掲載日 2011年9月9日

TDKラムダ株式会社

管理統括部
情報システム部
部長
吉田 栄一 氏
最新テクノロジーでERP稼働基盤を刷新。データ急増による業務遅延リスクを解消
産業機器向け市場で世界トップクラスのスイッチング電源専業メーカーであるTDKラムダ株式会社。同社がERPの新しい稼働基盤に選択したのは、IBM POWER7搭載のUNIXサーバーでした。
同社がERPとしてInfor Baan ERP(現Infor ERP LN)を導入したのは2002年。製造、販売、仕入、会計など、多岐にわたる領域で活用しています。当初の稼働基盤としては、Sun SPARCサーバーとSun Solarisを採用。しかし「データ量が増大するにつれてレスポンスが悪化していきました」と、管理統括部 情報システム部 部長の吉田 栄一氏は説明します。「バッチ処理が朝までに終了せず、1日で行うべき休日処理が2日にまたぐこともありました。オンライン系も検索処理が非常に遅くなっていました」。
この問題を解決するため「ボトルネックの調査を行い、ディスク構成変更やプログラム変更などの対応を何度も行ってきました」と情報システム部システム開発グループの白石 美行氏は言います。しかしこれも限界にきたため、2010年3月にERP稼働基盤を新しいプラットフォームへと移行することに決定。2010年5月に複数のベンダーに対して要件を提示し、各社の提案を比較検討した結果、 2010年7月にIBM POWER7搭載のPower Systemsの採用を決定しました。
目次
お客様ニーズ

管理統括部
情報システム部
システム開発グループ
白石 美行 氏
求められたのは変化に対応できる高い処理能力。ライセンス料削減や移行の容易さも重視
新しいERP稼働基盤は、大きく3つの要件を満たすことが求められました。
第一は現在の課題を解決し、長期にわたってデータ量の急増に対応可能な処理能力です。ERPは利用期間が長くなるにつれてデータ量が加速度的に増大し、これがパフォーマンスを悪化させる大きな要因になります。データは今後も増大し続けるため“現時点で必要”な処理能力は十分ではありません。今後も長期にわたってデータ増大に対応できる、余裕を持った処理能力が求められました。
第二はコスト削減です。TDKラムダのERPシステムでは、データ格納に使用しているOracleデータベースのライセンス料や年間サポート料がTCO(総所有コスト)の中で大きな部分を占めており、これを削減することが重要な課題になっていました。Oracleのライセンス料や年間サポート料は、稼働サーバーの筐体数とプロセッサーのコア数で大きく異なってきます。このコストを抑えるには、データベース・サーバーを1筐体に収めるとともに、できるだけ少ないコア数で十分なパフォーマンスを発揮できるサーバーが必要でした。
そして第三の要件が、既存のSun Solarisシステムからの移行が容易なことです。そのためにはUNIXの採用が適切だと判断されました。
ソリューション

管理統括部
情報システム部
システム開発グループ
篠塚 邦彦 氏
POWER7採用の理由はコアあたりの圧倒的な能力。SANボリューム・コントローラーによるI/O性能向上も高く評価
TDKラムダはまず調達可能な最新UNIX製品をすべて検討の俎上に載せ、徹底した比較検討を行いました。当然ながらSun SPARCサーバー/SunSolaris新モデルへのアップグレードも検討対象となりました。その結果採用されたのが、IBM POWEW7 プロセッサーを搭載したIBM Power 740でした。
「採用の最大の理由は、コアあたりのパフォーマンスが圧倒的に高いことです」と情報システム部 システム開発グループの篠塚 邦彦氏は説明します。各種業界標準ベンチマークで比較した結果、コアあたりのパフォーマンスが最も高かったのがIBM POWER7だったと言います。「事前評価の結果、当社の規模のBaan ERPなら、わずか1プロセッサー(6コア)ですべての処理が行えると判断しました。これならOracleのライセンス料削減も可能になります」。
その一方で、ストレージ仮想化アプライアンスであるIBM System Storage SANボリューム・コントローラー(以下、SVC)がIBMの提案に含まれていたことも高く評価されました。「パフォーマンス・ボトルネックになるのはプロセッサーだけではありません。むしろI/Oの方がボトルネックになる危険性が高いと言えます。SVCのキャッシュ機能を活用すればディスク・アクセスの高速化によってI/Oのボトルネックも解消され、バランスの良いシステムができると考えました」(篠塚氏)。
2010年7月にIBM Power Systemsの採用を決定し、システム設計に着手。8月~10月にかけてシステム構築が行われました。Baan ERPの移行は9月~10月にかけて実施。11月に運用テストを行い、12月末にデータを移行、2011年1月5日から本番運用を開始しています。
システム構成は図に示す通りです。1プロセッサー(6コア)を搭載した1台のIBM Power 740で、Baan ERPの本番環境、開発環境、データ・バックアップをカバー。コアの割り当ては、本番環境に3コア、開発環境に0.5コア、データ・バックアップに0.1コアとなっています。残りのコアは必要に応じて各環境に割り当てられるようにしていますが、月末の処理ピーク時でも、本番環境のコアを増さずに対応できています。
ストレージはSAN経由でIBM System Storage DS3500(以下、DS3500)×2台とSVC×1台が接続されています。ストレージ構成をSVCで仮想化・最適化するとともに、ストレージ・アクセスをSVCのキャッシュ経由で行うことで高速化しています。DS3500は、一方が本番環境と開発環境用、もう一方がバックアップ用に割り当てられています。ストレージ筐体間のバックアップは、フラッシュコピー機能を活用することで時間を短縮するとともに、バックアップ取得中に本番システムへパフォーマンス上の影響が及ぶことを防いでいます。さらにLTO5テープ・デバイスであるIBM System Storage TS3200も導入されており、バックアップ・ボリュームからテープへのバックアップも行われています。
導入効果

