掲載日 2011年10月13日

三菱UFJリース
株式会社 システムを標準化・集中化するため、基幹系システムの仮想化統合へ
総合ファイナンスカンパニーとして、多様化・高度化するお客様のニーズに最適なファイナンスソリューションを提供する三菱UFJリース株式会社(以下、三菱UFJリース)。同社は業界を代表する企業であり、ビジネスの多様化とITの先進的な活用にいち早く取り組んできたパイオニアとしても高く評価されています。
「私どもは中長期的なITロードマップを作成し、これに基づいてシステム構築・運用を行っています」と、情報システム部長の鈴木 直人氏は説明します。その一環として行われたのが、基幹系システム基盤の仮想化統合です。同社はメインフレーム上で稼働していた基幹系システムを2001年に大幅に刷新し、システムのオープン化とUNIXサーバーによる基盤統合を同時に実現、その後2005年にはIBM eServer pSeries 690を導入し、UNIXサーバーの仮想化統合を実現しました。
「常に標準化と集約を意識してシステム基盤を構築していますが、時間が経過するにつれてどうしても部分的な機能追加が多くなり、次第にシステムのサイロ化が進行してしまいます。これらをシステム基盤の更新タイミングに合わせて、標準的かつ集約された状態に引き戻す必要があります」と鈴木氏。システム基盤の標準化・集約は近年特に重要性が増しており、その背景には2つの要因があると指摘します。
1つはリース業務で扱う情報が多様化していることです。オペレーティングリースへの需要が増えるに従いきめ細かな資産管理サービスが求められ、お客様の業種や資産種類に合った属性データが増えているためです。もう1つはM&Aの活発化です。同社では競争力強化のためのM&Aを行っていますが、近年、企業買収やリース債権の買取り案件が増えています。その上、お客様の側でもM&Aが行われる結果、管理資産が増える傾向にあり、システムが処理すべきデータ量が突然増大することがあると説明します。
「お客様に付加価値を提供し営業部門の要請に応えるには、突然のデータ量の増大に対して柔軟に対応できなければなりません。そのためには高いスケーラビリティーと、その能力を100%引き出せる仕組みが必要なのです」(鈴木氏)。
目次
お客様ニーズ

三菱UFJリース
株式会社
情報システム部長
鈴木 直人 氏
運用管理の効率化とコスト削減を重視。優れた最新仮想化技術の導入も条件に
三菱UFJリースが基幹系システムの仮想化統合に向けた検討を開始したのは2009年2月。ここでスケーラビリティー確保の他に、3つの要件が掲げられました。第一は運用管理の効率化です。システム基盤のサイロ化を回避するには、システム資源の柔軟な配分を、少ない作業負荷で行えることが必要になります。またシステム全体を見通せる監視手法も重視されました。
第二はコスト削減です。過大な投資を行うことなく、必要な能力を必要なタイミングで利用できることが求められました。
そして第三は新技術の活用です。新しいサービスの提供をタイムリーに行うためにも、時代の流れに乗った最新のシステムが必須条件になると考えられました。2009年9月には三菱UFJリースで長年インフラの構築と運用を担当している三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(以下、MDIS)の技術者と、IBMのコンサルタントが参加し、システム全体のデザインや実装機能の検討に着手。2010年3月には詳細な機器構成が決定、導入されています。
ソリューション

三菱UFJリース
株式会社
情報システム部
インフラ基盤技術
グループ課長
影山 哲久 氏
IBM Power 795でサーバーを集約。ストレージはIBM SVCで仮想化統合
これらの要件を満たしたのが、IBMのサーバー製品とストレージでした。基幹系DBサーバーに選定されたのはIBM Power 795×2台、運用管理とWeb系システムにIBM Power 750×5台、関連会社用にIBM Power 750×6台(すべてPowerHAにより冗長化)、基幹系アプリケーション・サーバーにはIBM BladeCenter HS22×42台(VMwareで仮想化)が導入されています。またシステム管理ツールとしてTivoliも導入されています。
情報システム部 インフラ基盤技術グループ課長の影山 哲久氏は「私どもはアプリケーションの開発案件を数多く抱え、恒常的にシステム基盤の増強や運用の変更が必要であるため、システム基盤の拡張性を徹底して重視しました」とシステム設計の基本コンセプトを説明。そしてこれを支えているのが、POWER7を搭載したIBM Power SystemsとIBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー(以下、IBM SVC)なのだと言います。
POWER7は各コアで同時に処理できるスレッド数が、最大4スレッドに増加したため、少ないコア数で高いパフォーマンスを発揮します。これにPowerVMによる仮想化(Micro-PartitioningとLPAR)とPowerHAを組み合わせることで、少ないサーバー数で高いスケーラビリティーを実現でき、ダイナミックな資源配分も容易になると影山氏は説明します。「以前のコア割り当ては整数単位でしたが、現在は小数単位での割り当てによってよりきめ細かい資源管理を行っています。特にハイエンドモデルであるIBM Power 795ではその効果が大きくなります」。またソフトウェア稼働に必要なプロセッサー数を低減できるため、ソフトウェア・ライセンスの節減も可能になります。さらにIBM Power Systemsは実際に利用しているプロセッサー数に応じて課金されるため、ハードウェア・コストも最適化できます。
ストレージはIBM SVCを介してIBM System Storage DS8700(以下、IBM DS8700)とIBM XIV Storage System(以下、IBM XIV)など複数機種のストレージを仮想的に統合しています。これによって単一ストレージ装置の限界を超えるストレージ容量の拡張性が得られます。現在は合計で90TB近くの容量が確保されています。また、ストレージ装置をまたいで柔軟に容量を配分することも可能になります。
2011年5月にはこのシステム基盤の上で、基幹系システムが本番稼働を開始。システム構築と運用はMDISが担当しています。
導入効果

