掲載日 2011年3月23日

カルチュア・
コンビニエンス・
クラブ株式会社現代は顧客が見えない時代といわれています。ポイント・カードなどを発行し、顧客の買い物行動をデータ化して多角的に分析し、「顧客が見える」、「顧客の動きが分かる」成果を得ることが試みられていますが、さまざまな要因からこれらの施策に挑戦してきた企業が必ずしも満足のいく結果を得ているとは限りません。
そのような状況の中で、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)は自社のTSUTAYAレンタル会員証から発展した「Tカード」によるポイントプログラムを多様な業界の数多くのアライアンス企業と協業することで大きく発展させています。他の追随を許さない莫大なデータを獲得、それらをさまざまな角度でIBM SPSS Modeler(以下、SPSS Modeler)を使って分析しながら、各アライアンス企業へビジネスの意思決定に大きく影響する施策を提案しています。
目次
お客様ニーズ
アライアンス企業との協業によるTカードによって、高い世帯普及率と多様な事業分野でのマーケティング・データの収集を実現
TSUTAYAで有名なCCCは主要事業をリコメンド事業、アライアンス・コンサルティング事業、ネット事業、そしてTSUTAYA事業の4つとしており、「世界一の企画会社」を自社のビジョンとして掲げています。
優れた企画にはユニークな発想ももちろん必要ですが、説得力のある正確なデータも欠かせません。CCCは主要事業としてデータ解析と密接な関係のあるリコメンド事業、アライアンス・コンサルティング事業などを挙げており、データ活用のプロフェッショナル集団であるといえます。
CCCは2004年にTSUTAYAのレンタル会員証を各店舗共通のものに統合し、同時に他の企業とのアライアンスを進めていきました。こうしてTカードとして生まれ変わったカードには共通ポイントが蓄積され、そのポイントを利用して買い物などができるようになりました。2010年10月末時点で会員数は3624万人。71社のアライアンス企業が参加、店舗数の合計は約35069店舗(2010年10月末時点)となっています。
アライアンス企業は今後も増えていくとのことですが、CCCでは「Tライフドミナント」と称し、食事から住居、保険、理美容、旅行、自動車など生活の全てのシーンにアライアンス企業があり、Tポイントをためて活用することができる状態を目指しています。
Tカードは他のポイント・カードを圧倒的に上回る利用件数を誇ります。流通系、鉄道系のポイント付きカードは発行枚数こそTカードと肩を並べていますが、月間利用件数は約1億4000万件と他社の平均と比べて圧倒的にTカードが上回っています。また、母体となるTSUTAYAのレンタル会員証は本人確認済みの質の高いデータを有しています。ここも正確な顧客分析には欠かせない要素と言えるでしょう。
ソリューション

アライアンス・
コンサルティング
事業本部
アライアンス・
コンサルティング
研究所
コンサルティング
第1チーム 研究員
曲沼 宏美 氏
SPSS Modelerを活用し、各アライアンス企業に知見を活かしたマーケティング施策を提案
「アライアンス企業様の多くは当社が持っている、精度の高い会員情報に魅力を感じていらっしゃるようです。Tカードのような共通ポイント・カードは汎用的価値が高く、特定の企業内で閉じられたポイント・カードに比べてサービスの価値レベルの維持、そしてポイントコストの圧縮などでも優位性があります」
そう語るのはCCCアライアンス・コンサルティング事業本部 アライアンス・コンサルティング研究所 コンサルティング第1チーム 研究員の曲沼宏美氏です。曲沼氏はTカードの持つ強みを生かしながら、各種の分析を実行し、意思決定に確実に影響する知見の提供、施策の提案を続けています。
データの分析には、インターフェースの使いやすさ、データ分析担当者の間での情報共有のしやすさなどの利点から多くのマーケティング部門で導入されているSPSS Modeler が活用されています。
質、量ともに優れた母集団を持つTカードですが、それだけであっと驚くような結果が出てくるわけではない、と曲沼氏は話します。
「基本的にわれわれのセクションはアライアンス企業様からの依頼を受けてデータ分析をするわけでも、マーケティング支援をするわけでもありません。依頼の有無を問わず常にアライアンス企業様がどういうマーケティング施策をすればよりビジネスを発展させることができるのか、分析を続けています。大量のデータをツールを使って分析すれば何かすばらしい結果が出て、すぐに業績向上に結び付くプランが作れると誤解されがちですが、そうではありません。アライアンス企業様には、主体的にどういう切り口の分析が必要なのか、その結果を得てどういうマーケティング施策をしたいのかということをわれわれと一緒に考えていただくようにお話しています」
導入効果
データをどう活用するかは、常に念頭に入れておく
「顧客が見える」というのは、曲沼氏によれば、今まで見えなかった利益に最も貢献してくれる顧客層の発見といったことだと言います。購買金額が大きく店頭での滞在時間も長い顧客層がいれば、当然その層が利益に最も貢献してくれるはずだと考えがちです。しかしポイント・カードでのデータを分析すると、粗利での貢献度は別の層の方が高いということが分かるケースもあるのです。前者の顧客層を中年男性、後者の顧客層を中年女性だとすると、その店舗は根本的に戦略を変更する必要があります。こうしたケースは、分析から得られた知見が企業の具体的なマーケティング施策に大きく影響する好例といえるでしょう。
「もちろん、このような明確な結果が出ることはめったにありません。ここで注意していただきたいのは、データ分析によって顧客の姿がはっきり見えるということなのです。店舗での雰囲気、あるいは単純な日々の売上を見ていても分からなかった事実が明らかになるということですね。そこには売上で見た顧客層別のデータに加えて、粗利で見た場合はどうか、という発想が必要なのです」(曲沼氏)
