概要
「IBM Cognos® 8 BIの採用で、画面の自由度は格段に向上しました。たいがいのユーザー要求には標準機能だけで十分に対応でき、カスタマイズをほとんど行わないので保守性の高い環境を迅速に構築できます。」
ITソリューション部 副課長 小林 史幹 氏
厳しいビール市場で勝ち抜くには情報の活用が必須
サッポロビールは、130年前の「開拓使麦酒醸造所」から始まる。長い歴史を経て「お酒は、お客様の楽しく豊かな生活を、より楽しく豊かにできる」と信じ、お客様に「サッポロビールを選んでよかった」と言われる企業であり続けた
いという。
とはいえ、ビール市場では、常に激しいシェア争いが行われている。酒販免許の自由化で販売チャネルは増加したものの、飲酒人口の減少による総需要の低下が進み、競争が激化する中で勝利するため、サッポロビールはビールだけではなく、焼酎やワイン、低アルコール飲料などさまざまな価値ある商品を提供し、総合酒類販売企業としてより一層の成長を目指している。
提供する商品を増やし、総合酒類販売企業として飲食店や販売店に総合的な提案が行えるようにする。確実に市場ニーズをとらえ顧客志向に合致する商品をタイムリーに提供するためには、さまざまな市場情報を活用することが不可欠だ。サッポロビールでは、これまでも情報活用には積極的に取り組んできた。
Plan・・・・・・目標とアクション・プラン策定、仮説立案
Do・・・・・・・計画の実行、実績の収集
Check・・・・状況の把握、目標と実績の差異分析
Action・・・・目標を達成できない場合は、要因分析を行い、改善のための是正措置をとる

統合情報活用基盤イメージ
IT投資の厳格化で投資対効果の向上を目指す
「ビール中心だったころに比べ、取り扱う品種も販売拠点も増えているので、システム的には利用するデータが急激に増加しています。当然ながら、ビールと焼酎などでは売り方も違います。地域、商品ごとなどさまざまな切り口から分析したいという要求があります。」
ITソリューション部 副課長の小林史幹氏の説明によると、情報分析への要求はかなり高い。サッポロビールは、卸である約2,000店の特約店に商品を販売しており、自社の売上分析は以前より行っている。しかし、営業活動の最前線は特約店の先にある販売店や飲食店にまで及ぶ。そのため、消費者に近いより粒度の細かいデータの分析要求も高く、特約店経由で20万店を超える販売店データ、また大手スーパーなどのPOSデータも取得し、大規模な情報分析を行っている。
サッポロビールにおける情報活用の歴史は、かなり長い。1996年には、データ検索®レポーティング・ソフトウェアIBM Cognos Impromptuをすでに使い始めている。これは、データ活用が重要だということを、企業が理解しているからだ。とはいえ、当然ながらTCOを削減してIT投資に対するROIを最大化し、時代の変化に迅速に対応することが、情報システム部門には常に求められる。
「状況が大きく変化したのが、2000年のOracle E-Business Suiteによる会計システムの導入です。この時から、ホストのオープン化が加速しました。それなりの苦労の末、管理会計の仕組みが出来上がり、さまざまな軸で分析ができるようになりました。この段階でデータ・ウェアハウスも構築し、IBM Cognos PowerPlayで多次元分析も行えるようになりました。」(小林氏)
その後、業務の可視化への取り組みが始まり、2004年にはIBM Cognos ReportNetも導入しBIの適用範囲は大きく拡大する。ここまでで、財務視点の管理会計、業務プロセス視点のSCM、顧客視点のCRM、そしてグループ全体の業績管理といった領域で情報活用する環境が出来上がった。
情報活用ができる環境とはなったが、利用を続けるうちに課題も出てきた。PowerPlay中心の使い方はすべてのユーザーが使いこなすには難しく、複雑な分析要求にReportNetではSQLクエリーの機能的な限界が見えてきた。さらに、クライアント・サーバー型ツールも全社に配布したため、バージョンアップなどの管理作業が大きな負担となった。そして、複数のデータ・マートやクライアント・ツールに情報が分散配置され、分析ノウハウが俗人化する弊害も発生した。
既存資産を生かし最小の手間で総合的な情報活用基盤を構築
