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クルマのイノベーションは社会全体に影響するのですインダストリアル事業本部自動車産業事業部長 アソシエイト・パートナー竹本 智明

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コンサルタントとして思うこと

「モビリティー」という言葉を「自動車」と表現してしまうと、非常に狭い意味になってしまいます。「クルマ」とか「輸送産業」と広くとらえると、そこで起こるイノベーションが社会そのものを変える可能性を持っていて楽しいですよね。日本においては、あっという間にカーナビが普及しましたが、クルマとITの融合は自動車業界だけでなく、社会全体にイノベーションを起こすでしょう。たとえば、位置情報と無線通信機能を組み合わせて多様なサービスを提供する車載情報システムなど、テレマティクス分野の発展が期待されています。クルマそのものが情報発信地になるのです。 最近、若者のクルマ離れが進んでいるというニュースがありました。今の「自動車」という概念を変革することが、日本の自動車市場の新たな進展へのひとつの大きな視点になると考えます。日本人の嗜好と生活に合わせた魅力的なクルマづくりを進めるために、ITがどのように支援していけるかを考えることが私のミッションです。
現在の自動車業界が抱えるもうひとつの大きな課題は、グローバル化への対応です。アジア圏で生産された部品が欧州の工場で完成車となり、さらにそれが他極の市場へ投入される。このような例は、すでにごく普通にどの自動車会社でも行われています。ヒト、モノ、カネはすでにグローバルで流通しているわけですが、これをグローバル・レベルで最適化するためのマネジメント・システムにはまだ課題があるのが実情です。日本のメーカーは、品質やコスト、納期などの面(QCD)ではどの国よりも優れていますから、今後はより一層のグローバル・レベルでのマネジメント・システムの強化がさらなる成長への重要な鍵となります。

最近のメモリアルプロジェクト

コンサルティングそのものが印象的というよりも、その仕事をさせていただいた理由が強く印象に残っている事例についてお話しします。生産システムから原価管理、購買管理、販売管理まで基幹システムを再構築する大規模なプロジェクトを検討されていたお客様は、複数社のベンダーやSI会社に提案を依頼されました。当社も参加させていただいたのですが、その内容があるERPパッケージの導入を前提としたようなプロジェクトだったのです。
会社に持ち帰ってお客様のご要望を詳細に検討したところ、抱えられていた課題が何かは分かったのですが、システム導入目的がかなり曖昧な表現になっていました。これでは、ご要望のパッケージ導入の提案を採用いただいたとしても、このままでシステム構築を進めた場合は成功の可能性が低いと思い、提案書を全面的に見直しました。
その結果、まずはお客様自身の目標を明確に定義しなおすこと、お客様社内にしっかりした体制を構築すること、そのうえで生産から販売にいたる全領域の業務を再度洗い出し、「あるべき姿」を定義する上流の計画段階から改めて実施しましょう、という値下げやコミットメントなどを入れない提案内容となりました。お客様の提案要望に対しては、ある種おっかなびっくりの提案です。ところが、お客様はこの提案をとても気に入ってくださったのです。お客様の視点でお客様の本当の課題を考えるという提案時の真剣な対応が、コンサルティングに入ってからも非常に成果を生んだ事例です。

専門分野

自動車関連業界における戦略策定、業務改革のコンサルティング/システム導入

担当している業界・業種

自動車/自動車部品

経歴

竹本 智明 (たけもと ともあき)
日本IBM入社後、営業として自動車業界のお客様を担当。自動車メーカー様および自動車部品メーカー様のエンジニアリング部門、生産調達部門、販売部門、本社部門の各プロジェクトに携わる。営業事業部長を含む約20年の自動車業界での経験を経て、コンサルティング部門に異動。現在、IBM ビジネスコンサルティング サービス株式会社アソシエイト・パートナーとして、自動車産業サービスをリードしている。

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