掲載日 2011年7月6日

株式会社紀陽銀行
外観

株式会社紀陽銀行
事務システム部
副部長
大西 徹 氏
情報系システムの高度化に先立ち、ストレージ環境の刷新に着手
和歌山県和歌山市に本店を置く株式会社 紀陽銀行(以下、紀陽銀行)は、大阪府でも積極的にビジネスを展開しています。複数のエリアで本格的な営業活動を行っている同行は、地方銀行としてはユニークな存在だといえます。近年の景気後退期にも着実に成長を続け、2011年第3四半期の経常利益も前年同期を超える数字を達成。和歌山県内の貸出残高シェアは46%に達しています。
この紀陽銀行がIT分野で現在進めているのが、IBM Storwize V7000を活用したストレージの仮想化統合です。
「今後も成長を続けるには、紀陽銀行としての独自性を出しながら、膨大な情報を積極的に活用し、より価値の高いサービスを提供していくためのビジネス展開が必要です」と事務システム部 副部長の大西 徹氏は言います。「そのためには情報系システムの高度化が求められますが、私たち地方銀行にとって過大なIT投資を行うことは困難です」と説明します。
紀陽銀行ではIT投資を最適化するため、2009年度から勘定系システムのオープン化・共同化に着手。2009年度.2011年度の中期経営計画では、このシステムの安定稼働が重要課題に挙げられていました。「2012年度から始まる中期経営計画では、情報系システムの高度化が重要テーマになる予定です。現時点で100種類を超えるこれらのシステムを効率的に高度化していくには、システム・インフラの見直しが不可欠で
す」(大西氏)。
そのために2010年9月から実施されたのが、IBMのComponent Infrastructure Roadmap(CIR)でした。これは中長期にわたってITインフラストラクチャーをどのように進化させ、IT課題を実現するかというロードマップを策定するためのIBM独自の手法です。ここでビジネス課題を定義した上でIT課題を導き出し、今後取り組むべきフォーカス・エリアを明確化していったのです。その結果、重要テーマの1つとして抽出されたのが、ストレージ環境の再検討でした。
「これまでの情報系システムはサブシステム単位に構築が進められたため、同じようなデータベースが散在しています」と紀陽情報システム株式会社 経営管理本部 経営企画部 担当部長の冷水 史和氏は言います。「これはリソースの利用効率の低下だけではなく、データ修正が必要なときの作業負担も増大させていました。情報系システムの効率的な高度化を行うには、まず仮想化技術を活用したストレージ統合を行う必要があると判断したのです」(冷水氏)。
目次
お客様ニーズ

紀陽情報システム
株式会社
経営管理本部
経営企画部
担当部長
冷水 史和 氏
仮想化統合に求められた4つの要件をすべて満たすためにStorwize V7000を採用
ストレージの仮想化統合を進めていくにあたり、紀陽銀行では採用するストレージ製品に対し大きく4つの要件を掲げました。
第一は大容量ストレージをサポートしていることです。これはストレージ統合を進めていく上で必須条件だといえます。
第二は既存のストレージも有効活用できることです。すべてのストレージ製品をリプレースするプランでは、過大なIT投資に結びついてしまいます。
第三はストレージの追加や増設が容易なことです。増設のたびに、アプリケーションを停止してデータ配置の再設計を行うことは効率的ではありません。特に情報系システムの高度化を行った場合には、現時点では存在しないアプリケーションが追加されるケースも考えられるため、ストレージ容量がどの程度必要になるのか、長期的に予測することは簡単ではありません。このためストレージ容量を柔軟に拡張できることが求められます。
そして第四がサブシステム間でストレージ容量を融通できることです。例えば、あるシステムでディスク利用率が20%で比較的余裕があったとしても、別のシステムのディスク利用率が90%近くになってしまうと、ストレージは増設せざるを得ません。サブシステム間でストレージを融通できることも投資効率を最大化する上で欠かせない要件でした。
これらすべての要件を満たしたストレージ製品としてIBMが提案し、紀陽銀行に採用されたのがIBM Storwize V7000です。「IBMはユーザーの立場に立った提案活動をしてくれました。IBM Storwize V7000も、私どもが考える仮想化ストレージ統合に最適なものだと評価しています」(冷水氏)。
ソリューション

株式会社紀陽銀行
事務システム部
システム担当
副主査
華岡 雲平 氏
第一ステップとして映像システムに導入。データ容量変動への柔軟な対応を実現
この仮想化ストレージ統合の第一ステップとして実施されているのが、映像システムの刷新です。このシステムは本支店やATMブースなどの防犯カメラの映像を集約・管理するためのものであり、これまでもデジタル化された映像データをハードディスクに保存するDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)システムが利用されていました。
このシステムの導入当初は、約1カ月分のデータをディスク上に格納し、それ以上古いデータはLTO(テープ・ドライブ)にアーカイブする仕組みになっていました。しかしここ数年の間にカメラ台数が増えたことと、ディスク増設が容易ではなかったことから、現在ではディスク格納可能な期間が約15日分に半減し、余裕のない状態になっていました。この問題を解決するため、IBMは沖電気と共同でIBM Storwize V7000を活用した新システムを提案。2011年4月から導入を開始し、同年秋ころまでに旧システムからのリプレースを完了させる予定になっています。
「合計15TBの容量を確保したことで、1カ月分以上のデータをディスク上に保存できるようになりました」と事務システム部 システム担当 副主査の華岡 雲平氏は言います。比較的頻繁に利用する1カ月以内の映像ならLTOからローディングする必要がないため、映像データ活用に必要な時間や手間が削減されるはずだといいます。
しかしメリットはそれだけにとどまりません。「IBM Storwize V7000はディスク増設も容易なので、今後カメラ数が増えても柔軟に対応できます。また保管すべき映像データが減少した場合には、映像システムに割り当てるストレージ容量を削減することも可能です」(華岡氏)。
導入効果

