掲載日 2011年3月25日

株式会社
テレマーケティング
ジャパン株式会社テレマーケティング ジャパン(以下、TMJ)は、1992年に株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の「進研ゼミ」のインハウス・コールセンターが分社独立し設立されました。現在の売上規模は220億円超、社員約900名、オペレータ約7,000人を擁しています。
TMJは、金融、通信、メーカー、公共など幅広い業種業態、約250社のクライアント企業にコンタクトセンターやバックオフィスなどのアウトソーシングサービスを提供しています。コンタクトセンター事業の業務内容は、クライアント企業の顧客からの問合せなどを受け付ける「インバウンド」が8割、顧客に電話をかけて、商品やサービスをお勧めしたり、法人営業のアポイントを事前に電話で取り付けたりする「アウトバウンド」が2割という構成となっています。
また、TMJではデータの分析・運用・評価・改善を行う組織を、支援する推進部門と現場であるコンタクトセンター部門にそれぞれ配置し、データマイニングの「戦術的応用」に力を入れています。
お客様ニーズ

代表取締役社長
林 純一 氏
競争力を高めるために分析プロセスを全社で標準化
ベネッセ出身のTMJ代表取締役社長の林 純一氏は、ベネッセに最初にSPSSを導入した人物。ベネッセ在籍時は、進研ゼミの顧客データベースや、ダイレクトメールの反応率などの分析を手がけてきました。当時の分析ソフトは多変量の解析が行えず、変数1対1での単相関係数を複数の統計式で算出できるのみで、深い分析を行うためには、この制約の中でデータをあれこれいじる必要があり、時間がいくらあっても足りなかったといいます。
「私がSPSSを使い始めたのは90年頃ですが、初期のSPSSはまだグラフィカルなものではなく、表計算的な操作画面でした。最近のものと比べると、お世辞にも使い勝手がよかったとはいえませんが、データをさまざまな角度から見て、試行錯誤するのにとても適していて、膨大なデータベースを持つ企業にとって、こんな面白いツールはないと感動しました。」(林氏)
その後、出向先のベネッセグループの企業においてもデータ分析をビジネスに活用してきた林氏は、2008年にTMJに副社長として着任。コンタクトセンター事業の柱のひとつである「アウトバウンド」の競争力を高めるために、着任と同時に分析の専門部署を設置しました。同部署のメンバー4名は、いずれも分析業務の経験者でしたが、使用するソフトウェアや分析手法は各自バラバラで、手作業も多く発生していました。分析を活用して「アウトバウンド」の競争力を高めるためには、まずは分析ソフトウェアを統一し、分析フローや手法を標準化することが不可欠でした。
ソリューション

