掲載日 2011年4月28日

トラストパーク株式
会社 受付業務の遂行部門からの要望に応じてシステムを構築し、事業規模の拡大や業務内容の変化に応じてそれを作り直していく。このサイクルを多くの企業が繰り返しています。駐車場の企画・運営・管理業務、警備業を行うトラストパーク株式会社(以下、トラストパーク)も、各部門からの要望に応じてシステムを構築してきました。しかし、事業規模が拡大するにつれてさまざまな場所に情報が散在するようになっていました。そこでトラストパークでは、パートナーの日本ビジネスコンピューター株式会社(以下、JBCC)や株式会社ソルネット(以下、ソルネット)の協力を得、IBM WebSphere® Enterprise Service Busを使ったSOA(サービス指向アーキテクチャー)基盤上に情報を一元化し、業務内容の変化に柔軟に対応できるシステムを構築。今後の事業拡大に備えたスピードと正確さを手にすることができました。
目次
お客様ニーズ

トラストパーク株式
会社 常務取締役
矢羽田 弘 氏
拡大する事業規模に追従できるシステムを
営業や経理などの部門がそれぞれの業務に合わせてシステムを構築していく。これは、多くの企業で見られるシステムの導入や展開のパターンです。しかし、各部門の要望や要求に応じて部分最適化したシステム開発は、事業規模が拡大したときに全社的な要望や要求には応えられなくなる懸念があります。駐車場ビジネスを中心に展開するトラストパークの常務取締役 矢羽田弘氏も、事業規模の拡大と既存システムとのギャップに不安を抱いていました。「これまで構築したシステムは、事業規模が小さかったときのアプリケーションばかりでした。それぞれの部門は、自分のところで行っていることを楽にしたり、自分たちの担当部分を何とかしたいと思ったりしてシステムを構築してきました」
部門や業務ごとにシステムを開発し運用してきたことで、データの整合性や一貫性にも問題が生じていました。トラストパーク ネットワーク本部で次長を務める城戸将輝氏は次のように話します。「同じデータであるはずなのに、部門間で微妙な違いが生じていることがありました。例えば、ある部門のデータは更新されているが、別の部門のデータは更新されていないなどです。また、ある情報に関してはこの人のデータが正しく、別の情報に関してはあの人のデータが正しいという状況もありました。いろいろなところにあるデータを集めてきて、恐らくこれが最新版だろうということで業務を進めていました。これは非常に問題でしたし、効率も良くありませんでした」
このようなシステムに関する悩みを抱えていたトラストパークは、「POS(Point Of Sales: 販売時点情報管理)レジ」の課題解決をきっかけに取引を始め、その後もさまざまなシステムの導入で協力を得てきたJBCCに相談しました。JBCC 西日本事業部 第二営業本部 西部SI部 ソリューション開発の鶴俊治氏は、トラストパークが抱える課題に3つのポイントがあると考えました。その1つは、業務とシステムの乖離(かいり)です。「事業規模が大きくなっていますし、業態自体も変化しています。システムを構築したときには十分に要求に対応できていたのでしょうが、効率化を推し進めている現状では、システムが業務に付いて来ていないことにもどかしさを感じていらっしゃいました」(鶴氏)。2番目と3番目のポイントについては、「個別に開発したシステムが業務の要求と合わなくなってきたため、システム自体の再構築が必要ではないかと考えられていました。また、単独で運用しているシステム同士をうまく連携して、業務の効率向上をより進めたいとも考えられていました」と鶴氏は話します。このようなトラストパークが抱える課題に対して鶴氏は、業務に合わせてシステムをもう一度作り直すのではなく、SOAの概念や手法を取り入れ、環境の変化に柔軟に対応できるシステムにすべきだと考えました。
ソリューション

日本ビジネスコン
ピューター株式
会社 西日本事業部
第二営業本部
西部SI部
ソリューション開発
鶴 俊治 氏
駐車場情報を集約することで業務効率の大幅な向上を目指す
トラストパークは、SOAを取り入れたときの全体像をとらえるため、JBCCを交えてCustomer Planning Session(以下、CPS)を実施しました。矢羽田氏や城戸氏をはじめとして支店長レベルや部課長レベルのメンバー7、8人が休日に集まり、どの業務の効率向上を目指せばトラストパークの目標を達成できるかを数回にわたって話し合いました。CPSの開催を提案した鶴氏は、そのときに感じていた必要性を次のように話します。「矢羽田氏や他の担当の方からは個々に話を聞いていました。いろいろな立場やセクションの方が話される内容は、それぞれの視点に立ったものでした。JBCCが協力するために、トラストパーク全体でどのようにしたいのかを理解したかったですし、社員の方々が他の方の意見を知っていらっしゃるのかという点も気になりました。『会社の経営』という視点でそれぞれの方の意見を1つにまとめる場を設ければ、そこで面白い話し合いができると思いました」
CPSによって、トラストパークはSOAを取り入れ、効果を得られる領域を見つけ出しました。その第一段階が、駐車場運営を担当する部門が持つ情報を誰もが利用できるようにし、運営担当部門の業務負荷を軽減することでした。トラストパークでは、運営担当部門の店舗マネージャーによって駐車場が地域ごとに管理され、店舗(駐車場)に関する情報は店舗マネージャーのもとに集められます。他の部門のメンバーが駐車場情報を知りたいときには、店舗マネージャーに聞かなければ業務が進まなかったり、両者の意思の疎通がうまくいっていなかったこともありました。そこで、トラストパークではすべての駐車場情報を集約して利用しやすい形で提供することにより、必要な人が必要なときに必要な情報を入手できるシステムを構築。これにより業務の効率が大きく向上すると期待されています。そして、駐車場管理のためのPOSシステムや業務管理システムを統合するために導入したIBM iに区画を設け、IBM WebSphere Enterprise Service Busで構築されたSOA基盤上で、この駐車場情報の集約化が行われました。
導入効果