株式会社紀陽銀行
事務システム部
システム担当
上野 祐嗣 氏
アプリ改変を行うことなく基盤強化が可能。マルチ・ベンダー製品対応も大きなメリット
映像システムへの適用から始まったIBM Storwize V7000の導入ですが、他のシステムに展開したときの効果にも大きな期待が寄せられています。
「IBM Storwize V7000は各システムとストレージ・エリアとのマッピングが容易なので、既存システムのアプリケーションに影響を与えることなくストレージ基盤を強化できます。アプリケーションの改変には大きなコストがかかるため、この点は極めて大きなメリットです」と華岡氏は言います。
また「既存のストレージもIBM Storwize V7000に接続することで、ストレージ・プールの一部として活用できます」と事務システム部システム担当の上野祐嗣氏は語ります。「マルチ・ベンダーのストレージ製品と接続可能なのは大きなメリットです。過去のIT投資を無駄にすることなく、ストレージ統合を実現できるのです。このようなストレージ・ソリューションは、他に見たことがありません」(上野氏)。
ストレージの自動階層化を実現する「Easy Tier」機能を活用すれば、 SSD(ソリッド・ステイト・ドライブ)ディスクを組み合わせて、情報のライフサイクルに合わせた最適なストレージ配分も可能になります。アクセス頻度が高いものはSSDに格納し、アクセス頻度が低くなった時点でディスクに移行するといったことが、自動的に行われるからです。「高速なディスクや安価なディスク、既存ディスクなど、さまざまなタイプのディスクを仮想化統合することで、柔軟で効率的な、適材適所なデータ配置ができるはずです」と冷水氏は言います。
さらにディスク増設などの運用管理も、使いやすい管理画面で簡単に実施可能です。これによって運用管理コストの抑制や、新たなサービスをこれまで以上にスピーディーに展開することも可能になると考えられています。
将来の展望
次はDWHのディスク拡張への適用を検討。将来はストレージ全体のプール化も視野に
次のステップではDWHアプリケーションのディスク拡張に、IBM Storwize V7000を活用することが検討されています。現状では追加できるディスク容量に限度があり、近い将来にはディスク装置全体の刷新が必要になると考えられていました。しかしここにIBM Storwize V7000を導入して既存ディスクと組み合わせれば、過去の投資を有効活用しながら容量拡張に対応できます。将来は行内のストレージ全体を、仮想化統合によってプール化していくことも視野に入っています。
「すでにIT投資のうち、情報系が占める割合は7割を超えています」と大西氏。IBM Storwize V7000の導入によって、この部分を効率的に高度化するための布石を打つことができたといいます。「今後はこの基盤の上で情報系システムの高度化を推進し、金融業としてのサービス内容をさらに拡充させていきたいと考えています」。
お客様の声
株式会社 紀陽銀行 事務システム部 副部長 大西 徹氏
「すでにIT投資のうち情報系が占める割合は7割を超えています。IBM Storwize V7000の導入によって、これを効率的に高度化するための布石を打つことができました」
紀陽情報システム株式会社 経営管理本部 経営企画部 担当部長 冷水 史和氏
「IBMはユーザーの立場に立った提案活動をしてくれました。IBM Storwize V7000も私どもが考える仮想化ストレージ統合に最適なものだと評価しています」
株式会社 紀陽銀行 事務システム部 システム担当 副主査 華岡 雲平氏
「IBM Storwize V7000は各システムとストレージ・エリアとのマッピングが容易なので、既存システムのアプリケーションに影響を与えることなくストレージ基盤を強化できます」
株式会社 紀陽銀行 事務システム部 システム担当 上野 祐嗣氏
「マルチ・ベンダーのストレージ製品と接続可能なのは大きなメリットです。このようなストレージ・ソリューションは、他に見たことがありません」
お客様情報
お客様名:
株式会社紀陽銀行
所在地:
〒640-8656和歌山県和歌山市本町1-35
URL:
1895年設立。和歌山県に本店を置く県内で唯一の地方銀行であり、地域社会に密着した営業活動を展開しています。設立以来1世紀以上にわたって「より多くの地域の人々に貢献すること」を目指し、大阪府や奈良県、東京都にも支店・出張所を出店。親身できめ細かいサービスを提供し続けています。
製品・技術情報
ハードウェア
参考資料
- お客様導入事例 株式会社紀陽銀行(1.52MB)この事例のPDFがダウンロードできます。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、Easy Tier、およびStorwizeは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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