後藤 友彰をご紹介いたします。
コンサルタントとして思うこと
この十年で、財務会計・経理という分野の役割は、かなり変わってきました。システムの導入による省力化と、大量処理業務の集約化の二つが進展したことが理由です。以前は、経理と営業や購買部門間は、組織的に分断されていましたが、ERPの発想が浸透するにつれて、プロセス全体をカバレッジするようになってきましたから。いまだに経理は会計事務屋としか考えていない会社もありますが、経理部門を企業活動の最終工程を握る部門、経営の参謀と位置づける会社も現れてきています。
業務の集約化という面では、シェアード・サービスやBTO(ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング)の導入が進んだ効果が大きいですね。単に集約センターを設立するのでははなく、業務を再構築し、できるかぎり標準化することと、立ち上げた後にいかに継続的にPDCAサイクル(plan‐do‐check‐act)を回し業務を改善していくかといったことに企業の関心も移ってきました。とにかく処理センターを作ろうという発想ですと、物理的に集約はできても、かえって業務がやりにくくなったり、働く人の評価や制度などが後回しになりがちで、結果として経理部門の引越しだけに終わることになりかねません。
経理業務というものを俯瞰して見るようになると、経理業務を変えるためには一部だけいじるのではなく、組織・人材・プロセス・システム・制度の5つの要素を全て変えないとならないということがわかります。
かつての私は電機メーカーの経理部で、毎日大量の伝票に囲まれた残業の日々を過ごしていました。漠然と何かを根本的に変えようという思いがあったのですが、その方法がわかりませんでした。世の中の経理マンが皆こんな状況にいるのだったら、自分自身で経理業務を変革できるように経験を積んだコンサルタントになることで、世の中の役に立つだろうと思うようになったのです。 結局、仕事をするのは人ですから、業務改革を行ううえでも人の気持ちを大事にすることが原点だと思います。私の経理実務の経験は、現場でお客様と話をする時、問題意識を肌感覚で理解できる点で役に立っていますね。
最近のメモリアルプロジェクト
先日、「NHKスペシャル」で大手通信会社が経理業務をIBMの中国・大連にアウトソースしたという話題を取り上げていました。2005年6月に第1ステップの稼動を開始したこのプロジェクトを担当していたのです。テレビでもお客様が「ミスが1/1000に減った」、「領収書の添付忘れがなくなった」といった効果を話されていましたが、お客様の経理関係の伝票処理の約9割を日本語がわかる中国人スタッフがこなしています。私にとっても、経理業務のBTOコンサルティングから最終的なデリバリーやスタッフの教育までエンド・トゥ・エンドで携わったという点でメモリアルです。
大連のプロジェクトの特徴は、完全にペーパーレスなことです。日本でスキャニングした伝票が電子化されて処理されています。オフショアでのペーパーレスというのは、非常に珍しいケースだと思います。お客様の役員が記入ミスのある伝票をスキャンして大連に送ったところ、「日本では役員の伝票は特別扱いしてしまいがちですが、ちゃんと却下されました」と喜ばれてしまいました(笑)。
お客様からは「こんなに上手くいくとは思わなかった」とまで感謝いただいています。「無駄な残業もなくなった上に、経理部員が社内プロジェクトで活動するなど、本来やらなければならなかった方向にシフトできた」と。
専門分野
経理財務部門の変革ビジョン策定、組織・業務の再構築、経理財務部門の業務変革、連結決算早期化、内部統制の整備強化、システム導入に際しての基本構想立案
担当している業界・業種
経理財務領域を担当しているという特性上、消費財・運輸・通信・製造など様々な業界・業種を担当
経歴
後藤 友彰 (ごとう ともあき)
大手電機メーカーを経て、プライスウォータハウスクーパースコンサルタント株式会社(現:IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社)に入社し、現在フィナンシャルマネジメントに所属。 経理財務領域における変革ビジョン策定からシェアードサービス導入などの業務改革および定着化、連結決算早期化、内部統制整備等のコンサルティングに従事。
