平田 真一郎をご紹介いたします。
コンサルタントとして思うこと
業務改革コンサルタントには、分析力・構想力・計画力・実行力、そして演出力の5つの基本能力が必要と考えています。不況という時勢もあり、最近特に思うことは「ワクワクさせる!」という演出力の重要性です。我々コンサルタントという人種は、例えば、分析のプロとして課題を徹底的にえぐり出し「あれが悪い、これが悪い」という指摘を殊更にしがちです。事業課題・業務プロセス課題・製品開発プロジェクト課題にしろ、これはこれで危機感・改革点・改善点を共有するために大変重要なことなのですが、同時に「こういうBig Pictureを実現できたら素晴らしい」「抜本的に良くなる気がしてきた」「圧倒的に競合に勝てる製品になるイメージが湧いてきた」「改革への一体感が出てきた」といった“改革へのワクワク感”を作り出す演出力がとても重要であると考えています。
駆け出しの頃から数えて約14年近くPLM領域を担当し、さまざまな改革プロジェクトを担当してきて思うことは、開発部門と他部門をつないだ全体最適を行うことがPLMの本質である、ということです。開発以外の部門は開発部門をある種の聖域として見ている、と良く耳にしますが、フロント・ローディング化の波、開発機種数の増加などによって開発部門への負荷が集中し、エンジニアはある種の被害者意識を持たれていることが多いと感じています。開発と他部門の間の業務メカニズムを熟知した上で、分析力と構想力により課題と解決策を明確化しつつ、“変革へのワクワク感”を演出・継続し、新業務プロセスの定着を見えるところまでやり切る、ということが現場密着型であるPLMコンサルタントの使命と考えています。
最近のメモリアルプロジェクト
自動車電装部品メーカー様での新商品立ち上げプロセス改革プロジェクトが強く印象に残っています。グローバル化と商品数増加の急激な進展にプロセスや組織の改革が追いついておらず、さらには自動車OEMメーカーからの早期品質作りこみの要求が年々強化されており、量産垂直立ち上げ力の強化が最重要事業課題となっていました。環境分析・現状分析をしつつ改革ポイントを定義していく中で、受注前構想設計から量産開始までのほぼ全プロセスを全社横断で抜本的に見直すことが必要との結論に至りました。しかしながら、開発部門は開発側の意見があり、生産部門は生産側の意見があり、全関係部門を巻き込んだプロジェクト体制と計画を作り上げるのにはとても苦労しました。しかし、いざスタートして新プロセス構想をセッションを通じて検討していく中で、日々、相互業務理解・課題理解を通じて改善機会の共通認識と一体感を増やし、これだけの大仕事をやり切れるイメージを作り上げたことにより、皆さんがワクワク感を持って、通常業務・突発業務が多忙の中で何とか時間を都合し、プロセス設計、トライアル準備と実行に取り組むことができました。
ロジカルな部分だけでなく、エモーショナルな部分へも、我々コンサルタントが価値を提供しなければならないことを改めて強く認識したプロジェクトです。
専門分野
製品開発プロセス、設計変更プロセス、R&Dマネジメント、BOM/PDMなどのPLM(製品ライフサイクル・マネジメント)領域の業務改革
担当している業界・業種
電機メーカー、重工メーカー、自動車部品メーカーをはじめとする製造業
経歴
平田 真一郎(ひらた しんいちろう)
R&D/PLMイノベーション・サービス シニア・マネージング・コンサルタント
シンクタンクにて、半導体生産管理システムの開発、PDMのシステム・コンサルティング/SIプロジェクト・マネージャー、鉄鋼業界・電力業界・防衛業界のCALSプロジェクトの企画調整推進を担当した後、2001年にPwC(プライスウォーターハウスクーパース)に入社。その後、IBMとの事業統合を経て、現在、PLMイノベーション・サービス本部のリーダーとして、製品開発プロセス改革、R&Dマネジメント改革、プロジェクト・マネジメント改革、モジュラー・デザイン改革、BOM/PDM導入、3次元メカ設計プロセス改革、In-Process CAE改革、エレキ設計プロセス改革など、製造業における製品開発/PLM領域の業務改革・IT導入を幅広く支援している。
