掲載日 2011年11月9日

アフラックスクエア
(調布市)国産/IBM混在のメインフレーム・システムをIBMメインフレームへ統合
1974年に日本初のがん保険を発売して以来、「生きるための保険」のリーディング・カンパニーとして、がん保険・医療保険を中心とした保険商品とサービスを提供し続けているアフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)。2011年3月末時点での保有契約件数は2,101万件と業界最多。お客様のさまざまなニーズに応える商品を開発するとともに、プロモーション活動にも注力。コーポレートキャラクターである「アフラックダック」や、医療保険の商品キャラクターである「まねきねこダック」を活用したブランド展開を行っています。
膨大な契約データを安全に管理するため、同社は1980年に国産メインフレームを導入し、がん保険/医療保険/介護保険向けのアプリケーションを構築。さらに2000~2001年にはIBMメインフレームを増強し、生命保険向けアプリケーションや営業向けアプリケーションを拡大してきました。しかし「2種類のメインフレームを運用管理するのは負担が大きく、求められるスキルも二重になるという問題がありました」と、常務執行役員日本担当チーフ・インフォメーション・オフィサーの福島 行男氏は説明します。
この問題を解決するため、アフラックはメインフレームの統合プロジェクトに着手。最終的にIBM System zへメインフレーム環境を統合しました。
目次
お客様ニーズ

アフラック(アメリカ
ンファミリー生命保
険会社)
常務執行役員
日本担当
チーフ・インフォメー
ション・オフィサー
福島 行男 氏
先進性と将来性を重視して製品を選択。データベースの統合も重要課題に
アフラックがこのプロジェクトを検討開始したのは2005年上半期。当時すでに275種類のデータベースと5万モジュール以上のプログラムが稼働しており、2,000万件近い保有契約のデータを管理する大規模なシステムを安全に動かすには、今後もシステム基盤にメインフレームを採用すべきだと判断しました。統合先のメインフレームとしては、当初からIBMメインフレームを選択することに決定していたと福島氏は説明します。
「実は2000年頃に米国本社と協議した結果、国産メインフレームへの投資は最小化していく方針を打ち出していました。すでに1990年代から国産メインフレームのテクノロジーについては、その先進性の点で懸念があり、将来性も不透明になっていたからです。これに対してIBMメインフレームは常に最先端のテクノロジーを導入しており、世界的なリーダーとしてIT業界を牽引し続けています。メインフレームの統合を行うのであれば、IBMを選択すべきだと考えました」(福島氏)。
その他、国産メインフレーム上で使用していたデータベースAdabasにも課題があったと言います。その内容としては、ベンダーのサポート体制が縮小化していたこと、ハードウェアをアップグレードする際の追加ライセンス料が高額だったことが挙げられています。「すでに製品としても古くなってきており、技術者の確保も難しくなっていました。できればこれもアプリケーション開発が行いやすく、将来性も高いDB2へ移行したいと考えていました」(福島氏)。
ソリューション
DBアプリケーションに手を加えずにSystem zへ移行。DB2への移行はツール活用によって効率化
アフラックにおけるメインフレーム統合は、大きく2つのステップで進められました。
最初に行われたのは、ハードウェアとOS、トランザクション処理ミドルウェアの移行です。アプリケーション構造とデータベースには一切手を加えずに、2台のメインフレームを1台のIBM System zに統合しました。このプロジェクトは「Mainframe Consolidation Project(以下、MCP)」と呼ばれており、2005年7月に開始され、2006年11月に完了しています。
またMCPと並行して、システム全体のアウトソーシングも実施されました。IBMのデータセンター2拠点にシステムを移設し、システム保守と運用をIBMに委託することで、ITコスト効率の改善と運用負担軽減を実現しています。同時にメインフレーム環境の災害対策も、運用負担を増大させることなく実現されています。
MCPに続く第2ステップ「Adabas to DB2(A2D)」はAdabasからDB2へデータベースを移行するプロジェクトです。2009年1月にスタート、2010年7月に完了しています。
「データベースを移行するには各アプリケーションのインターフェース部分を変更する必要があります」と福島氏。Adabasで動いていたアプリケーションの規模はCOBOLだけで2,000万ステップに達していたため、そのまま手作業で移行することは現実的ではなかったと振り返ります。そこでアフラックでは、イスラエルのテクノロジー企業が提供するプログラム自動変換ツールを活用。これによって統合されたデータ・アクセス・レイヤーを開発し、移行に伴う負担とリスクを最小化しています。
またこれと同時にAdabas専用言語(Natural)で作成されていたモジュールをCOBOLへ移行。5万モジュールに上るアプリケーションをすべてIBM DB2に対応させただけではなく、コードの一貫性も高めています。
現在のシステムは、メインフレーム上のすべてのアプリケーションが、IBM z/OS、DB2およびCICSの上で稼働しています。
導入効果
メインフレーム統合で運用コストを20%削減。一貫性のあるシステム基盤も確立
この一連の統合プロジェクトにより運用対象がIBM System zに集約され、必要な知識や技術が統一されたため、運用負担は大幅に軽減されました。またこのプロジェクトと並行して実施されたアウトソーシングも、運用負担軽減に貢献しています。「こうした取り組みによって運用コストはおおよそ20%削減できました。これだけでプロジェクトへの投資は6年で回収できるはずです」と福島氏は言います。
