


企業における80%以上の情報は、ビジネス・プロセスから派生する申込書、契約書、領収書などのイメージ、そしてワープロやスプレッド・シートなどのファイルから構成されるコンテンツです。ビジネス・パフォーマンス最適化やコンプライアンス強化、カスタマー・サービス向上において、このようなイメージやドキュメントの管理とビジネス・プロセスの統合は必要不可欠な要素になってきています。
ビジネス・プロセスの自動化、統合、最適化によりビジネス・パフォーマンスの最適化を図る考え方はビジネス・プロセス・マネージメント(BPM)と呼ばれており、企業におけるBPM導入はいっそう重要視されるようになりました。
このようなBPMシステムを実現するには、ビジネス・プロセスの最適化に柔軟かつ迅速に対応できるSOA基盤が重要です。ビジネス・プロセスで活用される各種サービス(情報サービス、コンテンツ・サービス、プロセス・サービスなど)をSOA基盤で統合しなくてはなりません。

ビジネス・プロセスから発生・派生するビジネス・コンテンツを統合的に管理するソリューションは特に「コンテンツ指向BPM」と呼ばれます。コンテンツ指向BPMはビジネス・プロセスに「分析」「設計」「実行」「改善」のサイクルを適応することで、継続的にビジネス・パフォーマンスを改善していきます。
例えば銀行のローン審査では、融資可否の判断のため、ローン借入申込書や源泉徴収票、住民票の写しなどの書類を元に審査します。この審査プロセスを紙ベースで行った場合、審査・承認する行員間で書類を回覧するうちに業務プロセスの遅延やヒューマン・エラー、書類の紛失・破損などを引き起こす可能性があります。これに対してBPMを導入すると、書類の電子化、ビジネス・プロセスのモデル化・自動実行・モニタリングなどにより審査プロセスのパフォーマンスを改善できます。
コンテンツを活用したBPMの「分析」「設計」「実行」「改善」のサイクルを強力にサポートするソリューションを提供するのがIBM FileNet®です。ここではBPMの各フェーズで必要とされる、IBM FileNetが提供する機能についてご紹介します。
プロセスの分析・設計(プロセス・モデリング)
BPMのエントリーポイントはビジネス・プロセスの分析とプロセス・モデリングです。現行業務を分析し、プロセス・モデリングを行うことでプロセスを設計します。
プロセス・モデリングを成功させるには、IT技術の視点だけではなく、ビジネスの視点が重要です。そのためプロセス・モデリングには業務知識に精通したステークホルダーの参加が必要不可欠となります。また、モデリング・ツールには、視覚的にプロセスを理解できる利便性が求められます。
IBM FileNet Process Designerはプロセス・フローをグラフ化し、直感的かつ視覚的にビジネス・プロセスを理解できるようにします。
また、プロセス・モデルの標準記述言語(XMLベース)であるXPDLで記述することで、WebSphere® Business ModelerやMicrosoft® Visioで記述したXPDLをIBM FileNet Process Designerで利用できます。
プロセス・シミュレーション
IBM FileNet Process Simulatorはモデル化したビジネス・プロセスの実行をシミュレートし、実環境でのビジネス・プロセスの実行結果を予測します。
実業務に適用する前にシミュレーションで結果を予測することで、事前に課題を洗い出し、リスクを管理できます。
プロセスの自動化(オートメーション)
ビジネス・プロセスの効率化と自動化を実現する要素には、ビジネス・ルールの組み込みがあります。ローン審査の例でいうと、融資上限額の審査基準には年収、年齢、資産などがありますが、これらの審査は定量化された数値比較で行えるため、ビジネス・ルールによる自動審査が可能となります。ビジネス・ルールをビジネス・プロセスに組み込んで審査を自動処理することで、プロセス全体を効率化し、ヒューマン・エラーを削減します。
IBM FileNet Business Process Managerはモデル化したプロセスを実行するプロセス・エンジンを備えており、最適なビジネス・プロセスの実行環境を提供します。
プロセスの統合(オーケストレーション)
