世界の約400名のサプライチェーン担当エグゼクティブが参加
当Studyは、全世界のトップ企業のサプライチェーン担当エグゼクティブ(Chief Supply Chain Officer:CSCO)に直接インタビューを行った世界初の調査です。25カ国約400名の担当エグゼクティブの皆様にインタビューを行うことができました。日本からは27名の方々にご参加いただきました。
※詳細結果が必要な方は担当営業までご連絡ください。
サマリー
今回の調査で、CSCOが直面している5つの主要な課題が明らかになりました。グローバルでは可視化が最大の課題(70%)ですが、日本においてはリスク(73%)と顧客対応(74%)が可視化を上回る主要な課題となっています。
5つの主要な課題
以下は、日本における課題の大きさ順です。
1.顧客との親密性
顧客起点のサプライチェーン構築を目指しながらも、実際には多くの企業が顧客との結びつきよりもサプライヤーとの結びつきを深めていました。日本企業では、世界の56%を約20ポイント上回る74%の企業が、顧客との親密性を構築することが重要と考えています。また、日本企業は顧客ニーズを正確に把握することが大変重要であると認識している一方で、製品開発と需要計画の両面において協働によって顧客ニーズを掴む取り組みが遅れており、社内に閉じたサプライチェーンとなっている傾向が見られます。
2.リスク管理
サプライチェーンが複雑化しており、世界では60%、日本では73%がリスク・マネジメントを重要な課題に位置づけ、例えば、社外パートナーを含めたサプライチェーン全体で供給が止まるといったリスクを管理すべきと考えています。リスク管理の阻害要因として、プロセス標準化の遅れ(世界46%、日本63%)やガバナンス問題・利益相反といった組織上の課題(世界23%、日本46%)が挙げられており、本来管理すべき事項が管理しきれていない悩みが浮かび上がっています。
3.サプライチェーンの可視化
これまで可視性を向上するため数々の取リ組みがなされ、多くの情報が入手できるようになりましたが、サプライチェーン担当エグゼクティブは、適切な情報を「見える化」し、それに基づいて行動することができていないと考えています。日本においても、ビジネス・パフォーマンスの測定や異常発生時にアラートを発するイベント・マネジメントなど、情報が伝達された後に次のアクションへとつなげるという取り組みができていない傾向があります。可視化を妨げるものとして、縦割り組織や多忙の他に、日本では62%(世界52%)の回答者が協働や可視化の重要性の認識の低さを指摘しており、組織上の取り組みの必要性を示唆しています。
4.コスト抑制
従来からの課題であったコストにおいても、絶え間なく続く急速な変化に対応することが求められています。コストの変動費化を進めるために、ロジスティクス領域を中心にアウトソーシングが広く行われていますが、外部へ依存するだけでなく、戦略の見直しや拠点配置の最適化などを行った上でアウトソーシングすることによって、高い効果を上げている企業が多く見られます。
5.グローバル化
グローバル化は、コスト削減よりも売上の拡大に効果があると考えられています。日本でも製造業などの領域で海外移転が進んできていますが、グローバル化によってサプライチェーンの全体的なパフォーマンスが向上したという日本企業は22%(世界37%)に過ぎず、真の意味でグローバル展開するサプライチェーンを実現できていないという認識が示されています。
今回の調査では、サステナビリティー(持続可能性)についてもインタビューを行いました。約半数の日本企業は、環境問題がサプライチェーンに与える影響は大きいと考え、このような認識は37%の回答であった世界よりも進んでいます。世界の他地域に比べ日本企業のグリーン・サプライチェーンの取り組みは進んでおり、約7割の日本企業は環境配慮設計や製造でのCO2削減の取り組みを行っており、半数の日本企業は自社外の流通段階やサプライヤー選定において環境を配慮しています。
サステナビリティーすなわち「グリーン・サプライチェーン」への取り組みの相対的実施状況
IBMは地球がより賢く進化していくことを示すSmarter Planetというビジョンを提唱し、スマートな社会の実現を目指しています。サプライチェーンに関しては、例えば、陳列棚レベルでの補充や部品・原材料のトレースといった情報をより詳細にリアルタイムで入手できるだけでなく、今後は、これまでの“センス&レスポンド型サプライチェーン”の先にある“プレディクト&アクト型サプライチェーン”を目指して、課題を予見し新たな課題であっても最適な対応がとれるような、スマートなサプライチェーンを構築していきます。
よりスマートな未来のサプラインチェーンへ
調査概要
-
テーマ:
激変するグローバル・サプライチェーンの課題とその対応
-
規模:
25カ国29業種の世界トップ企業のサプライチェーン担当エグゼクティブ(設計・調達・生産・物流・需給等)393名が参加(日本からは27名が参加)
-
方法:
面談方式によるインタビュー
