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舟をつくるだけではなく、舟を漕ぐ人を育てること

コンサルタントとして思うこと

平泉 繁男の写真1数年前まで、仕事上関係のない席で名刺を出すと、「うちの会社にも何か良い戦略を教えてくれないか」と言う方が多数いらっしゃいました。「何が問題でしょうか」とお聞きしても特に明確な認識はなく、経営コンサルタントが持つ経験や手法を聞けば何か使えるものがあるだろう、といった漠然とした期待感からの会話でした。

コンサルタントは外部の専門家として、その技術や知識を駆使して問題の解決を支援しますが、あるべき姿に対しての問題設定と原因究明が前提です。昨今では、問題と原因がある程度明確になっているプロジェクトが増えています。お客様が危機意識を持って、問題の発見とその原因の究明に当たり、残った解決支援をコンサルタントに依頼するようになったからです。さらに、解決策もある程度明確になっている場合もあります。これは、人員や時間の制約で外部にその実行を委託するケースです。

このように、何が問題か分からないお客様がいなくなった今、問題解決の場におけるコンサルタントへの期待と役割が変化しています。独善的な手法は許されません。お客様が持つ業務知識や人間関係に基づき設定した問題を、客観的な視点と卓越した技術・知識をもって、一緒に悩みながら解決することがより高いレベルで要求されるようになりました。空からものを言うような、地に足が着いていないコンサルティング手法では生き残れない時代になった、ということです。

最近のメモリアルプロジェクト

平泉 繁男の写真2チェンジ・マネジメント(変革移行管理)とは、組織・人の変革を妨げる要素を分類し、それぞれに応じた対策を講じる手法です。企業もそれを構成する組織・人も多様であるが故に、チェンジ・マネジメントの提案も一般解が存在するのではなく、特殊解を立案し効果的に実行する必要があります。

これまでに携わったERP導入の大型プロジェクトでは、変革の対象者が1,000人を超えるものが多く、10年以上かけて構築してきた既存のシステムへの執着故に、現場から多くの反発がありました。ある自動車部品メーカーでは、プロジェクトからの情報発信のみならず、変化を嫌う現場の声を類型化することにより、効果的・効率的に啓蒙活動を行った結果、随時行うアンケートでプロジェクトへの支持率が徐々に上がりました。啓蒙活動がボディーブローのように利いたことが証明された瞬間でした。

上記は、「鶴の一声」でことが決まる企業文化ではあるものの、変革対象者の数の多さによりトップダウン・アプローチでは成功せず、IBMグローバル・ビジネス・サービス(GBS)のチェンジ・マネジメント手法による綿密な計画立案と実行能力が功を奏したことの成功例です。

専門とする経営テーマ

事業戦略、組織変革戦略、コミュニケーション戦略、SCM戦略立案と導入

得意な業界・業種

製造、流通、通信、消費財

経歴

平泉 繁男 (ひらいずみ しげお)
マネージング・コンサルタント

大手電気メーカー海外事業部門、外資系コンサルティング会社を経て、2004年 IBM ビジネスコンサルティング サービス株式会社(当時)に入社。製造業、流通業を中心に様々な企業に対して事業戦略、IT戦略およびシステム導入などのプロジェクトを実施。製造業、流通業における事業戦略の立案から導入、定着まで一貫してプロジェクトをリードした経験を持つ。ERP導入においては、チェンジ・マネジメントの領域からプロジェクトを成功に導いた経験を多く有する。

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