こうした発想は、常にポイント・カードのデータ分析に携わっている曲沼氏たちコンサルティング・チームだけではなく、「顧客の本当の姿が見えていないのではないか」という疑問を抱き、見えるようにするためには何が必要かということを突き詰めるアライアンス企業の担当者の存在が欠かせません。
「顧客の動きが分かる」という側面で、2つの別の期間での顧客のサービスなどに対する利用状況を見るという切り口があります。Aという期間での利用状況とBという期間での利用状況を重ねて見てみると、A期間とB期間で同じ人が利用していることは少ないという傾向があるそうです。
「企業側は意外と一度利用してくれたお客様は期間をずらしてもサービスなどを利用してくれると考えていることが多いようです。しかし実際には、期間がずれると離反して別のサービスを利用したり、同様のサービスを別の企業で受けたりするのです。こうした離反行動の分析を通して何が問題なのかが見えてくることがあります」(曲沼氏)
曲沼氏によると、ここで注意しなくてはならないのが、離反する顧客の状況は分かったけれども、その状況を示すデータの活用目的を明確にしなくては次に打つべきアクションが見えてこないということです。
「離反する人もさまざまな属性を持っています。性別、年齢などさまざまなセグメントで考えることができます。離反者の動きを知りたい場合はそれぞれ別のセグメントで分析をし、得られた情報を重ねて見てみるという地道な作業が必要です。結果を焦らず、使う尺度を変えて情報を見ていくことで、データ活用の目的がより明確になっていくことがあります」(曲沼氏)
将来の展望
本当に役立つマーケティング支援を支えるツール
曲沼氏のセクションでは、アライアンス企業同士の親和性を分析するケースもあります。Aという企業と併用して使うことが多い企業をクロス集計してはじき出すことがまず考えられます。
しかし、単純に集計してしまうと店舗数の多い企業同士、利用頻度の多い企業同士が親和性が高い、という当たり前の結論しか出てきません。異なる角度から分析する視点が必要となります。
「ある期間にA社を利用した人、というだけではなく、店舗数や利用件数が少なめのアライアンス企業様との組み合わせで併用パターンを分析していくと、親和性の高さが際立つパターンを発見できることがあります。もちろんボリュームを確保するという意味で母数の多い企業同士の協業プランを考えるケースもあるでしょうが、親和性が際立つ企業同士では、共同販促計画などを立てる場合でもより具体的にデータを深掘りしていき、ユニークな施策を打ち出していくこともできます」(曲沼氏)
試行錯誤の分析作業に、CCCではSPSS Modelerが使われてきました。コンサルティング・チームはマーケティング、データ分析などの専門家が多く、独自にプログラムを書いて分析を行うことはあまりありません。そんなスタッフが自分の手足のように活用していきたいツールとして、プログラミングの不
要なSPSS Modelerは高い評価を得ているとのことです。
「作業を複数のメンバーで行うとき、分析フローを共有したり、他のスタッフに引き継ぐ必要があります。そんなときも、SPSS Modelerは画面上にアイコンを並べて分析フローを作り上げるので、視覚的に分かりやすく、簡単に作業を継続させることができます。マーケティング色の強いマイニングツールと呼べばいいのでしょうか。データベース・サーバーから必要なデータを抜き出す、という手順も該当するアイコンをフロー画面に置き、プロパティを開いて設定をするだけです。大量のデータを高速に処理するという点でも、申し分のないパフォーマンスを見せてくれています」(曲沼氏)
地道な試行錯誤の連続は、大量のデータからいかに有用な情報を取り出すかという目的のためにあります。母集団をどう取るか、どのような変数が必要かといったことを考えながら分析作業は続けられます。そのような試行錯誤の作業にもSPSS Modelerは適しているといいます。
曲沼氏のセクションで分析によって得られた実効性の高い施策の提案は、Tカード事業の発展に寄与していき、それがライフスタイル提案というCCCの根幹となる事業コンセプトを明確なものにしていきます。SPSS ModelerはCCCが提供する本当に役立つマーケティング支援を支えるITツールなのです。
お客様情報
お客様名:
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
所在地:
〒150-0022東京都渋谷区恵比寿南3-5-7恵比寿アイマークゲート6階
URL:
1983年3月に大阪府枚方市にレコード・ビデオレンタルや書店を複合したTSUTAYA 1号店「蔦屋書店 枚方駅前店」をオープンした。その後フランチャイズ展開により全国に店舗数を拡大してきたが、事業の拡大はTSUTAYA事業にとどまらず、Tポイント関連事業、コンテンツ・メディア関連事業など多岐にわたっている。また既存のCD、DVDレンタル事業もオンライン化させ、消費者の多様なニーズに対応してきた。各事業分野のさまざまなデータベースを基盤としたマーケティングによって、消費者にライフスタイルを提案していく「世界一の企画会社」を目指している。
製品・技術情報
IBM Business Analytics について
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ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(803KB )この事例のPDFがダウンロードできます。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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