぐにサービスを提供することになります。しかし、そのときにも、テナントごとにサービス内容の手直しが必要であり、これまでと同様のテストが発生します。この部分をIBM Rational Functional Testerを使って上手に吸収し、テストの効率化を図ってサービスリリースのタイミングを早めたいと考えています」
※本記事中の肩書は取材当時(2010年2月25日)のものです。
お客様情報
お客様名:
株式会社HARP
所在地:
〒060-0001北海道札幌市中央区北1条西6丁目1-2アーバンネット札幌ビル3階
URL:
株式会社HARPは、「Harmonized Applications Relational Platform(HARP)構想」を実現するため、2004年9月に設立された第三セクターの事業体です。現在、同社は、北海道電子自治体共同運営協議会(HARP協議会)の意向を踏まえ、電子自治体に必要となる各種システムの構築や運用と、事業推進を通じた地域IT産業の振興を目的に活動しています。
製品・技術情報
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 株式会社HARP(614KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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