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SCMは「解」がないから奥が深いのです

コンサルタントとして思うこと

近藤倫明の写真1 コンサルタントになる以前、消費財メーカーに勤務していた頃に、自社のSCMプロジェクトに関わりました。社運をかけた全社プロジェクトだったので、各部門の専門スキルを持った人で構成され、目標と期間が明確で緊張感があり、とてもやり甲斐のある日々でした。それで、この道を極めたい、そしてコンサルタントになれば、次々と新しいチャレンジングな仕事ができて、そこで多くのスキルを高められると考えました。

SCMというのは「解」がないから奥が深いのです。本来、メーカー、卸、物流、小売と業界をまたいで考えいくソリューションですが、現実はどうしても自社を中心に考えます。例えば、配送ロットを考えてみてください。なるべく小口で配送してほしい立場なのが小売ですが、メーカーは逆の立場です。卸や物流会社は、在庫管理やトラック積載が効率よくなるような荷姿にしたいと考えます。このようなサプライチェーンの中で、コンサルタントは参画するプロジェクトによって、様々な役割を担います。解がないのですから、個々の答を出すわけではありません。最適なプロセスを提案することが求められるのです。利害が相反する関係の中で、最適な妥協ポイントはどこなのかという視点で常に思考し、迅速に遂行して、その結果を振り返り、結果が思うとおりになっていなければ次に活かせるプロセスをルーティン化できるよう追求していきます。

今後は、市場変化や、お客様や取引先からのたびたびの要求変更に際し、迅速に的確に対応できる会社のみが生き残っていくはずです。そのために我々コンサルタントは常に高いレベルで個々のお客様に応じたSCMのプロセス改革を提案していくのです。

最近のメモリアルプロジェクト

近藤倫明の写真2 ある事業会社のプロジェクトで、倉庫管理の業務プロセスとシステム開発の構想策定から、設計・開発・展開・保守までを行いました。

どの倉庫も同じですが、在庫が合わないと荷の引当てができなくなりますから、出荷が停まってしまう。このため、開発テスト段階は、全ての物流拠点で綿密なチェックが不可欠です。物流倉庫は一日中、さまざまな種類の荷物の入出庫と棚卸の繰り返しです。私たちは数ヶ月間、お客さまと一緒に交替シフトをひいて業務指導を行いました。地方の物流拠点に泊まり込んでのプロジェクトで、終盤に入ってくると体力的にも精神的にも限界に近い状態になります。こうなると、各メンバーの「人としての強さや弱さ」が全部表面に出てきて面白いのですよ。伸びるコンサルタントは、こういう状況での気分転換が上手いものです。オフの日は、溜まった洗濯物を持ってコインランドリーで過ごすことが多くなるのですが、「東のコインランドリーは、隣の喫茶店がおいしくて時間がつぶせる」とか「坂の上は、洗濯機と乾燥機が一体の最新型だ」とか、本当に些細なことに喜びを感じられるタイプですね。

SCMは、システムだけでは上手くいきません。最も重要なのはプロセスです。SCMのコンサルタントには、いろいろなことに気付き、それを試行・推進する能力が求められます。結果、気付きのポイントや仮説の試行の精度も高まってきます。お客様も含むプロジェクトメンバー全員が苦しい環境の中でも、モチベーションを維持して精神的にもたくましくなり、現場と一体化して、業務の改革や改善の実現を目の当たりにできたのが、このプロジェクトであり、印象深いものがあります。

専門分野

サプライチェーン分野の戦略策定、業務改革におけるコンサルティング
需給計画、倉庫管理等のサプライチェーン関連システム導入、展開におけるプロジェクトマネージメント

担当している業界・業種

流通(消費財メーカー、物流会社、販売会社、小売)

経歴

近藤 倫明(こんどう みちあき)
シニア・マネージング・コンサルタント

消費財メーカーから2001年1月にPwC(プライスウォーターハウスクーパース)に入社。その後、IBM との事業統合を経て、現在、SCMコンサルティングのロジスティクスとプロキュアメントを統括管理しており、自らも特に流通業のSCMに関する戦略策定からシステム導入、運用展開支援まで幅広くコンサル活動に従事している。

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