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アストラゼネカ株式会社
他社サーバーへの移行は怖くない。リスクを明確にし4社チームワークで解決
なぜサーバー移行が必要になったか
サーバー移行により期待できる利点と効果
IBM System p5™サーバーへの移行リスクと、リスク回避の方法は
IBM System p5サーバーへの移行でもたらされた結果
新システムへの移行と同時に災害対策、運用管理も強化
アストラゼネカのミッションに応えるSAP基幹業務システムが実現
お客様情報
ビジネスパートナー情報
なぜサーバー移行が必要になったか
将来まで見据えたSAP基幹システムの基盤づくりが急務に
革新的で優れた医薬品を社会に提供し続けることで患者さんに貢献するという社会的使命を企業理念に、製薬大手のアストラゼネカ株式会社(以下、アストラゼネカ)は、グローバルネットワークを駆使し、グループ全体のスピーディーさ、適正なコスト、需要に対する的確で安定した供給に向けて世界各国の市場における効率を高めています。
そのためアストラゼネカは積極的に情報システムを導入し、会計・生産・販売・購買にわたる基幹システムをSAP社の統合業務パッケージ(ERP)R/3上で構築し、外資系メーカーのサーバー上で稼働させてきました。しかし、基幹システムを支えるサーバーは約10年前に導入されたもので、社内のユーザーからはパフォーマンスに関する不満が寄せられていました。また内部環境のみならず、米国SOX法対応も含めたバックアップ体制の確立や災害対策の強化など、外部 環境への対応なども課題として挙げられるようになってきました。
本年、同サーバーが保守サポート終了期限を迎えることと、また数年後にSAPのバージョンアップが予定されていることを契機に、アストラゼネカは将来に向けた基幹システムの基盤づくりとして、2006年4月、サーバー・マイグレーション(移行)に踏み切りました。
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サーバー移行により期待できる利点と効果
高性能ハードウェアにとどまらない、より付加価値の高い内容の提供へ期待
サーバー移行にあたり、まず考えられたのは、これまで使用してきたマシンと同一外資系メーカーの上位機種への移行でした。当初、アストラゼネカのシステムを把握しているその会社に継続して依頼することが工数や安全性の意味でリスクが少ない方法と考えられたのですが、社内の他のシステムで活用しているIBM Systemp5サーバーが期待以上のパフォーマンスを出していたことから、System p5を使用する案がもうひとつの選択肢として浮上しました。
検討の末、IBMシステムが選ばれた理由は“コスト”、“信頼性”と“サポート体制”にあったといいます。アストラゼネカ情報システム部基幹システム担当の先山利久氏は次のように語ります。
「一番の判断材料はコスト・パフォーマンスでした。アプリケーションの稼働という意味でどの程度の性能が発揮できるかということはもちろんのこと、数年後に予定されている、SAP R/3のバージョンアップ時に必要な構成を想定し、その際に追加コストが発生しないことなど、長期的な視点で検討しました。また、もちろんハードウェアとしての信頼性や同じ製薬業界での実績も重要です。System p5については、現在使用しているマシンで障害が一度もなく安定稼働していることから、信頼性が高いと確信していました」
ハードウェアそのものだけでなく、旧サーバーから新サーバーに、いかにスムーズに移行できるかという、サービスの部分も重視されました。
「載せかえるという点とその後のアフターサービスの面で、より付加価値の高い内容が提供いただけるのではないか、という期待がありました。ハードウェアのサポートしかしませんよ、と言われたら、この提案は受けていなかったと思います」(先山氏)
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IBM System p5サーバーへの移行リスクと、リスク回避の方法は
移行リスクは同じ。日本IBM、住生コンピューターサービス、コベルコシステムのチームによる戦略的移行プランで万全に
また先山氏は、他社サーバーへの移行のリスクについて、次のように説明します。
「移行は他社でも同一メーカーでも、いずれにせよ以前と違うスペックになるので、リスクは変わらないと考えます。IBMシステム製品の信頼性は、社内の他のシステムで実証済みだったためサーバー性能そのものへの心配はありませんでした」
移行のために基幹システムを止めることができるのは、基本的に休日しかありません。そこで、土日を含めた8月のお盆休みを利用し、3日間で新サーバーへのデータ移行、稼働アプリケーションの検証を米国SOX法に従って実施、完了させることが条件となりました。
「ちょうど2つの新薬の上市と重なる多忙な時期だったため、この日程で検証も含めて完全な移行を済ませる必要がありました」と先山氏。
これを解決したのが日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、住生コンピューターサービス株式会社(以下、住生コンピューターサービス)、コベルコシステム株式会社(以下、コベルコシステム)の3社による、IBM System p5への戦略的移行プランです[図1]。
