掲載日 2011年8月25日
健康保険に未加入、または一部にしか加入していないという患者は増えています。しかし、そのような患者を拒否するという選択肢がないというジレンマに、全国の病院は直面しています。その結果として、「自己負担」と分類される患者がますます増え、病院側はさらに回収作業や予算不足などの問題に取り組まなくてはなりません。「保険未加入や一部加入の患者増加は、医療をむしばむ大きな問題の1つです」とDeloitte LLPの調査員は最近の研究において指摘しています。「この問題は医療を受けることや病院の任務遂行能力に影響するだけでなく、病院が利益を保護し、門戸を開け放っておけるかかにも影響します」
この患者の区分をより良く理解して対応する取り組みとして、多くの病院はMedeAnalyticsの「Self-Pay Analytics(自己負担分析)」ソリューションを利用しています。膨大な数の自己負担患者を診察する病院は、IBM SPSS予測分析ソフトウェアをベースとするこのソリューションによって、患者の支払行動を測定して予測し、回収不能によるリスクを減らし、回収率を向上できます。
目次
お客様ニーズ
自己負担患者から治療費をより効率的に回収する方法
多くの病院は、「まず治療し、後から支払請求」という慣習に従って運営されています。これは倫理的には適正な方法ですが、財務的には必ずしもそうとは言えません。ある研究によると、医療機関で回収不能として損金処理される残高のうち、治療サービスに対する支払いを完済するのは自己負担患者の約15%のみとされています。回収処理そのものが、何時間もかけて電話をかけたり文書を送付することが必要なため、時間がかかり、コストが高くつくことがあります。多くの場合、病院は外部の回収代行機関にこの処理の支援を依頼しますが、これはコストがかかります。
MedeAnalyticsは、この自己負担患者問題に取り組むためのより優れた方法を提供しています。数あるサービスの中で、この医療業績分析を行う企業は、統計モデルを開発しています。これは、病院がどの自己負担患者が支払いをする可能性が高いかを優先順位付けし、全体のうち回収率が高い区分の患者を対象に回収の取り組みを絞り込むようにできるものです。「回収担当者の生産性を最大限に高めるために、病院に返済する可能性が高い患者のリストを渡し、支払う可能性が低い患者はリストの最後に記載しました」とDavid Mould博士は述べています。博士はMedeAnalyticsの予測分析の学者であり、米国全体の100を超える病院で使用されている自己負担患者モデルの主任開発者です。
Mould博士はIBM SPSS Modelerを利用してもモデルの構築と実行をしています。この予測モデルでは、支払行動に一般的に影響を与える20以上の可変要素を分析します。この要素には、入院に至った状況(待機的であったかまたは緊急搬送されたか)、治療や手術のタイプ、患者の収入や個人情報などがあります。「行われた手術からも多くのことが分かります」とMould博士は言います。「例えば、待機的に手術を受けた患者からは、回収できる可能性は高くなります」。一方、緊急治療室に担ぎ込まれたような場合では、支払いの可能性は極めて低くなります。「これらのケースについては、私たちは回収代行機関に依頼するよう病院に伝え、病院では回収を試みないように助言します」とMould博士は付け加えます。
ソリューション
詳細な患者プロファイル
Mould博士はモデルの正確性を向上させるために、過去1年以上を遡る入院記録と治療記録を利用して、病院の患者グループの詳細なプロファイルを作成します。標準的な履歴ファイルには、8万もの入院記録に関する情報が含まれます(ただしデータ・セットに患者名が含められることは決してありません)。Mould博士は「リフト値」を向上させるために、モデル内の変数とアルゴリズムを定期的に調整します。この「リフト値」は患者のランダム抽出と比較して、そのモデルの優先順位リストの予測成功度の指標となります。
MedeAnalyticsが提供するソリューションを用いて、回収担当者と財務管理者は、どの自己負担患者が回収できる可能性が高いか、どの患者は慈善治療に法的に適格であるか、および財務相談担当への問い合わせと回収代行機関への直接依頼のどちらが最善かを識別できます。「私たちのモデルを使用すれば、回収担当者は、電話をかけたり文書を送付するだけで、支払いに応じてくれる可能性が高い患者を相手にすることができます」とMould博士は述べます。結果として、病院は回収率と収益を向上し、患者の支援に関連したコストを抑制できます。
導入効果
フロリダ病院における予測分析の活用
例として、フロリダで高く評価されているある民間の非営利保健ネットワークでは、主に自衛策を講じるために、MedeAnalyticsのソリューションを採用しました。この病院は、その地域ネットワークの施設で年間200万を超える人々を治療していますが、回収不能の損金処理と、自己負担患者グループからの低い回収率に苦闘してきました。16名の回収担当者は、情報をまったく持たない状態で活動し、多くの時間を支払い能力がない、またはその気がない患者からの回収作業に費やしていました。同時に、慈善治療に法的に適合する患者も特定しておらず、病院の回収不能対象に加えていました。結果として財務的に不安定になり、長期的な存続が危ぶまれるようになり、回収スタッフの士気も徐々に低下していきました。