しかしそれ以上に大きなメリットとなったのは、一貫性のあるシステム基盤を確立できたことです。「IBMメインフレームに統合したことで、統一された設計思想やシステム構造に基づいてアプリケーション開発や運用を行うことができるようになりました」と福島氏。これは今後計画されているアプリケーション再構築を円滑に進めるために、欠かせない土台になると説明します。「お客様に価値のあるサービスを提供し続けるには、アプリケーションも進化し続けなければなりません。今のメインフレーム環境であれば、この要求に対応可能です」(福島氏)。
MCPと並行して実施された災害対策の効果も高く評価されています。2011年3月11日に発生した東日本大震災のときも、システム停止の心配もなく業務を継続できました。「メインフレームを1種類に集約したからこそ、このようなことが可能になりました。2種類のメインフレームが併存する状態ではコストがかかるため、災害対策の実現に踏み切るのは難しかったはずです。またIBMのアウトソーシング・サービスのノウハウを活用することで災害時の問題点を明確化でき、合理的な対策を立案することが容易になりました」(福島氏)。
将来の展望
今後はアプリケーションの再構築へ。IBMとともにルールベース・エンジンも検討
今後は統合されたメインフレーム環境の上で、アプリケーションの再構築を進めていく計画になっています。現在のアプリケーションはすでに20年以上使われてきたものであり、このままでは新商品への対応が困難だからです。
「保険の業務処理は複雑になってきており、販売チャネルも多様化しています。またお客様から求められるサービス内容も変化し続けており、これらに対する迅速な対応が顧客価値の最大化とビジネスリスク低減に欠かせません」と福島氏は説明します。「このような課題を効果的に解決していくには、業務上の規程および処理要領定義とITへの実装を明確に分離する必要があります。そのために今、IBMと一緒にルールベース・エンジンの検討を行っています。業務ルールを定義するだけでアプリケーションが構築できれば、業務知識のないIT担当者でも、効率的にアプリケーションを実装できるようになります。その結果、ビジネス環境の変化にもスピーディーに対応できるようになるはずです。2011年末までに実機検証を行い、経営層の承認を受け次第、実行に移していく予定です」(福島氏)。
さらに「IBM System zにx86/POWER7のブレード・サーバーを搭載できるハイブリッド・コンピューティングには興味があります」と福島氏は語ります。まだ具体的な導入検討にまでは至っていませんが、運用管理の効率やセキュリティーの向上、資源の有効活用を目指すのであれば、メインフレームとブレード・サーバーの統合は、今後の主流になる可能性が高いと指摘します。その一方でIBMのBAO(ビジネス・アナリティクス・アンド・オプティマイゼーション)ソリューションの採用も検討されています。ハイブリッド・コンピューティングを活用すれば、メインフレームで管理しているデータを分析しやすくなり、BAOソリューションをより効率的に動かすことができます。これによって意思決定のさらなる迅速化が期待できます。
「保険のように膨大なデータ処理を高い信頼性で行うことが求められる分野では、今後もメインフレームが重要な役割を果たします。IBMメインフレームはSystem/360の時代から一貫性を持ち続ける一方で、先進性も高く、長期的なロードマップもしっかり描かれているため将来性にも不安がありません。またハードウェアだけではなく、z/OSやDB2等、ソフトウェアまで含めた総合力を高く評価しています。次世代システムの中核にIBM System zを採用したことは、正しい選択だと考えています」(福島氏)。
お客様の声
アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社) 常務執行役員 日本担当 チーフ・インフォメーション・オフィサー 福島 行男 氏
「IBMメインフレームはSystem/360の時代から一貫性を持ち続ける一方で、先進性や将来性も高い。次世代システムの中核にIBM System zを採用したことは、正しい選択だと考えています」
お客様情報
お客様名:
アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
所在地:
〒163-0456東京都新宿区西新宿2-1-1新宿三井ビル
URL:
1955年米国ジョージア州で創業した生命保険会社の日本社。1974年、日本社創業。日本初のがん保険の発売以来、「生きるための保険」のリーディング・カンパニーとして、がん保険・医療保険を中心とした保険商品とサービスを提供、お客様の“生きる”を支え続けています。また、がん・医療をテーマとした社会貢献活動を販売代理店と一体で展開しており、がんで主たる生計者を亡くした高校生のための「公益信託アフラックがん遺児奨学基金」や、小児がんをはじめとする難病治療のために上京する子どもやそのご家族のための宿泊施設「アフラックペアレンツハウス」を柱とする社会貢献プログラム、小児がんに対する認知・理解促進を目的とした「ゴールドリボン運動」を推進しています。
製品・技術情報
ハードウェア
ソフトウェア
参考資料
- お客様導入事例 アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)(511KB)この事例のPDFがダウンロードできます。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、ibm.com、CICS、DB2、POWER7、System z、およびz/OSは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。
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