住生コンピューターサービスコンサルティング本部コンサルタント宇治正人氏は、次のように語ります。「旧システムは性能も低く、移行のための統計情報の取り出しとデータ抽出だけで3日以上かかることが予測されました。一方、System p5という高性能最新ハードウェアを使用する新システムへのデータ書き込みは、短時間で終了することがわかっていました。そこで移行のボトルネックとなるデータ抽出作業を2段階に分ける方法を検討しました。このことに気づいた ことが移行リスクを回避できた最大の要因です。その後、4社で綿密な打ち合わせを重ねるとともに住生コンピューターサービスでリハーサルを2度行い、本番移行の前週に2日間で統計情報の取り出しを行い、データ抽出および新システムへの書き込みと検証を3日間で実施すれば、問題なく移行できるとの確証を得た上で本番に臨みました」
このようにして移行の要件を満たして採用された提案でしたが、実際の作業について先山氏は、「新サーバーへのデータの書き込みは、想定していたよりも速く完了できた」と評価しています。
中心となって移行計画の提案を担当した住生コンピューターサービス営業本部統括マネージャー干場貢氏は、次のように語ります。「ハードウェアは信頼性の高いIBM、プロジェクト・マネジメントは製薬業界におけるSAP導入実績のある住生コンピューターサービス、そしてインフラ基盤導入でやはり実績のあるコベルコシステム、というように、3社共同チームは、検証も含めた総合的なご提案をすることで、アストラゼネカ様のニーズに応えました」
また、アストラゼネカ情報システム部コーポレートシステムグループ籔花大氏は次のように語ります。「私の経験ですが、IBMのサーバーは、スペックにうたってある性能データに高い信頼をおくことができます。そのため、より確実な計画を立てることができます。System p5は高いコスト・パフォーマンスに加えて、将来性のある製品ロードマップにも安心感がもてます」と評価します。」
宇治氏は、移行にあたり注意した点について、こう語ります。「たとえば統計情報を取り出し、時間をおいてデータを抽出すると整合性が取れなくなります。そこでいくつかのルールを設定し、全社で遵守徹底いただきました」
アストラゼネカ株式会社
財務・情報システム本部 情報システム部 基幹システム担当
先山利久氏
アストラゼネカ株式会社
財務・情報システム本部 情報システム部 コーポレートシステムグループ
籔花 大氏
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IBM System p5サーバーへの移行でもたらされた結果
アプリケーション・ユーザーからはレスポンス向上実感の声
リスクと効果を評価したうえでの周到な準備により移行を問題なく終えた新システムは、今も安定稼働が続いています。サーバー移行により、アストラゼネカのSAP基幹システムの処理能力は格段に向上しています。この点について、先山氏は次のように語ります。
「アプリケーションはまったく変えていませんので、25分以上かかっていた処理が3分程度でできるようになったなど、エンド・ユーザーからストレートにスピードアップを実感する声が寄せられています。パフォーマンス・テストでは、バッチ処理が約60倍短縮という結果も出ています。平均して6〜7倍の処理能力が得られていると考えています。システムも安定に稼働しておりSystem p5への移行の成果には非常に満足しています」
基幹システムグループマネージャーの久世祥司氏も、日本IBM、住生コンピューターサービス、コベルコシステムチームの提案を高く評価しています。「プロジェクトのなかで、追加で依頼しなければならないようなことは一切なく、非常に良い提案でした。ハードウェア構成の面、コストの面、サービス面ともに、私たちにとって納得のいくものでした」
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新システムへの移行と同時に災害対策、運用管理も強化
大阪本社と米原工場で3システム・ランドスケープ構成にし、IBM Tivoli®も導入
「今回の移行にあわせて、バックアップの手法を見直し、ハードウェア構成としては大阪本社にSAP本番機、SAP検証/スタンバイ機、バックアップ機を、また米原工場にSAP開発機、DR(災害対策)機、バックアップ機と、それぞれ3システム・ランドスケープを用意しました[図2]。災害時には、本社システムから米原工場にある同システムに移行してすばやく業務を再開できる構成となっています」と基幹システムグループ山下篤志氏。
さらに籔花氏は、こう語ります。「今回採用したIBM System p5 550サーバーは、ひとつの筐体に8-wayまで拡張できるため、将来必要となるSAP R/3のバージョンアップに対応できます。また、いままでできなかったハードウェア監視とバックアップのジョブ管理についても今回IBM Tivoliを導入し、システム全体の統合運用管理を実現できたのもメリットのひとつです」
アストラゼネカ株式会社
