掲載日 2010年7月22日
トッパン エムアンドアイ株式会社(以降TMI)は、IBM製品の販売および当製品をプラット・フォームとするシステム基盤構築と、アプリケーション・パッケージを活用したトータル・ソリューションを提供しています。「お客様のベストパートナー」として、インフラ構築から戦略システムの設計・構築、ヘルプデスクにいたるシステム全般にわたる総合的なソリューションを体系化した「最適化ソリューション」をご提供しています。
今回、TMI社はIBMの「クラウド事業戦略立案コンサルティング」を採用し、クラウド・ビジネスへの参入を決定しました。2010年4月には、「先進サービス・クラウド推進本部」を新設し、プライベート・クラウド構築サービスの提供を開始し、今後クラウド関連のサービスを順次拡充していく予定です。
目次
お客様ニーズ
新たな成長の柱としてクラウド・ビジネスへの参入を検討
TMI社は、「お客様のベストパートナー」として、主力のインフラ構築ビジネスを核にシステム・インテグレーションをはじめとしたサービスビジネスを積極的に展開しています。システム・インテグレーションの経験により、クラウド・コンピューティングの重要性をいち早く察知し、クラウド・ビジネスへの参入に早くから関心を持っていました。
また、お客様やパートナー企業から「TMI社はクラウド・コンピューティングにどのように取り組んでいくのか。」という期待感から、TMI社はコアコンピテンシーや付加価値を強化するとともに新たなビジネスモデルと、より相乗効果をあげた形で、お客様に新しい価値をご提供したいと考えていました。
ソリューション

トッパン エムアンド
アイ株式会社
代表取締役社長
山本 哲男 氏
クラウド・ビジネスを成功させるための3つのポイント
クラウド・サービスの事業化を検討するにあたり、TMI社代表取締役社長・山本哲男氏は、3つのキーポイントがあったと語ります。
「クラウド・コンピューティングの可能性にはIT業界関係者の多くが着目しています。ただし、事業として取り組む以上は、成功の見極めが必要です。そのため事業参入の意思決定に際しては3つの前提事項を設定し、これらに対する明確な解を求めました。
まず、第1は「収益性」です。クラウド・サービスに事業参入した場合、どのくらい収益をあげられるのか。ビジネスとして成り立つのかは、当然重要なポイントになります。
第2は「参入時期」です。クラウド・サービス事業に参入するべきタイミングはいつなのか。本当に今着手すべきなのか。将来的によりよいタイミングが他にあるのか見極める必要がありました。
そして、第3は「提供するサービスの優先順位」です。クラウドにはいくつかのサービスがありますが、どのサービスを提供することが、我々の既存の資源や知識、これまでの経験を最大限にいかしお客様に価値をご提供できるのか。
このようなキーポイントを私たちは検討し、確証を持った上で参入する必要がありました。」
このように山本社長の方針を受け、「収益性」、「参入時期」、「優先順位」の3点について、クラウド・サービス事業への取り組みをTMI社として意思決定するための判断材料を提示し、経営意思決定に整合したロードマップをあわせて提示する、という目的でIBM戦略コンサルティング・チーム参画のもと検討プロジェクトが始動しました。
導入効果

クラウド・サー
ビスのビジネ
スケース図
クラウド・ビジネス参入に向けてのロードマップとアクション
TMI社のマネジメントとIBM戦略コンサルティング・チームは、共同で検討作業に着手しました。
クラウド・サービスのビジネスケースを作成し、シミュレーション結果に基づいて、収益性・参入時期・優先順位を判断しました。
サービスごとにビジネスケースの作成を行い、ビジネスターゲットや必要コストのモデル作成を行い、定量的な検討を行うことで、事業参入判断の根拠について前提を含めて明確に提示しました。あわせて、収益性の観点では、既存事業への影響も重要です。この点についても検討を実施しました。
参入時期については、クラウド・サービスをいつまでに軌道にのせる必要があるのか、そのためにいつから事業参入が必要なのか、という観点で参入時期の考察を行いました。2010年4月期から速やかに参入した場合、および翌年に延期した場合とシミュレーションを重ね、収益の影響を議論しました。
