掲載日 2011年9月12日
朝食のロールパンの消費量は、コペンハーゲンではとても低く、少なくともデンマーク全体のロールパン消費量の全国平均と比較するとかなり低めです。一方、西側の南ユランの住人は、ロールパンに関して強いこだわりがあります。コペンハーゲンの人は、Medister(デンマークのごちそうである、豚のミンチ肉の太くてスパイシーな腸詰めソーセージ)となると、同じように好みがうるさいですが、フュン島の人々はそれほどではありません。
これらを含む食品関連の統計は、FDB(日用消費財を扱うデンマーク最大の小売業者の協同組合)が最近立ち上げた、インタラクティブで興味深い「Food-O-meter」から入手できるようになりました。「mad-O-meter ( mad はデンマーク語で「Food(食品)」の意味)」では、テーマを選択し、地図上の各地域をクリックすると、関連する棒グラフや折れ線グラフが表示されます。FDBは既にIBM SPSS Statisticsを使用していましたが、規則性のあるデータに整えるツールとして IBM SPSS Text Analytics for Surveysを活用することにしました。
FDBにはデータが大量にありました。過去1年半の間、FDBは毎日、国内各地の143名の人にその日に食べたものについて尋ねてきました。回答者は情報を、2つの異なる形式で提供します。1つは自由回答形式のE-メールであり、「スクランブル・エッグとベーコン、牛乳、コーヒーを朝食に食べました」といったものです。もう1つはそれぞれの食事に含まれている食材の詳細なリストです。「mad-O-meter」は、これまでFDBが蓄積してきた膨大なデータ・セットのほんの一部を示しているに過ぎません。
目次
お客様ニーズ
IBM SPSS Text Analytics for Surveys が支援
個々の飲食についての様々な選択肢があると、従来の「当てはまるものに印を付けてください」という形式の質問表は電話帳のような厚さになり、誰も記入しなくなります。FDB AnalysisのリーダーであるLars Aarup氏はこの理由からも、自由回答形式の回答の処理にSPSS Text Analytics for Surveysのような強力なプログラムを利用できることを喜んでいます。Aarup氏自身が設計した調査方法と、調査・コンサルティング企業に属するYouGov Zapera氏により提供されたサンプリングおよび重みづけサービスを使
用して、FDB Analysisは既に30万食を超える食事に関するデータを収集しました。
当初、Aarup氏とそのチームは、これらすべてのデータをデスクトップの表計算ツールとデータベース・ツールで管理しようと考えていました。その後、Aarup氏の同僚の1人がIBM SPSS Text Analytics for Surveysが自由回答形式のテキスト変数と固有の
IDを扱えることに注目しました。IBM SPSS Text Analytics for Surveysにより、すべての自由回答形式の回答を効率的に分類し、テキスト分析の結果を他の定量化可能なデータと統合できるようになり、これは彼らにとって完璧なソリューションでした。
「このプログラムを使用することで、テキスト形式の回答を一言一句読まなくても、大量の非構造調査データを定量的データに変換できます」とAarup氏は述べます。
「このプログラムは処理を自動化すると同時に、結果を絞り込むために手動で設定することも可能です。例えば、私たちはプログラムを子音のみを取り出すように改良を加えましたが、それによりデンマーク語の原形での抽出ができたので、分類は一層簡単になりました。1年で扱う回答はおよそ52,000件ですが、IBM SPSS Text Analytics for Surveysなしではこの作業は処理できなかったでしょう。」
このソフトウェアは、自由回答形式の調査回答につきものの多様な変則的表記を効率的に処理できます。デンマーク語で「Egg(タマゴ)」は正しくは「æg」とつづられますが、「agg」および「aeg」もE-メールでは頻繁に使われます。「魚」と言えば、サバ、マグロ、ウナギなどを意味し、その他も挙げていくときりがありません。IBM SPSS Text Analytics for Surveysで適切な規則を適用することで、すべての品目を正しいカテゴリーにきちんと分類できるようになりました。Aarup氏はこう述べています。「非常に多数の品目と、つづりの誤りもあります。私たちのプロジェクトが成功したのは、自由回答形式の質問の処理にIBM SPSS Text Analytics for Surveysの能力を活用できたことに他なりません。」
ソリューション
知識の価値