財務・情報システム本部 情報システム部 基幹システムグループマネージャー
久世祥司氏
アストラゼネカ株式会社
財務・情報システム本部 情報システム部 基幹システムグループ
山下篤志氏
住生コンピューターサービス株式会社
コンサルティング本部 コンサルティング部
コンサルタント 宇治正人氏
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アストラゼネカのミッションに応えるSAP基幹業務システムが実現
パフォーマンス、災害対策等に加え、米国SOX法適用による移行で内部統制も強化
取材にご協力いただいたアストラゼネカ プロジェクト・チームのみなさん
久世氏は「アストラゼネカのミッションは、『有用な薬を患者様にお届けする』ことです。そのためにも、ビジネスを止めることなく、いかに生産効率を上げることができるかが問われています。堅牢性の高いSAPシステムで基幹業務を確実に稼働させていくことが生命線なのです」と語ります。
アストラゼネカは、今回のサーバー・マイグレーションにより、SAPシステムのパフォーマンス向上、SAP R/3バージョンアップに向けての環境整備、災害時バックアップ体制の確保、システム運用管理の統合化を実現しました。また、米国SOX法に従って実施されたことにより、内部統制の強化も図られています。
(取材: 2006年11月21日)
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お客様情報
アストラゼネカ株式会社
http://www.astrazeneca.co.jp/
【所在地】大阪府大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビルタワーイースト
1913年にスウェーデンで設立されたアストラ社と、1926年に英国で創設されたICI社を前身とするゼネカ社が合併して、1999年に誕生したアストラゼネカ。英国に本社を置き、新薬開発などで激しい競争が繰り広げられる製薬業界において、営業利益世界第6位、前期比37%の伸び率を誇るグローバル優良企業です※。日本では2000年にアストラジャ パン株式会社とゼネカ株式会社が合併し、アストラゼネカ株式会社が誕生しました。同社の製薬の領域は大きく分けて、「オンコロジー(がん)」と「プライマリー・ケア」の2つ。オンコロジー領域では、乳がん、前立腺がんなどに使われるホルモン系の抗がん剤を提供しており、全社の売上の約6割を占めます。プライマリー・ケアの領域では、高血圧、狭心症、不整脈の治療薬や、コレステロールを下げる薬などが中心となっており、生活習慣病治療の現場で期待が高まっています。
※『ニューズウィーク』グローバル最強企業ランキング2006年版
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ビジネスパートナー情報
住生コンピューターサービス株式会社
http://www.slcs.co.jp/
【所在地】大阪府大阪市淀川区宮原4-1-4 新大阪センタービル
1971年、住友生命のシステム運用業務受託会社として設立。以来、最も得意とする生保・損保・銀行・証券といった金融機関をはじめ、電気・ガス・流通・製造など幅広い業種の全国のお客様にIT投資計画立案、BPR、システムの設計・開発・ネットワーク構築・運用・アウトソーシング・セキュリティー対策まで、トータルなソリューション/サービスを提供しています。あらゆるビジネスシーンをカバーする機能的かつ高品質なソリューション/サービスを提供、お客様のニーズを的確に把握し、情報化・業務改善・BPR・ITを活用したビジネスモデルの構築に貢献しています。
コベルコシステム株式会社
http://www.kobelcosys.co.jp/
【所在地】兵庫県神戸市中央区脇浜町2-11-14 神鋼ビルネオエスト6階
1987年、神戸製鋼所のIT部門から分社独立した「神鋼コンピュータサービス」を母体に設立。2002年からはIBMグループの一員となり、製造業で培ってきた高度なシステム開発・運用ノウハウと、IBMの最先端技術・ノウハウを融合し、基幹業務システムの構築はもとより、お客様の強みを生かした経営戦略の立案、戦略実現のための中長期システム化計画策定からシステムの開発、導入、運用および保守までをトータルに支援しています。ERPにおいては、SAP社R/3を活用したBPRの実施、基幹系システム構築を行い、同分野で高い評価を受けています。
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本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時(2006年12月現在)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
IBM、IBMロゴ、System p5、Tivoliは、IBM Corporationの商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等はそれぞれ各社の商標。
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