収益シミュレーションの結果に基づいて、クラウド・サービスの優先順位とロードマップを作成しました。TMI社の技術力や実績を最大限に生かし、お客様により高いビジネス価値を提供できるサービス内容やその実現性について優先度の評価を行いました。優先順位に基づき、クラウド・サービスのロードマップを作成し、それを実現するためのアクションプランの提言をしました。「TMI社の風土を理解してくれた上で、形式だけではなく社員が頭の中にあった内容を具体的なアクションとして徹底的に明確にしてくれました。」と山本社長は語ります。「クラウド・サービスのために必要となるケイパビリティを現状どの程度保持しているのか」という現状評価を、知識・組織・プロセス・技術力の観点で実施し、目指すべき姿とのギャップ分析を行った上で、対応すべきアクションを知識・組織・プロセス・技術力の観点で提示しました。「知識」を例にとってみると、必要なスキル獲得に向けた社員育成の計画立案などです。
こうした作業を具体化していく中で、TMI社ではクラウド・サービスに、今、事業参入すべきである、という確信を持つようになりました。
クラウドについては海外ではすでに市場が立ち上がっており、新規事業への参入にあたり、海外の状況を参考にし、クラウド市場の特性を把握することは有益です。「海外の先行事例や市場予測データをベースにした国内市場規模の算定やTMI社が対象とすべき顧客層の判別をIBMのグローバル規模でのノウハウを生かし、提示したことには大きな価値がありました。」と山本社長は語ります。
TMI社では、検討成果をうけ、2010年4月1日付けで「先進サービス・クラウド推進本部」の立上げを決定しました。クラウド事業を推進するうえで必要な役割を定義し、その役割にもとづく新組織デザインの提言を行いました。どのような内容をどのタイミングで経営層に報告すべきか、具体的に示しました。
一連のコンサルティング活動を経て、検討チームは山本社長が提示した3つの明確にすべき前提事項に明確な解を導きました。社長および全役員から構成されるステアリング・コミッティに検討結果を報告し、TMI社はクラウド事業への参入を意思決定しました。
将来の展望
お客様の経営変革を実現するITシステムのご提供を目指して
TMI社はIBM戦略コンサルティングを活用のうえで本格的なクラウド事業参入を決定しましたが、2009年の12月の具体的な検討開始から延べ4カ月、実質的に検討したのはわずか2カ月間です。TMI社では、これだけ短い検討期間で、事業参入を決定できたということは、大きなメリットであると考えています。
戦略策定、ビジネスモデルの具体化、ビジネスケースの試算、ロードマップの作成、アクションプランの立案を行い、さらに対象となる顧客層を含めて提案を行いました。ロードマップでは、事業参入までの短期の活動に加えて、参入後のサービス強化にむけた中長期での取組みにも言及しました。
山本社長はこう語ります。「IBMの戦略コンサルタントとの一連の議論を経て、当社の検討メンバーはクラウド事業参入の重要性を経営視点から理解し、さらにはその成功に確固たる自信を持つに至りました。事業を推進するのは人であり、検討に参画した社員一人ひとりが事業参入に先立ち意欲に満ちた動機づけを得たことは極めて大きな成果です。コンサルタントは私が提示した3つの明確にすべき前提事項への解に加えて、この点においても当社に期待を上回る貢献をしてくれました。」
TMI社は、日本初、IBM の技術者認定である Dynamic Infrastructure Technical Leader(上級)資格を取得するなど、確かな技術力を継続的に維持することを目標にかかげ、従来から仮想化技術に深い知見をもち、豊富なサービス実績を有します。今回のクラウド事業参入の意思決定は、従来の取組みに新たな活動と価値を加え、それを本格的に拡大しサービスをご提供する方策を示しています。
TMI社にとって、お客様に対する価値の実現手段の一つとしてクラウドがあります。クラウドは目的ではなく、あくまでも有益な手段の一つです。「お客様のベストパートナー」として、ビジネス戦略に整合したITの提供する、それがTMI社の描くビジョンです。
お客様情報
お客様名:
トッパン エムアンドアイ株式会社
所在地:
〒161-0033東京都新宿区下落合1-5-22
URL:
IBM製品販売および当製品をプラット・フォームとするシステム開発と、アプリケーション・パッケージを活用したトータル・ソリューションの提供。
(トータル・ソリューション構築に関するコンサルテーション、ハードウェア・ソフトウェア・パッケージの導入および構築支援サービス、ネットワーク構築支援サービス、アプリケーション・システムの開発および導入・移行サービス、システム導入後の保守・問い合わせ対応サービス、システム運用サービス)
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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