「エンド・ユーザー・コンピューティングの推進や各バリュー・チェーンでの見える化の実現という効果はありましたが、新たな課題を解決し、さらなる全社的な情報活用を推進する。その上で、TCOを削減する必要がありました。そのためには、統合的な情報活用基盤を構築する必要があると考えました。」(小林氏)
この情報活用の統合基盤として選ばれたのが、IBM Cognos 8 BIだ。
「IBM Cognos 8 BIを選んだ理由は既存資産を生かせるのはもちろん、標準で持っている機能性の高いことが挙げられます。他製品でも作り込みで実現可能かもしれませんが、それでは構築に手間と時間がかかり、さらに保守性の低い環境が出来上がってし
まいます。」(小林氏)
IBM Cognos 8 BIについては、国内で出荷開始される以前から情報を収集している。IBM Cognos 8 BIの評価結果は、優れた使い勝手でユーザーの高度な要求に対応できる。複雑な画面レイアウトを設定でき、レポートと分析ニーズの両方に単一製品で応えることができる。さらに単一アーキテクチャーであるため、システム管理負荷を軽減でき、散在していたコンテンツを一元管理できる。そして、ブラウザーのみでサービス提供できるので社内展開も容易となった。
BI環境の標準化をIBM Cognos 8 BIの活用でプログラミング・レスに実現
IBM Cognos 8 BIへの移行では、なるべくプログラミング・レスでいくことが検討された。結果的に、移行作業は極めてスムーズに推移する。ReportNetは、テンプレート機能を用いて標準化を行ったレイアウトにて、すべてのレポートの再作成を行った。この作業は、IBM Cognos 8 BIの生産性が高かったため、迅速に移行が実現できた。PowerPlayの環境は、IBM Cognos 8 BIがPowerPlayのキューブをそのまま利用できるので、それを用いコーディングなしで新たなWebベースの分析画面を構築した。
2006年夏には、特約店から販売店への売上データ分析環境をユーザーに提供開始し、その後は順次各システムの移行を実施している。BI環境の一元化を実現した結果、一部性能の問題も発生したが、これには検索専用データベースとしてNetezza Performance Serverを導入し、新たにIBM Cognos 8 BIと連携することで解決できた。
「BI環境の標準化には、時間をかけて取り組みました。IBM Cognos 8 BIに一元化することで、操作性の統一、データの集約が実現できました。」(小林氏)
サッポロビールでは、現場から頻繁に分析環境の修正や追加の要望がある。IBM Cognos 8 BIの機能が豊富なので、この要求にも迅速に対応できる。
「IBM Cognos 8 BIで生産性が向上し、以前の半分くらいの時間で開発可能です。その分、より多くのユーザーの要望に対応できます。」(小林氏)
さらに、PowerPlayではキューブ・データしか利用できなかったが、IBM Cognos 8 BIのAnalysis StudioではデータベースへのSQLアクセスも組み合わせ、さらに高度な分析環境が実現している。
常に目標を設定しその進捗を追うのが、サッポロビールの業務の進め方の基本だ。そのためには、PDCAサイクルをきちんと回す必要がある。IBM Cognos 8 BIの導入により、プロセスの見える化が実現し現状把握はできるようになった。
「次のステップでは、予測を行い予算や戦略立案の迅速化を行いたい。」(小林氏)
そのため、今後はコグノスのファイナンシャル・パフォーマンス・マネジメントのソリューションIBM Cognos 8 Planningにも大きな期待が寄せられている。
お客様情報
「黒ラベル」「ヱビス」「ラガービール」などのビール類はもちろん、ワイン、焼酎など多様な飲料商品を提供する総合酒類販売企業です。原料、品質に、さらに研究開発にこだわりをもち、お客様のニーズに応えた新しい価値を提案し続けています。
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事例は特定のお客様での事例であり、すべてのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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