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TechEx for Student 2006 開催報告

アカデミック・イニシアティブによる学生向けのイベント

アカデミック・イニシアティブによる学生向けのイベント「TechEx for Student」が、2005年に引き続き2006年も開催されました。今回は、場所を大和研究所から幕張事業所に移し、「オープン」な視点をテーマとしました。

約90名の学生の皆さんにお集まりいただき、オープン・イノベーションに関する講演や、幕張事業所内のシステム・テスト・センター見学、若手エンジニアとの交流などを行い、大変活気にあふれるイベントとなりました。

イベントの中では、グリッド・コンピューティングやオートノミック・コンピューティングといった先進技術に、2006年により一層注目度が増したオープンソース・ソフトウェアに代表される、オープンスタンダード・テクノロジーをテーマとした、学生・大学院生向けのIBMが主催する論文コンテスト「Scholars Challenge Program 2006」の表彰式も催され、奨励賞1名、Mozilla賞2組の方々に賞状と記念品が贈呈されました。

以下に、熱気あふれるイベントの内容を紹介します。

企業が必要とする人材

日本アイ・ビー・エム株式会社
テクニカル・セールス・サポート担当
理事 佐々木 順子

フラット化する世界の中で、企業が本当に必要とする人材像とは何かについて、エンジニアとしての自身の経験を交えつつ説明。激変する環境により、テクノロジーだけでは差別化できなくなった企業において、イノベーションを加速して生き残っていくためには、どうしていかなければならないか?企業が必要とするイノベーションを生み出すことのできるプロフェッショナル像について、また、倫理観や教養といった観点もいかに重要であるかについて、学生の皆様に熱いメッセージを送りました。

先進テクノロジーによるパラダイム・シフト

日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社
AIS テクノロジー・イノベーション
濱田 正彦

佐々木のセッションでも、繰り返し強調されたイノベーションとは何か?Webによって買い物の仕方が変わったこと、携帯電話の普及により人との待ち合わせ方法が変わったことなど、身近な話題をもとに、紐解いていきました。2006年のキーワードのひとつに挙げられる"Web2.0"を中心に、テクノロジーが我々の住む社会にどのような変革を与えたか、また、与えつつあるかを解説しました。

オープン・イノベーション

Mozilla Japan 代表理事
瀧田 佐登子 氏

NetscapeからMozillaへと開発を移行する段階で、ユーザの声がいかに重要かを考え、オープンの世界へとシフトしていったことを、オープンソースの先駆者としてのMozillaの経験を実際の事例を交えて解説いただきました。「誰もが活躍できるオープンソースの世界で技術を磨き、世界で通用するエンジニアとして成長してください」との心のこもったメッセージを頂きました。

オープン・ソースの世界で活躍する学生たち


下農氏

浅井氏
「Firefox 日本語版ができるまで」
浅井 智也 氏

「Mozilla Developer Center(MDC)での活動について」
下農 淳司 氏

聴衆である学生の皆様と同じ立場であるお二人に、オープンソースの世界でどのように活躍されているかをお話いただきました。難しいことを考えずに参加できるということ。プログラム・コードを書いたりすることだけが貢献ではなく、オープンソース・ソフトウェアを使ってみて、その感想を書き込むだけでも十分な貢献となることを語っていただきました。同世代の活躍に、学生の皆様は刺激を得られたようです。

ポスター・セッション

幕張事業所 見学ツアー


システム・テスト・
センター見学
IBMの若手エンジニアとMozilla Japanの方々によるポスター・セッションが開催されました。オープンスタンダード・テクノロジーを普段から推進しているメンバーとの交流という、またとない機会に、学生の皆様からの熱い質問が各ブースで集中。予定されていた時間枠を終了しても熱い議論が収まらない、活気あふれるポスター・セッションとなりました。

ポスター・セッションの内容は以下のとおりです。

また、ポスター・セッションの合間には、幕張事業所内にあるシステム・テスト・センターの見学を実施。社員でも普段はなかなか見る機会のないメインフレームのSystem zをはじめ、IBMのテクノロジーが結集したハードウェアへの学生の皆様の熱い視線を感じ取ることができました。

Scholars Challenge Program 2006(優秀論文の発表と表彰式)


賞状授与
日本アイ・ビー・エム株式会社
ソフトウェア開発研究所 所長執行役員
岩野 和生

Mozilla Japan 代表理事
瀧田 佐登子 氏

岩野が投稿いただいた論文全体に対する講評を述べたあと、今回、受賞された3組の方々へ、岩野とMozillaの瀧田氏から賞状と記念品が贈呈されました。

講評では、中国やインドの学生が、非常に質の高いアイデアを実装し世間に対して発信していることに触れ、日本の学生も負けずにチャレンジし世界へ飛び立っていって欲しいとの、岩野が普段から抱いている想いを投げかけました。

以下に受賞された方々をご紹介いたします。

奨励賞

本多 展幸さん(九州大学):"最適実行ホストの自動選択と利用者ジョブの自動変換を行なう計算グリッドポータルの研究"

グリッド・コンピューティングは、電力網(パワー・グリッド)を語源とし、どこで発電され(どこに計算資源があり)、発電所からどのようにして我々のもとに届くか(どのようなネットワーク経路をたどって計算資源を利用するか)を意識しなくてもよいような世界を目指している。

現在のグリッド・コンピューティングは、どれだけこの理想に近づけただろうか? グリッド・コンピューティングを利用するためには、使う計算機をあらかじめ決め、その計算機の利用資格を取得し、その計算機で動くようにプログラムを作成し、その計算機上に配置し、その計算機の流儀に従ってジョブを投入するという手順を踏む必要がある。

この現状を理想に近づけるために、計算資源の詳細を知らない利用者でも自作のプログラムを簡単にコンパイル・実行できるよう支援する、計算グリッドポータルを提案する。

Mozilla賞

河村 進吾さん、大口 尚紀さん、田路 真也さん(東洋大学):"OSS開発のためのWebコミュニティの提案"

オープンソース・ソフトウェア(OSS)の開発は、コミュニティによる集合知の代表例である。OSS開発では、プログラムの修正や改良は、コミュニティの一握りの人々の最終判断への依存が大きいのが現状である。このような状況においては、一握りの人々の判断の誤りが、ソフトウェアの将来を閉ざす結果となる。この判断の誤りを回避する方法として、一般ユーザの声を反映させることが非常に重要となる。

エンドユーザの意見の多様性を活用できる、ユーザ参加型開発支援コミュニティを提案。このコミュニティにおける開発に多様性を保証するために、自己組織化マップを利用し、開発グループの特性を分析した。

足立 博さん(電気通信大学):"サイドバーOS「PoniOS」の提案"

安全なパスワードの管理をどのよう実現するかは、非常に重要な課題である。Webアプリケーションが増加してきた昨今、PCを共有して利用している場合、ブラウザに記録された自分のユーザIDとパスワードが、知らない間に他人に利用されてしまうというケースが多く見受けられるようになった。

PoniOSと名づけたサイドバー型のソフトウェアを提案。このソフトウェアは、様々なWebアプリケーションへのシングルサインオン機能を実現することを目的としている。また、普段使用するPCが使えない環境においても、PoniOSがすぐに利用でき、普段と同じような感覚でWebアプリケーションを利用できる仕組みの開発に取り組んだ。

PoniOSが普及するために必要な項目についても考察し、そのひとつとして、PoniOSをオープンソース・ソフトウェアとしてその仕様を公開することで、PoniOSに対応したアプリケーションが増加するような仕組みを作ることが必要であると指摘する。

学生向けの新教材

最新技術を習得するための新しい教材を公開しました


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