トラストパーク株式
会社
ネットワーク本部
次長
城戸 将輝 氏
構築したものは堅牢なハードウェアでのSOA基盤と社内組織内の共通基盤
駐車場情報を集約するためにトラストパークがSOA基盤上に構築したシステムは、稼働を開始したばかりですが、運営担当部門に対する問合せ件数は70%削減、回答時間は50%の短縮が見込まれています。これは業務効率の大幅な改善と駐車場オーナー様へのサービスレベル向上につながり、SOAの有効性を実感できる効果となっています。「今後のITシステムは、このような形になっていくと思います。これまでのようなさまざまなアプリケーションを直接連携する方法では、あるアプリケーションを変更したときに、連携している他のアプリケーションにも手を加えなければなりません。しかし、SOAでは、必要な部分を作り替えるだけで課題を解決できます。このような形が理想的ですし、こうあるべきだと思います」(城戸氏)。
また、IBM i上にIBM WebSphere Enterprise Service BusによるSOA基盤を構築したことのメリットを鶴氏は次のように話します。「動作/内部の設定に関しては、通常使われるPCサーバーのものと変わりません。ソルネットの豊富なESB( Enterprise Service Bus)構築スキルをそのまま生かすことができました。 ただし、ハードウェア自体の信頼性が違います。SOA基盤をIBM i上に構築することで、サーバー二重化などの障害対策が不要になり、サーバー台数の増加も抑えることができます」
さらに、SOAを取り入れたときの全体像を共有するために行ったCPSが、トラストパーク全社員の共通意識を再認識する場にもなりました。「社員みんなが集まり、会社として本当にどうすべきかを初めて話し合いました。これまで、システムに関して社員全員で話し合う場を設けたことがありませんでした。CPS以降、みんなが他の部門が行っていることに興味を持ち、こうやったほうがよいのではないかという意見が多数出るようになりました。ITシステムに限らず、部門間の横のつながりが生まれ、社内の風通しがよくなりました」(矢羽田氏)。実際にトラストパーク社内で行われたシステムの説明会には、興味を持って社員が多数参加し、ITシステムをもっと活用すべきだという活発な意見が出ました。「必要な情報をその場で取り出せる方法が手元にできたことが何よりもうれしいのだと思います。CPSとSOAにより、ビジネス(業務)とIT(システム)の整合性を図る道筋が得られ、業務最適化に向けてITを有効活用する社内の共通認識を確立することができました」(矢羽田氏)。
将来の展望
業務プロセスをSOA基盤によって「見える化」
駐車場情報の集約化というテーマでSOA基盤上での情報の一元管理を実現し始めたトラストパークは、全社の効率向上を目指しています。矢羽田氏は次のように話します。「どのようにスピードとサービスの質を上げていくかが重要です。同じサービスであればスピードが速いほうがよいわけです。そのためには効率を上げていかなければなりません。今回構築したシステムがその第一段階です。他の部門でもいろいろなことを始めています。今後はSOA基盤を通して、業務プロセスの『見える化』を推進していきたいと思っています」
さらに、トラストパークは、外部へのサービス提供やサービスの連携も考えています。「駐車場オーナーの方々にIDを発行することで、駐車場の売上をオーナー自らが確認できるようにしたり、ロイコ式リライトカードで管理している利用ポイントも、インターネット経由で確認できたり、他社のサービスポイントと交換できるようにしたいと思います。SOAによって、このようなビジネスの発想が大きく広がっているのは確かです」(矢羽田氏)。
お客様情報
お客様名:
トラストパーク株式会社
所在地:
〒812-0018福岡県福岡市博多区住吉4-3-2 博多エイトビル3階
URL:
1993年に設立されたトラストパーク株式会社は、共存共栄型ビジネスモデルによって、駐車場の利用者、周辺の店舗や施設、オーナーといった駐車場に関係するすべての人たちのメリットを創り出しています。また、同社は、仕事を通じて全従業員の人間性を高め、物心両面の幸福を追求するとともに、地域社会の発展に貢献したいと考えています。
ビジネス・パートナー
企業名:
日本ビジネスコンピューター株式会社
所在地:
〒144-8721東京都大田区蒲田5-37-1ニッセイアロマスクエア15階
URL:
日本ビジネスコンピューター株式会社は、1964年の創業から40年以上にわたり、製造業、流通業、サービス業を中心にさまざまな業種や業態/エリアのお客様にソリューションを提供しています。同社は、お客様第一、プロとしての価値実現、スピードと実行を基本にし、お客様満足度向上のために努力し続けています
企業名:
株式会社ソルネット
所在地:
〒805-0019福岡県北九州市八幡東区中央2-8-13
URL:
株式会社ソルネットは、九州地方や中国地方を中心に、コンサルティングやシステム構築といったソリューションと、システム運用管理やデータエントリーなどのサービスを提供しています。同社は、サービス品質の向上を図り、社員一人ひとりがお客様の成功への貢献を目指しています。
製品・技術情報
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 トラストパーク株式会社(983KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、 IBMロゴ、ibm.com、およびWebSphereは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。