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掲載日 2006年12月20日
近畿日本鉄道様では従来、ホストコンピュータ上で自社開発した経理システムを使用して経理業務を行っていました。昨今の会計制度変更、企業へ求められる開示要求、また、自社開発したシステムのメンテナンス負荷軽減などへの対応のために、業務標準化を目的とした業務改革とシステム再構築の必要性が求められてきており、経理システム再構築プロジェクト(Asuraプロジェクト)を2004年1月にスタートすることとなりました。途中、同年5月には「資材・購買業務」を対象範囲に加え、業務改革とシステム構築を実現するためにSAP R/3およびSAP SRM(Supplier Relationship Management)を活用することを決定し、1年3カ月の期間で新業務の定義、システム再構築を実行し、2005年4月1日に本稼働しています。
プロジェクト立ち上げの背景と目的
- 背景
近鉄グループでは経営基盤強化のための体制整備が急務となっていました。このため、2002年に「新・近鉄グループ経営改善計画」を策定し、グループ全体の「組織改革」「人事労務改革」「コスト削減」を盛り込んだ経営改革に乗り出しました。その取り組みのひとつとして今回のプロジェクトが立ち上がりました。
- 命名
経理システム構再築・購買システム構築プロジェクトは、Accounting System for all Users' Revolutionary Actions(すべてのユーザーの革命的なアクションのための経理システム)の意味を込めて、Asuraと名づけられました。名称決定により、導入期間中・本番稼働後を通して、全社およびグループ各社においてプロジェクトの意義・目的が共通化されるという大きな効果を得られました。
- 目的
プロジェクト
目的
システム再構築が目的ではなく、業務標準化・効率化を実現する
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業務標準化
(業務改革)
今までの業務にとらわれず、SAPシステムの標準機能を活用することで業務標準化を行う
制度変更への対応を可能とする
- 減損会計への対応
- 電子帳簿保存法への対応
業務効率化
経理業務・購買業務の効率化
- 発生源入力、取引先との情報交換など
*業務標準化を実現するために、効率化を阻害する場合は、
標準化(標準機能の活用)を優先する
構築したシステム
本格的に購買管理業務に取り組んでいる企業がまだ少ない中、SAP SRMによる購買管理機能と、SAP R/3による経理・資材管理機能を核として、追加開発をほとんど行わずに目標業務を実現しました。中でもSAP R/3のPS(プロジェクト管理)モジュールとSAP SRMの連携、SAP SRMのLACを利用したソーシングプロセスは共に、日本初の事例となりました。
導入効果
目的としていた業務標準化・効率化の観点では、下記のような効果が得られました。
- 経理業務の効率化
- 予算の一元管理を実現し、事業別収支の明確化と統制を可能にしています。
- 帳票要件定義の方針を見直し、従来の継続使用を廃止したため、年間40万枚以上の帳票削減を実現しています。
- 制度変更への対応
- 内部統制強化のための基盤として全社的視点でのセキュリティを重視した環境を構築しました。
- 購買支出削減
- 購買業務内容の把握・分析に手作業による時間を要していましたが、現在はリアルタイムで必要情報の把握が可能になり、システムのデータを使った効率的な分析が行えるようになりました。購買実績データについても、データベースでの情報蓄積により、半期ごとの把握から、リアルタイム把握が可能になっています。
- 取引先はインターネットを介して、Asuraにアクセス可能となったため、見積から発注までの時間短縮、伝票や仕様書など従来は紙でのやり取りが軽減されるようになりました。
- 資材業務コスト削減
- 単価契約品のカタログによる自動発注が可能になったことで、全体の27%が自動発注に移行しました。
- 購買担当者の3割減、倉庫・廃品処分担当者の6割減により、購買担当者の一部は企画・管理などの高付加価値業務へシフトしています。
全体的な効果は、下記表をご参照ください。
| 目的 | 効果 | ||
|---|---|---|---|
| 経理 業務 |
経理業務 の 効率化 |
経理業務の標準化 |
|
| 経理業務の効率化 |
|
||
| 制度 変更 対応 |
制度変更への対応 |
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| 資材 業務 |