競争力開発室
辻 良紀 氏
予測モデル構築に活用される IBM SPSS Modeler
コンタクトセンターの現場では、日常的に“こんなデータを入れてみたらどうなるか、こう解析したらどうなるか”といった試行錯誤を繰り返しながら業務を行っています。分析ソフトウェアの導入にあたり、こうした現場でのやり方を尊重しつつ、成果と効率を高めるという目的に即して検討した結果、当時使用していた複数の分析ソフトウェアの中から、データマイニングワークベンチIBM® SPSS® Modeler(以下、SPSS Modeler)を標準として統一することに決定しました。ユーザー・インターフェースがフレンドリーで、扱いやすく、誰にでも使いやすいということが決め手でした。
実際の分析業務を担当している競争力開発室の辻 良紀氏によれば、現在は主に、SPSS Modelerを用いて「予測モデル」を構築・運用しています。具体的には、アウトバウンドのターゲット顧客の購買確率について、スコアリングを行うための「反応予測モデル」の開発に利用しています。![]()
データマイニングの「戦術的応用」とは?
データマイニングには、「戦略的応用」と「戦術的応用」の2種類があると、林氏は語ります。まず、「戦略的応用」とは、事業計画設計において、市場全体のセグメントを行い、最も重要なビジネスターゲットを選別すること、一方、TMJが力を入れている「戦術的応用」とは、日常的なオペレーションにおいて、コールセンターのオペレータとターゲット顧客とのコンタクトの最適化を目的としたものです。具体的には、アウトバウンドコールに対するターゲット顧客の反応度合い(製品購入など)を統計的に予測し、最も効果的な顧客接触の手法・内容を選択することといいます。林氏によれば、「当社の取り組みは、‘オペレーション発想’のデータマイニングです。コンタクトポイント(顧客接点)で実行可能なことを日々改善し続けるために、データマイニングを活用しています。」(林氏)
導入効果
購買確率と接続率によるセグメンテーション
顧客獲得系のアウトバウンド業務において、クライアントから渡されるターゲット顧客リストには、一定割合で購入してくれる人が存在しています。従来は、発信を行った結果から、そうした購入につながる属性を見つけて戦術に落とし、日々その精度を高めていました。しかし、SPSS Modelerを活用したデータマイニングによって、購入してくれる人が誰かを予め予測・可視化し、彼らに確実にコンタクトして、購入意思決定を促すことができるようになり、より効率的な発信が可能になりました。
「ただし、買う可能性が高い人を確実に抽出すると考えるよりも、どんなにお勧めしても購入する見込みのない、購買確率ゼロのリストを確実に捨てると考えるほうが、オペレーションの実務上は効率の良い方法だと言えます。」と林氏は語ります。
また、アウトバウンドの場合、電話をかけた時にどのくらいの確率で出てくれるか、という「接続率」も重要であるといいます。(接続率は、アウトバウンド時に、相手がどの程度在宅しているかに左右される)そこで、TMJでは、購買確率を横軸に、接続率を縦軸に取ったマトリックスでターゲット顧客をセグメントしています。
林氏によれば、一般的なアウトバウンドの現状として、このようなセグメントに基づくリソース(設備やオペレータ)の最適配分を行うことは珍しいといいます。例えば、購買確率が高いが、接続率が低い場合、本来はかける回数を増やすべきなのに、なかなかつながらないためにあきらめてしまいがちです。逆に、購買確率が低いのに接続率が高い場合、早めに切り上げたほうが良いにも関わらず、なまじ電話がつながりやすいため、なんとか成約に持ち込もうと努力をしてしまいます。
ただ、現実には、前述したセグメントに基づいてリソースの最適配分を行おうとすると、ほとんど電話をかけないターゲット顧客層も発生してしまうため、従来の架電手法に慣れているクライアントにとっては抵抗感があるといいます。
しかし、実際にデータマイニングによるターゲット顧客のセグメントに基づいて、購買確率・接続率の高いターゲットには熟練のオペレータを配置して取りこぼしを防ぎ、また、購買確率が低いターゲット客に対するコール数を減らし、一方で、購買確率が高いが接続率があまり高くないターゲットにはコール数を増やすといった最適配分を行った結果、セグメント別の対応をしないコントロールグループの平均成約率が0.9%であったのに対し、同1.5%へと向上しました。すなわち、従来のアプローチと比較して1.7倍の成果をもたらしたケースも出てきたと語ります。
将来の展望
人材の採用や育成に応用
最近は、人材の採用・育成にもデータマイニングを応用しているというTMJ。クライアント企業から評価されているTMJの高いサービス品質の背景には、データ分析を軸とする科学的なアプローチがあるのです。
お客様情報
1992年4月に設立。「コンタクトを科学する」というコンセプトのもと、クライアント企業の経営課題に応えるコンタクトセンターの設計、オペレータの採用・教育、マネジメントの仕組み構築から、生産性や応対品質を高めるための研究・開発、現場が主導する業務プロセスの改善活動、さらにはデータマイニングを活用したオペレーションの効率化、成果向上、顧客の声の分析まで、再現性の高い科学的アプローチで広く効果的に展開し、クライアントの事業成長に貢献しています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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