味園 真司をご紹介いたします。
コンサルタントとして思うこと
私の社会人としての出発点は、日本IBMの東京基礎研究所での研究生活でした。ここで、数理最適化のためのアルゴリズムを研究し、実際の生産設備への応用に携わったことから、経営課題の解決に関心を深め、コンサルタントへの道に進むことになりました。
現在は、エレクトロニクス産業の分野でR&D、CRM、SCM、新規事業など全般にわたって浅く広く、組織を含めた経営の変革にかかわるコンサルティングを行っていますが、事業戦略というよりも、変革の方向性を探し求めて指し示す役割に徹しています。
コンサルタントとして、「お客様の求めているものを早く、しかも深く知ること」をもっとも心がけています。私たちにコンサルティングを依頼するお客様は、報酬料金を支払ってでも問題点の発見と解決法の提示を求めています。これに応えるために、本当に変えなければならないところはどこか、問題解決に当たっての優先順位はこれでいいのか、テクノロジーが解決すべきこととそうでないことが切り分けられているか、意志決定の方法はこれでいいのか…等々、さまざまな試行錯誤を繰り返しながら問題点を摘出し解決法を絞り込んでいきます。
研究者としての生活が長かったため、私はある事象を見たときに、因果関係を含めてその背景にあるものを抽象化してとらえ、最適解を求めてモデルを作り真因を探るという手法を得意としていますが、一方では、複雑に見えた問題も解き方や問題設定そのものを変えることによって解決法が見えてくることもあります。そこで最適解を求めつつ、視点や角度を変えて問題を設定して解く柔軟な姿勢を大切にしています。
最近のメモリアルプロジェクト
ある事務機器メーカーのグローバル・ビジネス体制を再構築したときのことです。主に組織と個人の役割に関する問題ですが、日本では社員個々人が責任範囲を超えて業務を請け負ってしまうことが当たり前のように行われていますが、アメリカでは権限や役割がはっきりしていない業務は誰も引き受けないのが普通です。
そうした中で、組織と個人のミッションをできるだけ明確にしつつ、同じ業務を日米欧で遂行するためのルールづくりを行いました。文化の違いを超えて1つのことを実現させるためのコミュニケーションづくりにお客様とともに苦労しましたが、何とか前進させることができたと思います。
また少し古いですが、保守サービス部門の改革プロジェクトも印象に残っています。もともとオフィス機器のビジネスモデルはハードウェアの販売だけでなくサプライ用品の供給やメンテナンスを含めた、トータル・ソリューションとして成り立っていますが、そこにハードウェアの売り切りで勝負する企業が登場したことなどにより、保守サービスの効率性を飛躍的に高める必要が生じたのです。
そこで、コールセンターにベテランの技術者を配置して、ユーザーがコールセンターへ問い合わせれば電話で解決法を提示し、ユーザー自身の手によって復旧していただくように、業務のやり方を改めました。
こうすると、大抵のトラブルや故障はその場で直せるため、復旧・修理までの時間が著しく短縮されますし、サービスマンが出向かなければならないときでも、対処法をあらかじめ把握し、ツールなどを用意して出かけますから、ツール不足による機器の引き上げや再訪問などの時間が不要となり、再訪問コストもゼロに近づきます。こうした解決法は同業他社も1度ならず考えたはずですが、製品のユーザーにインタビューして有効性を検証した上で、実行に進めたことが良かったのだと思います。この業務改革を実現しお客様からは感謝されたことが、特に記憶に残っています。
専門分野
エレクトロニクス産業を中心とした、製造業のお客様の変革コンサルティング
担当している業界・業種
家電メーカー、オフィス機器メーカー、半導体・デバイス・メーカー等のエレクトロニクス産業のお客様。特にオフィス機器業界を専門領域としている。
経歴
味園 真司(みその しんじ)
パートナー
東京大学理学部卒(理学博士)。日本IBM東京基礎研究所で最適化理論とその応用研究に従事。その間、最適化技術を用いた工作機器制御ソフトの開発・外販や、データマイニング技術を活用した経営課題解決コンサルティング活動を展開。より重要な経営課題を解くべく、コンサルティング部門(現IBCS)に異動。製造業のお客様、特にエレクトロニクス産業のお客様を対象にした変革コンサルティングに従事。営業・サービス、SCM、製品開発、基礎研究と多岐にわたって変革コンサルティングを提供できることが強み。またグローバル・チームと協業して業界共通課題と解決案(Point of View)を提示する活動を推進中。