購買支出削減 |
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| 業務コスト削減 |
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成功要因
大きな成功要因としては、プロジェクト期間中から本番稼働を通じた近鉄様・近鉄情報システム様のリーダーシップと強い関与があげられます。
成功要因
プロジェクトオーナー・マネジャーの強いリーダーシップの発揮
ユーザー部門(経理部門、資材部門)と情報システム部門からの積極的なプロジェクトへの参画と稼働後の継続した体制維持
経理システム(SAP R/3)構築と後発の購買システム(SAP SRM)導入において、システムテスト段階から統合して進めることができた
プロジェクト開始後、新業務プロセスが確定された時点より、プロジェクト内容・新業務の概要などを含めたユーザー(社内・社外)への情報提供を数回に渡って実施
データ移行段階から本番稼働開始と位置づけ、運用・保守体制を構築した
近鉄様・近鉄情報システム様・IBCS・SAP社が一体となりプロジェクトを推進した
事前に徹底したBPRを実施し、システム設計時においても安易な妥協をせず、これを完遂した
お客様の声
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倉 崇広様
近畿日本鉄道株式会社
経理部 課長
Asuraシステムの導入によりユーザーの意識は大きく変わりました。
情報をあらゆる角度でリアルタイムに抽出できる環境は、従来の仕事の効率化だけでなく分析能力アップなどの新たな付加価値を生み出しました。また、これまで無縁だったシステム構築にユーザーが深くかかわったことで、「自分たちのシステム」という意識が芽生えました。
業務改革を前面に掲げた導入プロジェクトチームの理念は運用保守サポートチームに引き継がれ、ユーザー部門とシステム部門が一体となった継続的な推進活動によりAsuraシステムは成長を続けています。
浅山 昇様
近鉄情報システム株式会社
開発部マネージャー/プロジェクトマネージャー
近鉄情報システムでは、プロジェクトの開始にあたり、役員(当時担当役員)から発せられた「SAPシステムを徹底的に"好き"になろう」というメッセージを合言葉に、IBCS様のご支援の下、ユーザー部門(経理部、資材部)と共に徹底した標準機能の活用と追加開発の排除により、業務改革が実現できました。稼働後の現在もこの方針を継続しています。
本番稼働後、3回の決算(中間決算を含む)を行ってきましたが、殆ど障害も無く順調に稼働しています。追加開発が少ないため、これに係る不具合が無く、またカスタマイズも標準機能を活用していることから、システムとして高い品質が保持できています。さらには、利用者のシステムに対する理解度、操作方も順調に向上しており、全体として安定した運用・保守を実現しています。
今、直面している内部統制に対してもAsuraシステムは大きく貢献できるものと期待しています。
IBCSのコンサルティングサービス
IBCSは、お客様が徹底した標準化・効率化による業務改革を実現できるよう、SAP製品の知識やコンサルティングノウハウ、SAP向けIBM独自の導入・バージョンアップ・ロールアウト方法論 Ascendant®を活用することによってプロジェクトを支援してきました。その結果として、予定された期間内に導入を完了し、安定した稼働を実現しています。
近畿日本鉄道株式会社のAsuraシステム構築プロジェクトは、2006年2月16日にSAPジャパン社より発表された「SAP Award of Excellence 2006」にて、「プロジェクト・アワード 優秀賞」を受賞しています。「SAP Award of Excellence」とは、SAPジャパン社がパートナー企業を対象に年1回発表する賞で、SAP社のお客様に対する貢献度が著しく高いと評価されたパートナー企業に授与されます。IBCSでは「プロジェクト・アワード 優秀賞」は、2年連続2度目の受賞となりました。
IBM、IBMロゴ、Ascendantは、International Business Machines Corporationの米国およびその他の国における商標です。
SAP、mySAP、mySAP.com、および記載のその他のSAP製品およびサービスは、ドイツおよびその他の国におけるSAP AGの商標または登録商標です。
本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
