小鹿 文清をご紹介いたします。
コンサルタントとして思うこと
「こんにち人びとはしばしば自分たちの私的な生活には、一連の罠が仕掛けられていると感じている」(『社会学的想像力』,C.Wright Mills,紀伊国屋書店,鈴木広訳)。20年ほど前に出会い衝撃を受けた書籍の冒頭です。
確かに今日の社会がおかれている状況に目を向けてみますと、少子高齢化や社会的格差拡大、犯罪率の増加、環境・温暖化などの深刻な問題にはじまり、隣国の軍事力強化や憲法・教育基本法改正、各種規制緩和あるいは強化、通信やライフサイエンス分野における目覚しい技術の進歩など、予測可能なものから不連続で予測困難なものまで、さまざまな「罠」が仕掛けられています。
こうした中、経営者は自らの事業に一見無関係に思われる「罠」を見抜き、事業環境に影響を及ぼす変化要因が何であり、消費者や企業の購買意識と行動がどう変化し、それらが自社にどういう意味をもたらすのか、ということを想定して経営戦略を打ち立てる必要に迫られています。そのためには「罠」に隠された社会構造やそれらを構成する要素、また構成要素間の因果・効果を的確に捉える視野が今後益々重要となることでしょう。
私は戦略コンサルタントとして、こういう予測困難な環境に立たされた経営者の意思決定を支援するために、日々こうした「罠」に挑み続けてゆきたいと考えています。
最近のメモリアルプロジェクト
新規事業に関わる中期経営計画策定を支援したプロジェクトでしょうか。未来環境シナリオをシナリオ・プランニング手法により構築しました。また、各シナリオが需要に与えるインパクトをパラメーター化・数量化し、こうした需要予測に基づく事業計画をシミュレーションしました。
シナリオ・プランニングは、予測困難な未来環境を複数構築し、将来の戦略オプションを選択的に準備する過程ですから、どのシナリオが到来するか(すなわちどの戦略オプションを選択するか)によって、柔軟に経営の方向性を転換できる「経営のしなやかさ・変化対応力」が必要です。
当プロジェクトにおいては、1つの予測可能なシナリオと3つの予測困難なシナリオを策定し、それらに対応した戦略オプションを選択的に実行することを規定しました。その流れに則って実際の経営が実践され、ほぼ予測どおりの販売とシェアが確保されたという事実を聞いたときは、言葉にならない充実感を覚えました。
専門とする経営テーマ
事業戦略立案および事業計画策定、新規事業立ち上げ、マーケティング戦略、戦略的投資評価 事業戦略コンサルティング
得意な業界・業種
通信、公益、メディア
経歴
小鹿 文清(こじか ふみきよ)
シニア・マネージング・コンサルタント
日本IBM入社後、システム開発部門のPMとしてBPRからシステム計画・設計などに携わる。1999年IBMコンサルティンググループに加わり、電力、通信、メディア関連企業に対し多くの戦略コンサルティング・プロジェクトをリードした経験を持つ。近年では、新規事業開発支援や新製品戦略、シナリオ・プランニングによる事業計画を多く実施している。 事業戦略、マーケティング、戦略的投資、新規事業など経営者向けセミナーを多数実施している。