FDB は非営利組織であり、約170万人の支持者(デンマークの人口のほぼ3分の1)がいます。この組織は800の小売店と広告事業の収益を上げることに加え、長期展望に基づく教育および健康意識向上キャンペーンを後援しています。FDBの豊富な飲食データは、その後者の領域で特に価値があることを実証できると考えられています。実際、Aarup氏は現在デンマーク内の各研究機関を訪ねて、健康統計データに関連して実施可能な共同プロジェクトを討議しており、パイロット・プロジェクトが進行中です。
これは、FDBの調査結果には商業的な価値がないというわけではありません。Aarup氏は最近、Coop(FDBが所有する大規模小売複合企業)と、デンマークの有名なビール会社であるCarlsbergからアプローチを受けました。ワールド・カップの決勝戦が近づ
くにつれて、CoopとCarlsbergはビール消費が劇的に増加することを予期し、店舗の商品棚に陳列する最適な商品は何であるかを検討しました。サッカー・ファンはCarlsberg製の冷えたビールを飲む際に何を食べるのでしょうか。FDB Analysisが出した結論は、「ポテトチップス、ピーナッツ、ポップコーン、プレッツェル、および塩味の豚皮チップス」というものでした。ビールとスナック類を隣り合わせに陳列することは、かごいっぱいに買い物をしてもらうためのよい方法になります。
その他、興味深い洞察が、FDBの消費データと、特定の食品品目の関連売上高データとを結び付けることで引き出されました。売上高データのみを見ると、南ユランの住人については、コカ・コーラや他の炭酸飲料の消費量が著しく少ないという結論になります。しかしFDB Analysisのおかげで、真相が明らかになりました。隣国ドイツでは砂糖にかかる税金がデンマークよりはるかに低いため、倹約家のデンマーク人たちは高果糖の飲料を国境を越えて買い出しに行っていたのでした。南ユランでは実際には、デンマーク内の他のどの地域よりも多くの炭酸飲料(正確には平均を約8%上回る)が飲まれています。
導入効果
データの活用
FDBの食料消費分析の商業的および公益的サービスの価値はまだ十分に活用されていませんが、高い潜在性があります。FDB傘下のRepublica A/S(デンマークの週刊広告チラシの主力発行業者)は、この情報を用いて、Coopの店舗でさらに効果的な広告
を作成できるようになりました。国内の公立学校向けに作成された教材は、より健康的な食品の選択を奨励しており、究極的には国民の健康を向上させることができます。店舗の品揃えと顧客満足度を、Coop小売チェーン全体で向上させることができました。
Aarup氏は既にFDBで進められている食品消費研究における次のステップに期待しており、IBM SPSS Decision Treesモジュールも購入しました。「重回帰分析を使用することで、すべてのデータを入力し、さまざまな品目がどのように相互に関連しているかを明確に描くことができます」と氏は述べます。
将来の展望
「コーヒーの消費を取り上げてみましょう。なぜ人はコーヒーを欲するのでしょうか。何らかの人口統計学的要因が働いているのでしょうか。分類木と決定木を作成することで、この商品によってグループを特定したり、グループ間の関連を発見したり、将来の事象を予測したりする能力を向上させることができます」。Aarup氏はさらに、この商品によって直感的な方法で分類結果を示すことができるので、技術表現に慣れていない人にもその結果をより明瞭に説明できると付け加えています。
しかし現在のところ、IBM SPSS Text Analytics for SurveysはFDB Analysisにおける花形です。「消費政策に使用できる知識を収集することが私たちの仕事であり、最終的な目標は、健康で地球に優しいライフスタイルの選択を促進することです」とAarup氏は最後に述べます。「丁寧に重みづけされた母集団のサンプルの代表者から長期間にわたってデータを収集することで、デンマーク人の食の嗜好について深い理解を得ようとしています。この情報には重要な価値があり、IBM Text Analytics for Surveysは私たちのプロジェクトの成功に極めて重要な役割を果たしています。」
お客様の声
「丁寧に重み付けされた母集団のサンプルの代表者から長期間にわたってデータを収集することで、デンマーク人の食の嗜好についてはるかに深い理解を得ようとしています。この情報には重要な価値があり、IBM SPSS Text Analytics for Surveys は私たちのプロジェクトの成功に極めて重要な役割を果たしています」
―FDB Head of FDB Analysis Lars Aarup 氏
お客様情報
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参考資料
- お客様導入事例 FDB(467KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
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