ビジネス・プロセスを自動化する際に重要となるのは、既存の業務システムとの統合です。例えば既存顧客に対するローン審査の場合、ビジネス・プロセスの中から顧客管理データベースや既存顧客との取引履歴などを参照する必要があります。顧客管理データベースや取引履歴の照会をWebサービス化すれば、IBM FileNet Business Process Managerのプロセス・エンジンを利用してサービスを統合できます。このようなビジネス・プロセスにおけるサービスの統合は「プロセス・オーケストレーション」と呼ばれています。
BPMシステムでSOA基盤を適用するメリットには、既存システムのサービス化によるサービスの再利用や、プロセス・オーケストレーションによる統合などがあります。これにより、ビジネス・プロセスに変更があっても、既存システムを変更することなくビジネス・プロセスを改善・変更できます。
コンテンツの活用(アクティブ・コンテンツ)
ローン審査の例であったように、ビジネス・プロセスの多くはプロセスに付随するコンテンツを発生・派生させるため、コンテンツ管理システムとBPMシステムを統合する基盤を必要とします。例えばローン審査では、ローン借入申込書の登録を起点としてビジネス・プロセスが起動しますが、このようにコンテンツの登録・追加・審査などのイベントによってビジネス・プロセスを遷移させるコンテンツを「アクティブ・コンテンツ」と呼びます。IBM FileNet Business Process ManagementとIBM FileNet Content Managerは、アクティブ・コンテンツ管理システムとBPMシステムを高度に統合した環境を提供します。
プロセスの最適化
BPM適用の大きなメリットは、プロセス・エンジンが実行するビジネス・プロセスに対してKPI(キー・パフォーマンス・インジケーター)を定義し、パフォーマンスを評価・分析することでビジネス・プロセスを改善できることです。IBM FileNet Process Analyzerは、視覚化されたプロセス実行処理の統計データをもとに、ビジネス・プロセスを評価、分析できます。
ローン審査の例でいうと、審査処理時間、審査ステータスの確認、非承認理由の分析、遅延プロセスに対するアラート通知など、ビジネス・プロセスの評価や処理延滞の原因を分析し、審査プロセスの改善に結びつけることができます。また、審査プロセスにおける審査履歴を管理することで、コンプライアンスの向上も実現できます。
BPMアプリケーションの開発
BPM適用によってビジネス・プロセスが改善されますが、改善に伴いBPMアプリケーションの変更が必要になるため、BPMアプリケーション開発も効率化する必要性がでてきます。これを解決するのが、プロセス・エンジンのフロントエンド・アプリケーションをノン・プログラミングで開発する環境を提供するIBM FileNet Business Process Framework(BPF)です。
IBM FileNet BPFは、GUIを用いた画面設計やアプリケーション・ロジックの設定などでアプリケーション開発を行います。これはBPMアプリケーション開発の効率化と同時に、ユーザーのフィードバックを容易に反映させる、インクリメンタル・アプリケーション開発を可能にします。
米国金融機関のローン審査における導入事例
下図は、ある米国金融機関のモーゲージ・ローン審査プロセスにおいて、IBM FileNetのコンテンツ指向BPMを適用した効果を示しています。図上は導入前のプロセスで、ヒューマン・プロセス(赤)とそれに伴う待機(黄色)が審査プロセス非効率化の要因になっていることが分かります。図下はBPM導入後のプロセスで、自動化(青)、半自動化(緑)により、プロセスが効率化されています。また、プロセスの分析により分岐を最小限にすることで、プロセス全体が最適化されています。

BPM導入によるプロセスの自動化・最適化により、この米国金融機関は以下のようなビジネス・パフォーマンスの改善を実現しました。
- 審査プロセスが7日から48時間に短縮
- 対応できるローン審査の数が4倍に増大
- 1案件の審査コストが$250から$60に削減
- ドキュメントの消失事故件数の削減


本ページ内の事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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