同病院は、その回収プロセスを改善することで治療費を取り戻し、返送されてしまう封書や代行費用などの無駄な出費を削減することにしました。既にMedeAnalyticsの統計、財務、および運営分析ツールを使用しており、それらの結果は良好でしたが、MedeAnalyticsはそのアプリケーションに「Self-Pay Analytics(自己負担分析)」ソリューションを追加することを勧めました。
将来の展望
コスト削減への取り組み
病院がこのソリューションを利用開始する前に、Mould博士はフロリダ病院向けに調整したモデルを設計する必要がありました。「私たちはこれを、都市部の病院、地方の病院、一般病院、総合病院などの、それぞれの病院の種別毎に調整したモデルを使って構築しています」とMould博士は説明します。ごく短時間の作業で、MedeAnalyticsはカスタマイズしたモデルを作成し、それをすべての収益循環や回収担当者、および財務カウンセラーに配布してきました。
その回収の取り組みに優先順位付けを行い、重点的に対応することで、同病院は多くのメリットを手にしました。特に、回収不能の損金処理を30%減らし、自己負担患者からの回収率を12%向上させ、郵便物の不達については1カ月あたり27万ドルを削減し、Medicaid(低所得者向けの医療費補助制度)の払い戻し金を1カ月あたり10万ドル増やし、回収代行費用は1カ月あたり25,000ドル削減できました。さらに現場の回収スタッフを50%削減できました。
「『Self-Pay Analytics(自己負担分析)』は、今日の病院が直面する最も危機的な問題に対応します」と、病院の収益管理担当副院長は述べています。「MedeAnalyticsを利用することで、私たちは分析を活用して、収益循環のさらに早い段階に、より少ない内部リソースで、自己負担患者の治療費を多く回収できるようになりました」
Mould博士は、自社でその「Self-Pay Analytics (自己負担分析)」ソリューションを迅速に開発できたことを、IBM SPSS Modelerのおかげであると言います。モデル作成者にとっての大きな利点の1つは、モデル作成をスピーディーに行えるドラッグ・アンド・ドロップ機能です。「他のソフトウェアを使用すると、モデルの構築に3ヶ月から6ヶ月かかってしまいます」と博士は言います。
お客様の声
「IBM SPSS Modelerを使用すると、これを1週間かからずに構築できます。これにより当社は料金を低く抑えることができ、モデルを量産するという観点からはさらに生産的になります。この分野では、本当に重要なことです」
―MedeAnalytics Predictive Analytics Scientist David Mould 博士
お客様情報
お客様名:
MedeAnalytics
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1994年に設立されたMedeAnalyticsは、オンデマンドの分析と顧客サービスで医療保健機関の医療、財務、および運営の業績改善を支援しています。MedeAnalyticsは、病院や医療保健機関に対して、収益循環、患者アクセス、臨床操作、スタッフの生産性、規制順守、財務と会計、および企業業績管理に対応するソリューションを提供します。医療費支払者に対しては、プロバイダー・ネットワーク管理、医療管理および運営のためのソリューションを提供します。MedeAnalyticsは、ホスティングされるSoftware-as-a-Service(SaaS)モデルを使用して、ビジネス・インテリジェンスを800を超える医療保健機関に提供しています。このモデルは先行投資コストを削減し、迅速な実装と成果達成までの大幅な時間短縮を実現できます。
製品・技術情報
IBM Business Analytics について
IBM Business Analyticsソフトウェアは、意思決定者が信頼できる情報 ― 正確で一貫性のある包括的な情報 ― を提供することで、ビジネスの業績改善をサポートします。ビジネス・インテリジェンス、高度な分析、財務実績と戦略管理、および分析アプリケーションからなる包括的なポートフォリオは、現状の業績に関し、ビジネスアクションにつなげることのできる明確で即時性の高いインサイトをもたらし、将来の結果を予測する能力を提供します。
豊富な業界ソリューション、実績ある手法、プロフェッショナルサービスを組み合わせることによって、さまざまな規模の組織で高い水準のIT生産性を実現し、より大きな成果をもたらすことを可能にします。
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 MedeAnalytics(455KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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