本文へジャンプ

世界1,130名のCEOが参加

今回の調査では、CEOが成長のためには事業にイノベーションを起こすのはもちろんのこと、イノベーションを継続できる風土や体質、仕組みづくりが重要であると認識していることが明らかになっています。

さらに今回は調査をもとに、未来企業のあり方、その方向性について以下のように5つのパターンに分類、整理しました。皆様の企業の未来は、どのパターンでしょうか?

1.変化の速さを機会ととらえる

【必要とされる変革の大きさはどのくらいでしょうか?また、過去の変革達成度は?】

2006年と2008年の比較のグラフ

今後抜本的な変革が必要と考える世界のCEOの割合は、2006年には65%でした。一方、変革実現度は57%です。必要性の認識と実現度とのギャップ(チェンジギャップ)は8%でした。2008年、このギャップが22%に拡大しました。

【日本のCEOの声】

グローバル2008年と日本2008年の比較のグラフ

日本ではチェンジギャップ、すなわち変革実現度との差は34%と大きく、変革の実現に課題があることがうかがえます。一方、抜本的な変革を必要とするCEOの割合をみると、83%から96%に増加しています。今回の調査でもっとも変革に積極的なのは、日本のCEOでした。

これに対してCEOは、市場環境の変化を前向きに受け止めています。新興国の市場拡大や先進国の成熟化、従来よりも高いレベルの要求を提示する顧客、CSR(企業の社会的責任)への要求の高まりなどの変化の速さを、競合企業に先駆けるきわめて有益な機会であるととらえています。そのためには、いち早くその兆しをとらえ、対応する仕組みを持つことが必要と考えています。

2.顧客の想像を超える

世界のCEOの67%が、新興市場における消費者の購買力向上(中流層の台頭)を成長の機会ととらえ、今後も投資を増やす予定としています。また、ネットワークを通じて多くの情報を入手したり、意見交換をしたりする新しい顧客層である「ネットワーク顧客層」に対応するためには、顧客とのコラボレーションを通じて特性を深く理解し、成熟した顧客の期待を先取りするイノベーションを起こすことが必要と考えています。

3.世界中の優れた能力を活用する

【「グローバリゼーション」をさらなる事業機会ととらえるには何が重要でしょうか?】

能力やスキル構成を大きく転換する57% 現在の構成を維持する11% どちらも重要32%
社外組織と積極的にコラボレーションする55% 全て自社で行う10% どちらも重要35%
新規市場に積極的に展開する43% 現在の市場に特化する20% どちらも重要37%
ブランドや製品のグローバル化を図る40% ブランドや製品をローカライズする27% どちらも重要33%
オペレーションをグローバル規模で最適化する39% オペレーションを特定地域ごとに最適化する29% どちらも重要32%
M&Aを通じて成長を図る24% 組織内の改革により成長を図る26% どちらも重要50%
複数の企業文化を奨励する30% ひとつの企業文化を追求する36% どちらも重要34%

未来企業は、従来の多国籍化という発想ではなく、世界にひとつの企業として経営資源の最適化を図る新しいモデル「グローバル・インテグレーション」を志向しています。世界規模での社外組織との協業(コラボレーション)、世界規模でのソーシング戦略などを仕組みとして経営にビルドインすることが必要と考えられます。CEOは、グローバル化をさらなる事業機会ととらえるためのKey Factorとして、1)能力やスキル構成の大きな転換 2)社外組織との積極的なコラボレーション をトップ2に挙げています。

4.ビジネスの常識を破壊する

未来企業は、既成概念にとらわれず、ビジネスモデルのレベルでの変革を常に追求し続け、事業の基盤部分を進化させ続けています。自社の製品やサービスの価値訴求のあり方、その提供方法などを、環境変化に合わせて自社のみならず、業界全体をも視野に入れて抜本的に変革することが必要とされています。そのため、世界のCEOの44%は「企業連携モデルのイノベーション」を推進すると回答しています。

5.社会問題に誠実に取り組む

世界・日本のCEOとも、CSRに対する顧客の関心の高まりを脅威ではなく機会ととらえ、社会的責任を誠実に果たすことを視野に入れています。環境問題に関するCEOの関心は過去4年間で倍増し、環境問題への取り組みを自社の変革を行う際のチェンジ・ドライバーとして位置づけています。

未来企業へ向けての5つのパターンの図:1.変化の速さを機会ととらえる。2.顧客の想像を超える。3.世界中の優れた能力を活用する。4.ビジネスの常識を破壊する。5.社会問題に誠実に取り組む。

今回の調査では、このように未来企業へ向けての5つのパターンそれぞれに、横軸に5段階の進化のステージを定義しました。世界の企業の変革がこの中のどのパターンにあてはまり、今実行している変革が完了したときにどのステージに進むのかを、ぜひご一緒に議論させていただければ幸いです。

調査概要

目的

全世界のトップ企業のCEOならびに公共機関のトップ(以下CEO)の持つ課題や対応の方向性について考察

規模

40カ国32業種のCEO 1,130名が参加(日本から121名が参加)

方法

IBMのビジネスコンサルタントによる直接インタビューが主体

これまでのレポート

  • 2006年
    成長実現のための最も大きな経営課題として抜本的なイノベーションを計画しているCEOが多くいることが判明しました。

  • 2004年
    CEOの課題はコスト削減から売上成長(成長回帰)にシフトしたことが顕著に認められました。

Webcast

[スピーカー]
金巻 龍一 Kanemaki, Rio
IBM ビジネスコンサルティング サービス 戦略コンサルティンググループ担当

監訳者紹介

  • 桃谷 英樹の写真

    桃谷 英樹

    戦略コンサルティンググループ 事業戦略コンサルティングサービス アソシエイト・パートナー

事業戦略、企業戦略、営業戦略、マーケティング戦略、新規事業の立上げを主な専門領域として戦略コンサルティング・プロジェクトのリーダーを経験している。

直近では、新規事業の構想立案・戦略策定・具体的な立上げ支援に、幅広い業種・業界で携わっている。業種・業界としては、いずれも業界大手の消費財、商社、ハイテク、金融、広告代理店、医薬、官庁について成果をあげている。また、コンサルティング以外では、医療系の通信事業立ち上げ、国立共同研究機構基礎生物学研究所 講師を経験している。理学博士。


フォームでお問い合わせ

まずはお気軽にご相談ください。