管理統括部
情報システム部
BPR推進グループ
畠山 忠雄 氏
以前に比べ桁違いの処理速度を実現。Oracleライセンス料、年間サポート料も3分の1以下に削減
「新しい環境への移行によって、ユーザーの待ち時間は大幅に短縮しました」と情報システム部 BPR推進グループの畠山 忠雄氏は説明します。「例えば出庫オーダー検索の時間は、以前は1~3分程かかっていましたが、今では1秒で完了します」。
一覧表の画面スクロールも高速化されました。以前は検索結果の表示を逆スクロールする時、表示に5分程度かかっていましたが、今ではこれが1~2秒で表示されるようになっています。
バッチ処理に要する時間も削減されています。例えば以前は3時間30分かかっていた営業日次処理は27分で完了するようになり、購買系夜間処理も7時間33分から47分に短縮されました。また以前は丸1日かけても終わらなかった計画系週次処理も、3時間25分で処理できます。
「導入して約半年が経ちましたが、ユーザーが喜んでくれるのがうれしいです。入金処理が集中する月末には担当者が残業して処理を行っていましたが、今では残業せずに処理できるようになりました」(白石氏)。
Sun SPARCサーバー新モデルへのアップグレードに比べ、TCOも削減されています。すべての処理を1プロセッサーで行えるため、OracleのEnterprise Editionライセンスではなく、Standard Editionライセンスで対応できたからです。これによってOracleのライセンス料を3分の1以下に削減できました。
「IBMのサーバーは高いというイメージがありましたが、ソフトウェア・ライセンスやサポート料まで含めれば、一番安く、一番速かった。コストあたりの処理能力(コスト・パフォーマンス)は、他社UNIX製品の3倍に達しています」(吉田氏)。
Sun Solarisからの移行も容易でした。「コマンドは多少異なりますが、違和感なく使えています」と篠塚氏。オペレーションは対話型メニュー(SMIT)で行えるので、実際の運用ではコマンドを覚える必要もないと言います。「事前には心配していたのですが、シェルで作成したスクリプトもほとんど修正することなく移行できました」。
将来の展望
長期的に安心して利用できる基盤を確立。ユーザー・サービスの拡大も視野に
現在のところ、キャパシティーには十分な余裕があります。今後しばらくはシステムを拡張することなく、データ量増大に対応できると予測しています。またこれまでは処理能力が低かったため、ユーザーがデータを直接ビジネスに生かす機会はありませんでしたが、今後は圧倒的な処理能力を生かし、蓄積されたデータをスムーズに有効活用できるよう検討されています。
IBM製品のライフサイクルやサポート期間が長いことも、長期的な活用を後押ししていると吉田氏は指摘します。「親会社のTDKではiSeries(IBM i)シリーズを長期にわたって使い続けていますが、IBMなら他社と異なり、長期的な保守も問題なく対応してくれるというアドバイスをもらいました」。また、他のシステムへのPower Systemsの適用についても「Oracleのライセンスを下げられるシステムがあれば、ぜひ検討したいです」と吉田氏は言います。
このようにPOWER7の卓越した能力は、TDKラムダにおけるERP運用最適化に大きく貢献しています。そしてその結果得られたメリットは、社内から高く評価されているのです。
お客様の声
TDKラムダ株式会社 管理統括部 情報システム部 部長 吉田 栄一 氏
「IBMは高いというイメージがありましたが、ソフトウェア・ライセンスまで含めれば他社より安くなります。コストあたりの処理能力は、他社 UNIX製品の3倍に達しています」
TDKラムダ株式会社 管理統括部 情報システム部 システム開発グループ 白石 美行 氏
「導入して約半年が経ちましたが、ユーザーが喜んでくれるのがうれしいです。入金処理が集中する月末には担当者が残業して処理を行っていましたが、今では残業せずに処理できるようになりました」
TDKラムダ株式会社 管理統括部 情報システム部 システム開発グループ 篠塚 邦彦 氏
「POWER7採用の最大の理由はコアあたりのパフォーマンスが高いことです。当社の規模のBaan ERPならわずか1プロセッサー(6コア)ですべての処理が行えます」
TDKラムダ株式会社 管理統括部 情報システム部 BPR推進グループ 畠山 忠雄 氏
「ユーザーの待ち時間は大幅に短縮しました。例えば出庫オーダー検索の時間は、以前は1~3分程かかっていましたが、今では1秒で完了します」
お客様情報
お客様名:
TDKラムダ株式会社
所在地:
〒103-0027東京都中央区日本橋 1-13-1
URL:
1978年6月にネミック・ラムダ株式会社として設立。1999年10月に日本電気精器株式会社と合併しデンセイ・ラムダ株式会社に社名変更した後、2008年3月にTDK株式会社の完全子会社となり、同年10月にTDKラムダ株式会社に社名変更。産業機器向け市場で世界トップクラスのスイッチング電源の専業メーカーです。現代社会を支えるスイッチング電源とノイズフィルター、さらにそれらの周辺機器までカバーした電源関連の全領域で事業を展開し、顧客の多様なニーズに対応。常にブレークスルーへの挑戦を行うことで、最先端を創造し続けています。
製品・技術情報
ハードウェア
- IBM Power 740
- IBM System Storage SANボリューム・コントローラー(SVC)
- IBM System Storage DS3500
- IBM System Storage TS3200 テープ・ライブラリー
参考資料
- お客様導入事例 TDKラムダ株式会社(594KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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LTOは、HP,IBM Corp.およびQuantumの米国およびその他の国における商標です。
UNIXはThe Open Groupの米国およびその他の国における登録商標です。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標です。
TDKロゴはTDK株式会社の商標または登録商標です。