三菱電機インフォ
メーションシステム
ズ株式会社
金融事業本部
金融第二事業部
システム部 第一課
チームリーダ
髙橋 渉 氏
パフォーマンス向上がもたらすコスト削減。資源の最適配分も少ない運用負担で実現
新しいシステム基盤への移行で第一に得られた効果が、パフォーマンスの大幅な向上です。「特に効果が大きいのが夜間バッチです」と鈴木氏。「以前は日次バッチが約10時間、月次バッチは約20時間でしたが、これらが3分の2以下に短縮されています。オンラインも一覧照会等で高速化の効果がはっきりと体感できます」。その一方でコスト削減も実現しています。POWER7によるコアあたりのパフォーマンス向上で、ソフトウェア・ライセンスが2割削減されているのです。サーバーとストレージの仮想化統合によって、アプリケーションが要求するシステム資源の配分を柔軟に行えるようになり、運用管理性も高まりました。これに加え、システム管理ツールとしてTivoliを導入していることも、日常的な監視業務の負荷軽減に貢献しています。
ストレージ活用の自由度も向上しました。MDIS 金融事業本部 金融第二事業部 システム部 第一課 チームリーダの髙橋 渉氏は「IBM SVCを導入したことで、その配下で多様なストレージ製品を組み合わせて活用することが可能になり、データを特性に応じた最適なストレージに配置できるようになりました。ストレージ製品間のデータ移動・再配置も容易です」と言います。影山氏も「将来登場する新しいストレージ製品への対応も容易になりました」と述べています。
現在は、高い処理速度と可用性が求められるデータはIBM DS8700、それ以外はIBM XIVという使い分けを行っています。IBM DS8700はきめ細かいチューニングで非常に高いパフォーマンスを引き出すことができ、IBM XIVは全ディスクの負荷が均等になるようにデータ配置が自動で行われるため、チューニングを行うことなく安定して高い性能を発揮できます。「この組み合わせによって、データの最適配置を少ない運用負担で実現しています」(髙橋氏)。
将来の展望
情報系システムでも仮想化統合を推進。今後もシステム基盤を継続的に強化
「サーバーとストレージを仮想的に分離したことで、システムの標準化が容易になり、適切な投資で全体最適化が図れる環境が実現できました」と影山氏。これは今後のサイロ化防止に、大きな効果を発揮するはずだと説明します。またIBM Power Systemsは予備プロセッサーの追加が容易なため、急な処理能力増強ニーズへの即時対応も容易になったと言います。
今後は基幹系だけではなく、情報系システムでも仮想化統合を進めていく計画です。すでに2011年3月には、IBM XIVとIBM System Storage Nシリーズを情報系システム向けに導入。これらをIBM SVCで仮想化統合可能な構成とし、2011年10月に本番稼働する予定になっています。
「IBMは数年先まで見込んだ上で、私どもの業容に最適な提案をしてくれました。またMDISもシステム運用の最適化に大きな貢献を果たしてくれました」と鈴木氏。「最近はお客様の資産管理ニーズが高まっており、今後もシステム基盤の継続的な強化が必要です。これからもIBMには積極的な提案を期待しています」。
お客様の声
三菱UFJリース株式会社 情報システム部長 鈴木 直人氏
「IBMは数年先まで見込んだ上で、私どもの業容に最適な提案をしてくれました。これからもIBMには積極的な提案をお願いしたいと思います」
三菱UFJリース株式会社 情報システム部 インフラ基盤技術グループ課長 影山 哲久氏
「サーバーとストレージを仮想的に分離したことで、システムの標準化が容易になり、適切な投資で全体最適化が図れる環境が実現できました。これは今後のサイロ化防止に、大きな効果を発揮するはずです」
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 金融事業本部 金融第二事業部 システム部第一課チームリーダ 髙橋 渉氏
「IBM SVCを導入したことで、その配下で多様なストレージ製品を組み合わせて活用することが可能になり、データを特性に応じた最適なストレージに配置できるようになりました。ストレージ製品間のデータ移動・再配置も容易です」
お客様情報
お客様名:
三菱UFJリース株式会社
所在地:
〒100-6525東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディング
URL:
1971年(昭和46年)4月に設立された、業界を代表する総合ファイナンスカンパニー。ファイナンスリースやオペレーティングリースの他、企業の海外進出サポート、医療福祉関連サービス、環境・省エネサービス等、リースの枠を超えた多様なサービスを展開しています。2011年には中期経営計画「Vision2013」を発表し、ビジネスエリアの拡大と海外事業展開をさらに加速。その一方で持続可能な社会を支えるためのCSR活動にも積極的に取り組んでいます。「お客様の企業価値向上に貢献する総合ファイナンスカンパニー」として、社会とともに発展していくことを目指しています。
ビジネス・パートナー
企業名:
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
所在地:
〒108-0023東京都港区芝浦4-13-23MS芝浦ビル
URL:
三菱電機の情報システム事業を引き継ぐ形で、2001年4月に三菱電機からの分社によって誕生。三菱電機グループにおけるICT事業の中核を担っています。三菱電機の研究所やグループ企業各社と連携しながら、ダイナミックにICTビジネスを推進。「使い易さ」、「信頼性と安全性」、「変化する環境への適合」の3つの観点で、コンサルティングから設計・構築・運用・保守に至るシステムライフサイクル全般をサポートしています。
製品・技術情報
ハードウェア
- IBM Power 795
- IBM Power 750
- IBM BladeCenter HS22
- IBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー(SVC)
- IBM System Storage DS8700
- IBM XIV Storage System
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 三菱UFJリース株式会社(598KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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